副業とフリーランス
色々なサービスが、個人を売りにしないかと囁いている。副業とか、フリーランスとか。ある副業サービスを利用する男性はいう。副業なら好きなことをお金をそこまで気にしないで働けるのでいいですね、と。
フリーランスで生きるのは、なんといっても余りある自由が魅力だ。通勤ラッシュもないし、意見の合わない上司もいない。しかし、それは全て自己責任によって得られている。営業が足りなくてフツーに飢えることもあるし、チームで企画を練ることはないから、コンペで負ける時も少なくない。再来月の収入がはっきりしていないときもあるし、自分は落ちこぼれているのではないか?と不安で潰されそうになったりする。本当に自分を売り物にすることが、自分にとって素晴らしいことかよく考えなくてはならない。
副業サービスを使って、好きなことだからってカメラやライター、デザイン、翻訳、様々なフリーランスの領域のモノを、プロではありませんと注意書きをして、タダみたいな値段で市場に出す。本当にそんなもの必要だろうか?
わたし個人としては、フリーランスはそういうモノとも戦わないといけないものだと思っている 。今みたいな副業マッチングアプリが出回る前も、学生にタダみたいな値段でやらせて、仕事をさらって行く会社とかあったし。そこは戦略の違いだ、差別化を図らなくてはいけない。大抵の安さをウリにしている商品には、クオリティや納期で勝てる。納期をウリにするとたまに死ぬけど。
しかし、個人の能力を活躍させようみたいなツラして、のうのうとやりがい搾取してオッケーみたいなマインドを人々に植え付けるようなサービスは許せない。提供された価値には対価を払わなければならいのは、はじめてのおつかいで習うでしょ。
一方で自分の能力に対して、自分で値段をつけることは一朝一夕にできることではない。相場や時給を考えてある程度の最低価格を作ることはすぐに可能だ。だが、その人の価値は本当に最低価格のままでいいのだろうか?そういう個人の能力の価値をきちんと計測してくれるところまでサービスは目指すべきではないか?サスティナブルなサービスかどうかは、とても重要な指標の一つだからだ。
ホテル業界は値付けを完全にAIに切り替えてからとても利益率が上がった。設定した変動幅内で、閑散期には値下げして、宿泊率を上げてロスを防ぎ、繁忙期にうっかり安いまんま予約受けまくっちゃうみたいなミスが減った。フリーランスの領域の値付けにも応用できるのではないだろうかと思う。
みんながスケールしようというマインドを忘れないサービスであって欲しいと願うけれど、フリーランスで生きる以上はセルフブランディングも自己責任なので、様々なサービスを利用しながらコツコツ頑張るしかないんだよね。がんばろ。