徴兵に行くか?アホになるか?オカマになるか? 「ロンドンのルームメート編」
今回はキプロス出身のデミトリッシュ(デミ)の話。
キプロスという国は彼に会うまで知らなかった。
場所はトルコの南に位置する島で大きさは四国の約半分、そして半分近くはトルコに占領されているという国だそうだ。
デミは20歳くらいでロン毛のモジャモジャ。背も低くて外にいたらホームレスみたいなルックスだ。同じ音楽学校のギターの生徒でほぼいつもギターを持っている。
話かたも歩くのもゆっくりで走った姿などは見たことがない。きっと走りそうにもない。
独特の感性を持っていて発する言葉も的確だし知的でいろんなことを知っていて面白い。。
よくギターを持って僕の部屋のドアを叩くデミを思い出す。。
なぜ俺の部屋に来る時までギターを持っているのだろうか。。
彼はギターを外さない。料理とかトイレ以外はいつも持っていた。
部屋に来ると「ヘイ!何してる?」
そしてよく二人でキッチンで話したものだ。。
その中で一番記憶に残っている話。。それは
キプロスの徴兵審査でのこと。。。
キプロスはいつもトルコ軍とバチバチしているみたいで
島の半分近くを占領しているトルコ軍がいつもいる。
そんなためかキプロスには徴兵制度がある。
彼の年齢とかでは皆、兵隊の訓練を受けなくてはならいみたいだ。
でもデミはロンドンにいて学生をしている。。
「なぜか聞いてみると。。」
徴兵審査で不合格だった。。
僕「何かあったの??」
彼「誰も徴兵になんか行きたくないよ。。だから不合格になるようにしたんだよ」
僕「どうやって?」
審査の時にアホのフリをしたと言う。。
「まじか!」そんなことが可能なのか。。
審査の時に何か問題があるとやはり徴兵には向いてないみなされるみたいだ。
その前にも知り合いのお医者さんに診断書も書いてもらうようだ。
いくらお医者さんが書いてもそういう感じで徴兵を逃れる人は少なからずいるみたいでそこで審査官の前でもそれを検査されるというのだ。
普通の人間がその審査官の前で精神的問題がある演技をしなくてはならないとなると想像するだけで面白くなるだろう。。
ましてやデミのことを知っているだけに本当にそんなことがあるのだろうか。。っと思ったりもするが国は国、日本では考えられないようなことがあるのも世界だ。
審査官「あなたのお名前は。。」
デミ「はあ〜?」(アホなふり。。)
審査官「年齢は。。。」
デミ「はあ〜?」(精神的におかしな人なふり。。)
審査官「お住まいは。。」
実演してくれたがとにかく面白い。。。
やっぱり修羅場をくぐり抜けてきた人の演技はプロだ。笑
かなり精神的に異常があるような演技をしたというのだ。。
最低でも2回。。
医者の前と、審査官の前だ。。
彼曰く、精神的異常とオカマは免除されるようだ。。
どちらの演技をするか考えた時に彼は前者を選んだというのだ。。
オカマのフリはキツイだろう。。。
それで今彼はロンドンで学生をしていられているという。
ある意味、実際には彼の年齢では徴兵されているものだからキプロスにいることが周りから見たら怪しまれるのだろう。だから海外に出てそこで学生という選択をしたのだろうと思う。
そんな方法があるのだな。。
みんないろいろ考えるんだな。。。
もし日本に徴兵制度があったらどうだろうか。。
20歳になっても何もそんなことを考えずに生活できるのも日本に徴兵制度がないからなのだ。。
徴兵に参加したい人もいれば行きたくな人がいるのも事実だ。
もしデミのような方法で免除されるとしても僕はどうするだろうか。。
医者の前で、審査官の前でアホなふりはできないかもしれない。。
徴兵に行くか
精神的おかしな人になるか
オカマになるか。。
そんなこと考えなくていい日本に乾杯!!