京都に行った話②2024.11.22【日記外伝】
昨日、京都へ行きました。今日はその京都話の第二弾「西陣織会館」へ行った話をしたいと思います。
ぶらりと歩いていると「西陣」と書かれている建物がありました。その建物こそ西陣織会館。織物はあまり触れてこなかったので気になって入館しました。
入口を通り最初に聞こえてきたのはガシャン、ガシャンという音。音に誘われ行ってみれば2階で職人さん達が実演していました。最初に見学したのは2人の織物職人さん。ジャッカード織機という大きな機械を1人で動かしガシャン、ガシャンと響かせながら丁寧に織っていく姿、図案を合わせながら綴織で一本一本繊細に織り込んでいく姿。息を呑みました。高い集中力で目の前の糸と向き合い緊張感を持って織る姿のなんて格好良いことか。実際に見学をしに行ってほしい。圧巻です。
織物職人さん以外にも色んな職人の方がいました。帯の図案を描く職人さんと少しお話しさせていただきました。どのように図案を描くのか、どんな画材を使うのかなど質問をすると快く答えてくださりました。実際に図案や画材を見せていただけたし触らせていただきました。
お話が弾むにつれて興味深いお話が伺えました。
「昔は師匠のところに弟子入りをして住み込みで10年とかの長い年月修行を積んで独立をしていたんだよ。でも、もうそんな事をする若い子達はいないし給料も基本的に出ない。出たとしてもお小遣い程度だから今の時代にも合わないのかもしれない。人の手で一からやるのがどんどんなくなってコンピューターと組み合わせてやるのが主流になるのかもしれないね。もちろんデザインセンスは必要だけどね。」
「伝統的な模様を守るのも大切だけれど、時代に置いていかないようにするのも大切。西洋の建物の壁紙やレースとかにも学べるものは沢山あって、実際に帯の模様の参考にしたんだ。」
古いものばかりだと飽きられてしまうから新しいものを学び続けるんだと、そう穏やかに笑っていました。続けて後継者が居ないのだとも仰っていました。周りは年上ばかりで知り合いの中だと自分が最年少なのだと。職人さんの年齢をお伺いすると75歳とのこと。伝統工芸の後継者問題はニュースや人伝で見聞きして知ってはいましたが実感があまりありませんでした。実際に当事者の方からお伺いすると大きく衝撃を受けました。ふと周りを見ると外国人の方々ばかりで、私と同年代くらいの人はいない。平日だったからというのもあるのでしょうけれど、それでも少ない。
「淋しいですね」
「うん。」
この「うん」にどれだけの想いが詰まっているのか。私には想像もつきません。
別のお客様が職人さんの元へ見学をしにきたタイミングでお礼を言って職人さんの元を離れました。色々と考えさせられる有意義な時間でした。お話できてよかった。
なんとこの西陣織会館、無料で入館できます。展示も職人さん達の巧みな技も無料で見学できますし、他にも蚕の飼育や、狩衣や十二単、四季折々の風景を表した織物の絵巻など様々な展示品を鑑賞できたりします。なんという贅沢でしょうか。バグかと思った。お金を払わせてくださいと言いたい。
見学に夢中になってしまって次の予定への時間になりショップでお買い物できなかったのが唯一の心残りです。時間配分できなかった己が憎い。悔しい。オンラインで買うこともできるようなので今回私はオンラインでポチります。次行く時は絶対ショップでお買い物します。
知らない世界を見るのはとても面白いですね。職人さんとお話もできて、素敵な展示も鑑賞できた学び多き時間でした。