松田聖子の音楽を平成生まれが語ってみた
「リアルタイムで彼女の音楽を体感してみたかった」
聴くたびに平成生まれの私はこう思う。今回は、そんな私が松田聖子の音楽を現代のアイドルとの比較も交えながら語っていく。
シンガーソングライターによる作曲
これは松田聖子に限らず、昭和アイドルにおける大きな特徴の一つである。シンガーソングライターとアイドルの化学反応はアイドルを進化させる。
ユーミン作曲による「赤いスイートピー」はその典型だろう。それまでは「ぶりっ子、フレッシュ、無垢な少女」というイメージ(あくまで私の)だった彼女は、この曲によって「垢抜けた大人の女性」へと変貌を遂げた。中森明菜の「飾りじゃないのよ涙は(作詞作曲:井上陽水)」や河合奈保子の「けんかをやめて(作詞作曲:竹内まりや)」も彼女たちのイメージを大きく変えたことだろう。
もしかしたら私の勘違いかもしれないが、最近のアイドルの楽曲の多くは職業作曲家が手がけているように思う。男子アイドルの楽曲には星野源や米津玄師が関わっていたりするが、女子アイドルの楽曲には彼らのようなシンガーソングライターの気配があまりない気がする。あくまで個人的見解。
歌唱力、表現
これに関しては私が事細かく説明するよりも聴いてもらった方が良いだろう。
この曲もユーミンが作曲を手掛けている。関ジャムやこの動画のコメントでも言及されているが、1:52で声が裏返るところなんかはまさに聖子流節回し。
これは松田聖子のデビュー曲。高音はもちろんのこと低音もしっかり響かせる歌唱力。また、この曲でも随所において声が裏返っている。本人曰く、無意識にやっているらしい。
歌声
とても偉そうな意見になってしまうが、私が思う「素晴らしいボーカリスト」はみんな良い意味で「変な声の持ち主」だ。マイケル・ジャクソン、米津玄師、椎名林檎、みんなクセの強い歌声である。もちろん松田聖子もそのうちの一人だ。
彼女の歌声を喩えるなら「砂まじりの水」。曲の序盤、喉というペットボトルの中で砂は奥底に沈澱している。しかし、曲が盛り上がっていくにつれてペットボトルは激しく震え、砂が水と混ざり合う。すると先述の「変な声」が完成するのである。
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