感染者数比が人口数比と等しくなる都道府県のコロナ現況
今日は、都道府県の感染者数比がその人口比に等しくなりつつある現況について述べます。実数ではなく、個々の都道府県が持つ感染者数や人口数が全体の中で占める割合を比較するわけですから、もし等しくなれば両者はグラフ上近似した波形で示される筈と推測していました。
post第7波直近期間2023/2/1~2023/2/17の、都道府県の人口数(左図)と感染者数(右図)をグラフ化し、図1として比較検討しました。
図1:都道府県別人口と感染者数
一見して、感染者数波形(上段)が、人口数波形(下段)をコピーした如きで、相似性は思った以上でした。人口数の多い順に従って感染者数を並べ替えしますと(図2)、波形推移の意味が更に深まります。
図2:人口数順とコロナ感染者数順
都市人口依存型感染では、新たな感染波の登場が無い限り、コロナ感染に親和性を持った感染者数を示す都道府県なるものは想定できませんし、また現実に存在しません。それぞれの都道府県が等しい発症率を示し、それが全都市圏人口に作用して図1.2の感染者数波形を生み出したと推測しています。大都市圏感染者数は、post第7波期にあって比較的早くから安定していたこともグラフの高度な相似性を示した一因と思われます。
中小都市圏では、post第7波期の現在にあって感染者数が減少しつつもまだ底を打っていません。2023/2/18現在でも20000人/日の感染者数の中核をなす現実を考慮する必要があると思われます。図2の人口数と感染者数推移の乖離は、そんな感染状況を表している可能性を推測します。
当シリーズにしてみれば、全都道府県で感染者数比がその人口数比に近づくと予測していましたので、図2は都市人口依存型感染の行きつく終着駅が間近になった思いで見ています。
グラフで用いられた元のデータを表1に載せます。
表1:都道府県人口とpost第7波直近の感染者数と死亡者数
2023/2/~2023/2/17
死亡者数グラフを示しておりませんが、2023/2/17現在、大都市圏死亡者数は未だに変化の最中であり、感染者数増も中小都市圏主体に続いている状況ですので、死亡者数が安定した今後の状況を経て検討課題としました。
感染者数が全都道府県に共通した発症率による可能性を推測しますと、発症の生物学的、社会学的背景等にいろいろ思いを巡らせます。けれども、深堀りは当シリーズの目指す処ではありませんので、都市人口依存型感染の終着駅を「見るべきものは見た」と思って一旦棚上げし、死亡者数グラフを確認した後は、都市人口依存型感染が善悪を含めどんな社会的変化を生み出すのかを注意深く見守っていくつもりです。
それにしても、こんな人口数依存性の感染現況が、欧米でも見られるものか日本だけのものかに興味が湧きます。不勉強な私には見当がつきません。
とりあえず、都市人口依存型感染がもたらしたBA.5型、BA.5.2型、BA.5.2.1型変異株の三頭だて体制が、今後侵入が予想される変異株のBQ.1.1型あるいはXBB,1.5型によって、どのように崩れて行くのかをグラフ上で確認したいと思っています。もしかして三頭だて体制が崩れれば、同時にそれがコロナ帝国滅亡に繋がる可能性もある、とひそかな期待もしています。
2023/9/17、図2を加えることで、本文はかなり変更になりましたが、文意に変わる処はありません。
2023/2/18
精神科 木暮龍雄