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COVID-19・第3波に続く感染波(2)
東京都と大阪府の、COVID-19感染者・死亡者数推移グラフ(2021/4/7)を並べ、図1としました。図中説明はなるべく省略してグラフはすっきりしましたが、かくも異なるCOVID-19感染者数グラフ波形の同時的存在に、今更ながら驚いています。
図1:東京都と大阪府の感染状況2021/4/7
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50029070/picture_pc_2e6084671eec38ebe3964ea67d28069d.png)
表計算ソフトエクセルにはグラフを複合する機能があり、感染者数と死亡者数を同一グラフ場面で示すことが出来ます。今日は、図1とその複合グラフとの比較をしてみました。図1の2グラフを重ねた左右のグラフを、それぞれ1グラフにして左右を表すと、図2となります。スペースを節約し、グラフ作成に要する時間もかなり短くなりました。
図2:東京都と大阪府の感染状況(複合波形)2021/4/13
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50029218/picture_pc_cd5542cc0377feec3b2b99db7189982f.png)
図1の方が丁寧に感じるのに対し、図2は、色の選択が限られていたためか、素っ気ない感じがします。図2の長所は、死亡者数の time lag が一目瞭然になったこと、総合感が得られたことでしょうか。しかし、感染者数や死亡者数を個別に細かい変化をみるには図1が適しているような気がします。グラフ作成の手間を思い、使い分けを考えています。
本題に戻ります。4月に入り、変異株ウイルスが全国的に浸透しつつあります。地方都市も大都市も、変異株と思われる感染者数増をグラフ上に窺うようになりました。変異株の侵入をブロックしてきた新たな波形成分ですが、世に出でて4ケ月越えるとあれば衰えが出てきても不思議ではありません。首都圏、福岡県でも、変異株由来と思われる感染者数増を感じるこの頃です。都道府県別の感染状況を追うのが本シリーズの主要課題ですから、変異株による感染増の区切りがつくまで暫くは様子見のこととし、関西圏に勢力を分けて北海道に残った第3波のその後を、複合波形で検討したいと思います。
図3:第3波の経緯
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50029659/picture_pc_c32a7396ca770a304fc0bfb4523d49f1.png)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50029697/picture_pc_6b6a862707bdf6deb60a5d300f86c2f8.png)
第1波の病原性にかなり強い毒性が推測されてきましたが、第3波はそれを上回る強い病原性を図3上段グラフは示しています。その第3波が、病原性を異にする新たな波形成分とぶつかり合ってその勢いを削いだのは、大阪府の場合と同じでした、大阪府と異なるところは、そこに変異株ウイルスが待ち構えていなかったことでした。暫く底上げ層3を形成していましたが、それでも2ケ月近く過ぎた現在、変異株の北海道侵入の兆しをグラフ上右端に認めるようになりました。
図3で、大阪府グラフを再掲したのは、北海道波形とのピーク間差を見たかったからですが、第3波は北海道で早く表れ、新たな波形成分は大阪府で早く現れれる傾向があったものの、波形での日時差の確定は難しいと思われました。
私が注目しているのは、大阪府グラフに示された湾状空白です。湾状空白の左側には、病原性の相異なる波形が互いにぶつかってつぶし合い、一方湾状空白は病原性を同じくする波形がお互いに離れようとするかに見えます。私には、この空白が偶然に生じたとはとても思えないのですが、推測の域を超える根拠に乏しいのが残念です。
2021/4/14
精神科 木暮龍雄