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コロナ感染・定点数化の意味(3)

 平均患者数と定点患者数、及び両者の関係について述べます。「コロナ感染・定点数化の意味」(3)~(4)は、今回の表題のポイントとなります。
 
 表1は、内容を変更しました。人口数差を省略し、前回の当シリーズでダブル補正して得た新新定点数による各患者数を、C=新新定点数による各患者数として追加し、定点数、平均患者数、定点患者数をA,B,C順に並べ、新たに表1として掲載しました。

      表1:A,B,C の各定点数,平均患者数,定点患者数

*‘患者数’は、2024/2/19~2024/2/25の各都道府県のホームページから求めたものです。
*患者数報告は平均患者数のみで、B定点数は都道府県ホームページによるものです。
*右端のC定点患者数は、C平均患者数に定点数/5000を掛けたものです。

 何故、Cによる各患者数が必要になったかと言いますと、A,Bの平均患者数で、図1に示すような相違を認めたからです。A平均点数は明らかな右方上がりで人口数に反比例し、B平均波形は水平で人口数とは無関係を示していますので、検討すべき特異な相違と判断したからです。

        図1:A,B の各平均感染者数の相違

*左図は人口数に反比例し、右図は反比例を示していません。

 上図のA平均患者数と、B平均患者数 の違いは、A平均患者数が人口数と反比例し、B平均患者数は人口数とは無関係に定数化することです。感染者数が人口数比化するとあれば、上記の人口数は定点数に置き換えることが可能です。Xを定点数、Yを不特定因子としますと、両者は、A平均患者数は=(X+Y)/X で、B平均患者数は XY/Y となり、前者の答えは 1+Y/X で、後者の答えはYと言うことになります。
 1+Y/X ならば、平均患者数が定点数に反比例し、B平均患者数ではYは定数のままです。Yは、平均患者数波形に勾配を認めないので、患者数、定点数に関与しない定数と推測されます。そんな定数は、各都道府県を象徴するような因子、つまり社会経済、文化歴史、地理的空間的な諸因子を総合した各都道府県の姿そのものに相当する可能性が推測されます。

 A定点患者数(X+Y)とB定点患者数 XY のどちらが感染状況を説明しているかは、表計算で確かめておく必要があると思われます。それには別な角度からみた定点数による平均患者数との比較が必要なことを、この相違は求めていると思われます。 
 別な角度から見た新たな平均患者数は、前回当シリーズのコロナ感染・定点数化の意味(2)で述べた三点セットの三番目が適切と判断しました。つまり、人口数比、患者数で補正された神奈川県の定点数328で求められる定点患者数となります。
 結果は、新たな表1に示した黒字のC=新新定点数で求められた各患者数の中央項目のC平均患者数になります。
 図3に、A,B,C の定点患者数を比較したグラフを掲載します。

        図2:A,B,C の各平均患者数の比較

*A,C で波形の相似が認められます。ボタンの掛け違いのようなA,C間の相違を見ます。
*B波形は、A,C波形との関連が認められません。

 A,C に共通して平均患者数が定点患者数に反比例するのは、反比例が平均患者数の基本的傾向である可能性が推測されます。一方B平均患者数は、定数化の可能性を示しています。 
 反比例も定数化も、スタートの神奈川県患者数から全てが始まるのが今回の表計算です。B平均患者数の367も、A,C 平均患者数がそれぞれの理念に従って得られたように、何らかの理念が導いた結果と思います。それぞれの理念とは、A平均患者数の場合は、‘感染者数は人口数比化する’ことであり、C平均患者数の場合は、‘補正すべきものがあれば全て補正する’という視点です。B平均患者数の場合の未知なる理念に興味は尽きません。
 厚労省が神奈川県の定点数367の背景を示して頂けると、表計算的にもコロナ感染のより深い理解が得られのではと期待しています。

 各平均患者数が =(X+Y)/X 、の何れを表すかは極めて重大な問題です。厚労省の患者数報告は、平均患者数がその命名通りの (X+Y)/X であることを強烈にアッピールしてきました。しかし、今回の表計算では、B平均患者数は、YがX(つまり変数としての患者数)とは無縁の定数(例えば各都道府県の象徴のようなもの)を表す可能性を示唆しているのです。

 図1右のB平均患者数波形は、若干の勾配を認めますので全くの水平とし定数化したのは誤りでした。=XY/X の可能性を否定することになります。この件については、次回コロナ感染・定点数化の意味(4)~(5)で検討が続きます。

                      2024/4/1
                    精神科 木暮龍雄




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