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60歳から始めるバックカントリースキー  第2回 八幡平編

<曇天用のゴーグル>
今シーズン中に行っておきたいエリアとして、八甲田、森吉山、八幡平、鳥海山があった。山岳ガイドでスキーガイドの本郷博毅ガイドに相談すると、3月初旬の八幡平を勧められた。
盛岡駅で待ちピックアップしてもらい、初日は夏油高原スキー場に向かった。夏油高原スキー場にはツリーランエリアが設定されていて、滑走レベルに合わせてエリアに挑戦することができる。
本郷ガイドと懇意にしているスキー場パトロールの方の案内で、ゲレンデトップからA1コースの場外に案内してもらった。リフトを降りて5分ほどのハイクでドロップポイント。最初だけ少し傾斜があるが後はマイルドな林間斜面へと入っていく。
曇りだったので、斜面の凹凸がほとんど見えなかった。滑り出してワンターンしたところで、平衡感覚を失って転倒してしまった。

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使っていたのは、晴天用のゴーグル。本郷ガイドに曇天用のレンズが付いたゴーグルを用意しておくべきだ、と忠告を受ける。「山用じゃダメですよ」そりゃそうだ。

BCスキーに必要な用具は、冬山登山用と被るものもあるが、BCスキーに特化したものは、例えばザックでもゴーグルでもヘルメットでも、シビアな状況になればその機能の差が歴然と現れるだろう。

ゴーグルは、SMITH、オークリー、SWANSなどの有名アイウェアメーカーから、POCやAnon、Sweet Protectionなどの新興メーカーまで、選択肢が色々だ。本郷ガイドのおすすめは「Anon」。スノーボートのブランドであるBurtonが手がけるBC用のゴーグルブランドだ。後日、早速入手した。

<マグネットで着脱>
Anonゴーグルの特徴はレンズ交換がマグネット方式であること、シンドリカルレンズ(円筒レンズ)とトーリックレンズ(球面レンズ)を同じゴーグルで使い分けることができる点だ。(M2からM3、そしてM4シリーズがある)

球面であるトーリックレンズは、ゴーグルの容積が大きいので曇りにくく、衝撃に強いと言われる。

平面にアールを付けた形状のシンドリカルレンズは、視界が広く視界の周辺部分まで歪みがすくない。

交換レンズは、以前はツァイスとの共同開発「SONAR」レンズだったが、現在はAnon自社開発の「PERCEIVE」レンズになっている。

Anon M4ゴーグルの交換レンズであるこのPERCEIVEレンズは、VLT=Visible Light Transmittance つまり「可視光線透過率」の違いと色によって使い分ける。

晴天用のSunny
Sunny Onyx (VLT=6% / S4)
Sunny Red (VLT=14% / S4)
Sunny Bronze (VLT=17% / S4)

晴〜曇天のVariable
Variable Green (VLT=22% / S2)
Variable Violet (VLT=34% / S2)
Variable Blue (VLT=21% / S2)

曇天〜降雪のCloudy
Cloudy Pink (VLT=53% / S1)
Cloudy Burst (VLT=59% / S1)
Cloudy Night (VLT=72% / S1)

から選択することができる。
本体にセットされている最初の2枚は、
Variable BlueとCloudy Pink だ。
もう一枚揃えるとしたら、
春スキー用にSunny Redあたりだだろう。
(八幡平から帰宅後、購入。まだ実戦投入していないので、使用感は後日記したい)

<グーでなくてパー>
転倒した後は気を取り直してマイルドな林間コースを滑り、登り返してトラバースして、スキー場のゲレンデに戻った。それからひととおりゲレンデを滑走したが、曇りの午後で気温も下がり風も吹き始めたのでどのコースもカリカリ。滑りを本郷ガイドにチェックしてもらった。そうすると開口一番「グーでなくてパー」だと言われた。

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