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Peak2Peak通信

Peak2Peak写真山岳ガイド事務所による登山と写真技術のオンライン講座。写真家でガイドの檢見﨑誠(日本山岳ガイド協会所属、登山ガイドステージⅢ)が、山登りと写真撮影のテクニッ…
山と写真撮影の魅力を、テキストと写真でお伝えします。Peak2Peak写真山岳ガイド事務所主催のガ…
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2020年11月の記事一覧

Peak2Peakのデジタル写真講座第8回:「写真家は不自由な演出家・作図について」

<大前提> 写真撮影は自分の目で見ている世界をカメラという機械=装置を通して写しとる行為であるから、カメラの設定、レンズの選択などテクニカルな面を避けて通ることができない。ところが、スマートホンではそう言った知識が無くても、撮りたいものにカメラを向けてシャッターを押せば、撮影者の技術レベルに関係なく、ほぼ間違いなく撮りたいと思った被写体をそれなりに綺麗に記録してくれる。 スマートホンで素敵な写真が撮れるのは、撮ろうとする気持ち、つまりパッションを損なわない様に、直感的に操作撮

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静かな白い立山

11月23日から二泊三日で室堂に行ってきた。アルペンルートの運行期間も終わる11月末の立山は、毎年雪山シーズンインに登る山だ。BCスキーヤーも結集し、ガイドたちも集まってくる。 例年なら山荘では、常連客やガイド仲間が集ってパーティー状態になるのが常だが、今年は新型コロナの影響で静かなシーズンアウトだった。山に登るにはとくに悪いコンディションではなかったが、滑走には不向きな積雪状況で、室堂周辺は岩やブッシュが露出していた。 22日には、雷鳥荘の割合近くで岩に激突して大腿骨骨折の

Peak2Peakのデジタル写真講座:第7回 高山植物の撮影(後半) 光線の使い方と作図

風景写真や山岳写真を撮影し作品として完成させていく時に必要な思考やテクニックを、毎回お伝えして行きます。今回のテーマは「高山植物の撮影(後半)」です。 <光を味方につける> 写真=photographとは、「photo=光でgraph=描く」ことです。光がなければ写真は成立しません。どのような光線を使って被写体を描くか、同じ被写体でも違った光の元では、異なった表情を見せますので、光を意識して撮影することはとても重要です。風景写真の場合、撮影者が被写体を撮ライティングすること

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