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露草色の空を ~海へ~

露草色の空を
のどかな雲が流れて行く
いつか見た雲が白い蝶をかたどって
私の頭の上を
風に吹かれて飛んで行く

どこへ行くのと手を振ると
今度は白い仔馬となって
東の空へ駆けて行った

新緑の頃の風はいじわるで
ひららら 歌いながら通り過ぎて行く
ひららら ひららら
翠色の声が響く
ひららら ひららら
海へ行こうと私を誘う

いつしかそれは
郭公の歌声に変わって
森の奥へと静かに消えて行く

かすかに光る宝石は蒼いビードロ
近づくごとに透き通る波の音がする
あれは秘め事を隠すために
海が歌うひそやかなファンタジー
誰も知らない国へ行こうと歌っている

私も心を海鳥の翼にのせて
海が歌う誰も知らない国へ行ってみる

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