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真新しいブラウスの 短い袖がまぶしいね 軽やかにステップ踏んで 夏の扉へ飛び込もう 光の娘たちが踊る夏の道で いつも空を見上げていたね 湧き立つ雲の眩さに心魅かれて いつまでも立ちすくんだあの頃 ねえ君の中にある あどけない瞳はどこへ消えたの? もう君の好きだった この坂道を忘れたというの? 真新しいブラウスの まるい襟の首筋に 鮮やかな光の渦 夏の目印みつけたね 坂道を駆け上がって公園を通り抜ければ 君の好きな海が見えたね きらめく海原の遠い空の向こうに 憧れを描い
セミの声を追いかけて 見知らぬ森ん中 麦藁帽子のつば先は 南の方を指していた 虫かごん中はからっぽで 虫取り網を空高く どんどん奥へと進んで行った 四方八方セミの声 どっちへ進めばいいのやら 森は果てしなく深く 太陽はどこかへ行ってしまった おなかん中はからっぽで 重い足取り引きずって ついたところは広野原 セミはどこかへ消えちゃって 空にはチカチカお星さま 遠くに見えるは小さな明かり 広野原を横切って 心ん中もからっぽに 明かりの方へ進み行く 明かりは一体何だろう セ
青空と風と光と・・・ さうして夏はやつて来た 麗しき少年の日々よ 君の白いうなじを光らせ 駆けて行く あの鬱蒼とした森へと 君の涼やかな瞳が笑ふ時 ・・・それは光に似てゐた 君の白い素足が駆ける時 ・・・それは風に似てゐた そして 君の心はいつも青空だつた 青空と風と光と・・・ ああ 懐かしき友よ 君はまだ恋といふものを知らなかつた ただ風に戯れ 雲を追ひ 自然に耳傾けることが君のすべてだつた あの日少年のまま逝つてしまつた君は 未だ鬱蒼とした夏に眠つてゐる 君を哀しま
びいどろ瓶の海の中 蒼い泡がひしめきあって じょあっと波を繰り返す 青藍 群青 紺碧の水 いろんな青がひしめきあって じょあっと波を繰り返す びいどろ瓶の海の中 ラムネの匂いを漂わせ 海鳥たちが飛び立った 青藍 群青 紺碧の水 ラムネの海の泡の中 海鳥たちが飛び立った びいどろ瓶の海の中 残ったものは手のひらの 蒼いびー玉ひとつだけ