リモートを1年経験して見えてきた課題
私の会社でコロナをきっかけに完全なリモートワークがスタートしてほぼ一年が経とうとしています。
ドラスティックに物理的に集まるオフィスを解約するという思い切った経営判断があり、最初はどうなることやらという感じでしたが何とかギリギリ回っています。
通勤や出張が減ったため、生産性は上がったと感じている人も多いようです。
しかし、いくつか問題点も見えてきました。例えば、個人的に感じているのは、、
1.重要だが緊急ではないタスクに手を付けにくくなる問題
2.人事評価が難しくなる問題
まず、1の重要だが緊急ではないタスクとは、例えば新規事業立ち上げなどのことです。リモートワークは目の前の明確なタスクをこなすという意味では効率化されるのですが、新規事業のアイディア出し等に必要なコミュニケーションに向かないように感じています。
スティーブ・ジョブズがピクサーの経営に関わっていた際に、社員のクリエイティビティーを高めるために、「偶然の出会い」と「予期せぬコラボレーション」を生むオフィスを意図的に作ったそうです。
出所 https://www.workersresort.com/jp/design/pixar/
メールボックスやカフェ、トイレなどを全てオフィスの中央に配置することで社員同士が自然に顔を合わせ、自然に会話が生まれる仕組みを埋め込んでいたそうです。リモートでも意図的に自然な会話を生む仕組みを入れることが必要かもしれないですね。
そのためのコミュニケーションの工夫として、「ホウ・レン・ソウ」ではなく「ザッソウ」という考え方をご存知でしょうか?
「ホウ・レン・ソウ」がかしこまったコミュニケーションになりがちな一方で、「ザッソウ」は雑な相談という意味で砕けたコミュニケーションを推奨しています。
これまでは意図せず出来ていたコミュニケーションを意図的に仕組んでいくことが必要なのかもしれません。
次に「2.人事評価が難しくなる問題」ですが、周囲で見ていると以下のような問題が生じているように感じました。
①目標を明確化できていない
②プロセスが把握できていない
これまで対面だと何となくフワッとやってきたことが、リモートではコミュニケーションが取りにくいが故に問題が生じやすくなるのかもしれません。
このためにできる工夫として、まずは目標を明確化することをお勧めします。明確化とは、誰が見ても何を達成すべきかがわかる状態を差します。
いつまでに、何を、どこまでやるべきかが測定可能な内容で書かれていることが最低条件です。また、その目標が希望・願望ではなく実現可能なものになっていることも重要です。
目標を明確化できれば、期中にプロセスを把握するポイントも設定しやすくなります。
仕事柄、色々な会社で実際の目標設定シートを見ることがあるのですが、意外と目標の明確化が出来ていないケースが多いように感じました。
リモートワークをきっかけに部下が曖昧な目標設定では動きにくいと感じたり、曖昧な目標に対してプロセスがきちんと評価されないことで満足感が下がっているのではないかと感じました。
上司と部下の双方から働きかけて変えていくことで評価への満足度も上がっていくのかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?