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融合理工学系2年前期の講義について


はじめに

はじめまして、東京科学大学(旧東京工業大学)環境・社会理工学院融合理工学系に所属しているPeachPeaceといいます。

私の所属している学院は講義などの情報がかなり不足していると思い、融合理工学系とはどのような系なのか、1人でも多くの方に知ってもらえたらいいなと思いこの記事を書き始めました。この記事では特に自分が受けた授業について振り返りを残していこうと思っています。

また、今後授業科目の最後にJやEとつく科目は融合理工学系の必修科目で、日英の両言語で開講される科目のことを表しています(例: 熱力学基礎Jは日本語開講、熱力学基礎Eは英語開講)。自分は日本語でしか取っていませんが、、、。

ちなみに日英開講科目で英語のクラスを取り、単位を取得するとGPTが0.01上がるらしいです。自分には英語で受けられる才能はないと思い日本語にしましたが。また自分は1Qは16単位、2Qは13単位取得しました。

あと、これから述べていく講義の感想についてですが、評価基準などは代によって変更される可能性があるため鵜呑みにせず、自分が受ける代のシラバスや初回授業などでしっかりと確認してください。

では、ここからは各科目の振り返りについて述べたいきたいと思います。点数は特定されない範囲で提示しておきます。

1Q

  • 熱力学基礎J(2単位 必修 75〜79)

この講義は前半と後半で教えてもらえる先生が分かれており、前半は機械系チックな熱力学(基礎的な内容からエクセルギーなど)を学び、後半は化学チックな熱力学(ギブズの相律や吸着など)を学びました。成績評価は前半後半それぞれに演習の回が設けられており(40%)、残りは期末試験(60%)で評価するものでした。点数がかなり渋めで多分素点をそのまま成績に反映させているのではないかと思っています。温度をケルビン温度で計算していないなど些細なミスで単位を落とす可能性があるので注意が必要です。演習の回は資料の参照は自由、期末試験はA4表裏手書き資料持ち込み可でした。


  • 融合理工学基礎(1単位 必修 95over)

この科目は1回の講義につき3人の先生が自分の研究している分野を説明し、その場でコメントペーパーを書いて提出(計7回、約70%)するのと最終レポート(約30%)を書くものでした。講義の回によっては英語で説明を受ける回もありました。大学院の授業はこういう感じで英語で行われるんだなって感じた授業でした。初回はガイダンスやグループワークがありましたがそれ以外は講義を受ける形になります。基本的に提出物を出せば大丈夫で、クオリティについては見られていないと思います。


  • システムデザインプロジェクト(1単位 必修 85〜89)

この科目は演習扱い(ウェルネスと同様のコスパ)で主にグループワークを行い、最終プレゼンの用意をするような講義でした。またslackを使用して講義を進めていました。この講義では融合理工学系の方ほぼ全て+GSEP(英語がネイティブ)の方などがいるため、英語を使って班員とコミュニケーションを取る必要がありました。授業外の課題もあるため、個人的にはかなり大変な科目でした。内訳は授業中の課題(その日中に提出するGoogleフォーム)(30%)、最終グループ発表(30%)、レポート(40%)でした。


  • 常微分方程式と物理現象J(2単位 必修 85〜89)

この講義は前半と後半で先生が分かれており、授業中の課題(10%)と期末試験(90%)によって成績をつけるものでした。主に教科書に沿って講義を進めており、後半ではMATLABを使ってグラフを表示させる演習や課題もありました。試験についても授業内で触れた内容から出題されました。ちなみに融合理工学系の必修科目である2Qの「偏微分方程式と物理現象」はこの講義を前提として進めていくので、ある程度勉強して身に付ける必要があると思います。


  • 統計とデータ解析J(2単位 必修 90〜94)

この科目は講義の回数によって先生がよく交代していました。授業内の演習、中間試験、期末試験、プレゼン、レポートなど様々な種類の課題などによって総合的に成績をつけていました。内訳は授業内演習(前半3点×8、後半4点×3)、プレゼン、レポート(それぞれ7点)、中間試験、期末試験(それぞれ25点)の計100点で評価していました。座学が基本でしたがR(統計ソフト)やExcelを使ってデータを処理する授業回もありました。課題が多くかなり大変でしたが点の付け方はやさしめなので頑張った方が後々ありがたいと思えるはずです。


  • 教養特論:大学史(2単位 必修 75〜79)

この講義は1年の「生命科学基礎」と同様にオムニバス形式で講義が進められ、毎回提出するコメントペーパー(60%)と期末レポート(40%)によって評価されていました。受講人数がかなり多く、また点数が渋めなので成績にこだわる人はお勧めできませんが、キャンパスツアーの回では普段入ることのできない本館の4F以上や70周年記念講堂の裏側などを見学することができるため、かなり貴重な経験を得られる授業であると思いました。また科学大(旧東工大)の建物についての知識を得られます。


  • 英語第五(1単位 必修 90〜94)

この科目の詳細を語ると特定されそうなので省略させてください笑。確かTOEIC875点だと単位認定で100点換算されるらしいですが、GPTには単位認定科目は加算されないらしいので、単位認定するか(できればの話)授業を受けて単位を取るのか、どっちがいいのでしょうか。


  • 中国語初級1(1単位 必修 90〜94)

この講義では単語テストや課題(50%)と期末試験(50%)によって評価をつけていました。前半は発音の回が多く、後半になってから文法について学びました。単語テストは先生が発音した単語を書きとるもので、また期末試験は作文など文章を作る問題が多かったので教科書に載っている問題を解いて対策すると比較的試験に立ち向かいやすくなると思います。


  • 物理化学1(熱力学)(1単位 選択 90〜94)

この科目は応用科学系の科目ですが、融合理工学系の選択科目に認められている単位です。内容としては主にエントロピーやその周辺事項について学習するもので、授業内に提出する演習課題と期末試験によって成績がつけられました。これは感覚ですが、期末試験の素点がほぼそのまま成績に反映されていると思いました。教科書は分厚くてかつ非常に高額(アトキンス物理化学、6000円弱)なので、もし本で勉強する必要があると感じた時は図書館で借りることをお勧めします。


  • 応用基礎データサイエンス・AI第一(1単位 系外 80〜84)

この科目はzoomによる配信講義で、日々の課題(70%)と期末課題(30%)によって評価されていました。ちゃんと勉強していなかったのであまり理解していませんでしたが、Pythonについてより深く学びたいと思う方には向いていると思います。


  • 量子力学(2単位 選択 95over)

この科目は電気電子系の科目ですが、融合理工学系の選択科目に認められている単位です。内容についてはかなり難易度の高いものとなっていましたが、毎回の課題はスライドを見れば答えられるような穴埋めをするものだったり、期末試験も対策すれば十分太刀打ちできるような内容でした。内訳は日々の課題(40%)、中間課題(20%)、期末試験(40%)でした。

2Q

  • 固体・構造力学基礎J(2単位 必修 90〜94)

主にせん断応力やその他材料力学、構造力学の基礎となるような概念について学ぶことのできる授業でした。成績の内訳は当日中に提出する質問+演習(35%)と宿題(25%)、期末レポート(40%)で成績をつけるものでした。基本的に課題を全て提出すればちゃんと単位は来るのでそこは問題ないと思います。試験がないため、自分は講義資料の式を全て追うことができず、中途半端な理解度になってしまったのでちゃんと学びたい方は講義資料の式も追うことを推奨します。


  • 工学計測基礎第一(1単位 必修 85〜89)

この講義は主にslackから講義資料が配布されていました。内訳は詳細に覚えてはいませんが各回に関連する課題を提出するものでした。Arduinoを使ってセンサの反応を検出したり、最終回に向けてライントレースを作るのを目的として授業を行っていた気がします。自分は不具合が起きてライントレースの機械を完成させることができませんでしたが、学校から貸し出された機材を返却するだけで良かったので耐えました。適当にやって80点台なのでもっと凝っていれば90点台も狙えたかもしれないなと思いました。


  • 偏微分方程式と物理現象J(2単位 必修 95over)

この科目は授業内演習や提出課題(30%)と期末試験(70%)によって評価され、1Qの「常微分方程式と物理現象」で学んだ科目の知識を前提としてポアソン方程式やラプラス方程式、基本的な解法について勉強するものでした。教科書の重要部分を板書するだけで講義資料は特にないですが、期末試験は授業内で取り扱った演習内容から出題されたため、期末試験を対策する際には講義で触れた内容を網羅するのが良いと感じました。


  • 線形システム論J(2単位 必修 95over)

この科目の採点方式は授業内演習(その場で紙に解いて提出)と期末試験による評価でした。内訳についてははっきり覚えていませんが、演習はT2SCHOLAから提出することもできます(減点は免れませんが)。内容は行列や複素関数、フーリエ変換やラプラス変換、基礎的なシステムの制御や判別、z変換など幅広く学びます。期末試験はA4表裏手書きの紙1枚持ち込み可でした。融合の必修の中でも特に内容が膨大であるため、しっかり対策するべきだと思いました。


  • 英語第六(1単位 必修 90〜94)

1Qとほぼ同じなので省略させてください。


  • 中国語初級2(1単位 必修 95over)

こちらも1Qとほぼ同じです。発音の練習はもう行わないため、単語テストの回数が少し増えたり試験範囲が少し多くなるくらいの変化です。評価方法もほぼ同じです。


  • 英語スピーキング演習第六(1単位 選択 90〜94)

この講義は先生が割り振った人と当日にペアワークで授業を行い、終盤に講義で触れた単語や情報について小テストを行うという形式のものでした。英語で話すのが苦手もしくはペアワークが苦手であるなら履修はお勧めしません。自分は両方できない人なのでかなり苦痛でした。


  • 化学工学基礎(1単位 選択 90〜94)

この科目は応用科目系の科目ですが、融合理工学系の選択科目として認められている単位です。講義はオムニバス形式で、各先生が出題する課題や当日の出席によって評価されました。二酸化炭素排出量の削減など、どうすれば環境に影響を与えないようにするか、またコスト面も考慮した計画など、化学をどう実装するかについて学びました。


  • 物理化学2(化学平衡)(1単位 選択 80〜84)

この科目も応用科目系の科目ですが、融合理工学系の選択科目として認められている単位です。この講義は出席や課題、期末試験によって評価されました。1Qに履修した融合理工学系の必修である熱力学基礎の後半で扱った相図についてより詳しく見ていくものでした。個人的には講義の説明がわかりにくく、あまり深く理解できなかったのが残念です。


  • 応用基礎データサイエンス・AI第二(1単位 系外 85〜89)

評価方法は1Qと同じです。pythonを用いた機械学習をメインとして行っていたため、興味のある人は取ってみてもいいのではないでしょうか。


さいごに

ここまで読んでくれてありがとうございました。融合理工学系はよく何をやっているのかわからないとかイメージがないと言われるかもしれません。自分もその通りだと思います笑。しかし広く学ぶことでどの専門にも通じるような基礎的な知識を身につけられるため、その都度新しい分野を学ぶのは大変かもしれませんが、同時に刺激もあります。

また暇な系と言われることもあるかもしれませんが、研究室配属の条件がGPTであるため、そのバトルに参加しようとすれば別に暇ってわけでもないのかなと思います。

後期分はまたいつか気が向いた時に作るかもしれません笑。何か聞きたいことがあればTwitter(@_Peach_Peace_)のDMなどで適当に聞いてください。自分が答えられる範囲で回答します。では最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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