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布団の模様は著作物

布団の模様が著作物と認められなかった判例があります。

布団メーカーがホームセンターらを提訴した事件です。

原告である布団メーカーは、この絵柄の著作権者


原告は、被告らが以下の絵柄の布団を製造販売する行為が原告の著作権侵害である、と主張しました。

被告絵柄
被告絵柄
以上3つの写真は、最高裁ウエブサイトよりダウンロード

原告の絵柄は、一方向に連続している花の絵柄とアラベスク模様を交互につないでおり、背景にダマスク模様を描いたものです。

しかしこの絵柄は著作物ではないと判断されました。

「実用品である衣料製品としての産業上の利用を離れて、独立に美的鑑賞の対象となる美的特性を備えているとはいえない」と裁判所で判断されました(令和4(ネ)745号、大阪高裁)。

布団の絵柄は、敷布団では上下左右に連続して約6枚分、掛布団では約9枚分プリントされており、「創作的表現が、実用目的によって制約されている」ということです。

つまり、布団という限られたスペースにプリントされる絵柄は、無制限に美を追求することができず、連続模様にされるなど、実用的に使われるゆえに、創作の表現には限界があるということです。

布団にキャンバスに見立て、自由に絵を描き、一品製作であれば、たとえ布団の模様であっても、著作物と認められる余地はあるでしょう。

白い洋服に自分で絵を描いて着ている友人がいました。あまりに上手な絵なので、自作の絵と聞いて驚きました。

このような絵であれば、著作物といえるでしょう。

布団にプリントされた連続模様の絵柄は、著作物とは認められない。


A continuous design printed on a futon is not considered a copyrighted work.

布団は、futonと訳しますが、ネイティブが futonと聞いて思い浮かべるのは、ソファーベッドです。



そこで、布団をJapanese futonと訳したり、ベッドに敷くマットレスを連想されてしまうこと覚悟で、matressと訳します。

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