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浮世絵の豆腐パッケージ

豆腐のパッケージに、「豆腐屋の浮世絵」が描かれた事件です。

この浮世絵の原画(本件原画)は、「近世職人尽絵巻」に収録された「鍬形惠斎」(北尾政美)筆であり、江戸時代の豆腐屋の店先が描かれています。

北尾政美氏は江戸時代の浮世絵師であり、1824年に亡くなっているので、この浮世絵の著作権は
切れています。


ある画家がこの浮世絵を模写し、江戸時代の商売の様子を描いた絵画+解説を掲載した書籍を昭和61年に発表しました(「定本江戸商売図絵」)。

この絵は、江戸江戸時代の浮世絵(本件原画)の模写なので、著作物性はないと裁判所で判断されました(平成17(ワ)26020、東京地裁)。

模写は原作の複製に過ぎません。したがって著作物ではありません。

原画を写した場合、新たな創作性が加わっていれば、「二次的著作物」といえるのですが、原画の忠実な再現であれば「複製」に過ぎません。

しかも、この浮世絵の著作権は切れています。

この模写を豆腐パッケージに

この浮世絵の模写を、豆腐メーカーが豆腐パッケージに使用しました。

以上の「本件原画」「原告絵画」「豆腐パッケージ写真」は、最高裁ウエブサイトより
ダウンロード

模写した画家の長男がこの豆腐メーカーに対し、複製権侵害などを主張し、損害賠償請求しました。

しかし、そもそも原画が江戸時代の浮世絵の模写であるため、著作物ではなく、その請求は棄却されました。

浮世絵は、ukiyo-e (Japanese traditional art)と訳されることが多く、これをもう少し説明すると、

江戸時代の風俗や女性、役者などを描いたフルカラーの木版画や肉筆画である。
Ukiyo-e are full- color woodblock prints or hand paintings describing customs, women, and actors of the Edo period.

DeepLと協力してこのような説明をつくってみました。

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