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パロディは許される?

パロディは著作権法上、認められるのでしょうか?

一概にOKとはいえません。

ドラマ、写真、絵、ロゴなどパロディは様々です。

著作物によって結論は異なります。

パロディとは、他人の原著作物を模倣し、これを面白く改変したり、茶化すことによって出来上がった作品です。

原著作物が連想できるものでなければ、パロディの意味がありません。

「あの作品のパロディ」とわかるので、これを観た人々は笑えるのです。

著作権法には「翻案」という言葉があり、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化などを意味します。

翻案する権利は著作者にあります(著27条)。

したがって、音楽を編曲する、小説を映画化するのは、原著作者の許諾を得る必要があります。

有名なところでは、「ウエストサイドストーリー」は「ロミオとジュリエット」の翻案であるといわれています。

パロディも著作者の承諾を得ていればもちろん、OKです。

しかし、許諾を得ずにパロディ化した場合に問題になります。

写真のパロディについての先駆けとなった事件を紹介します。

原告写真 

  

被告写真
(原写真の風景の一部を省き、シユプールの起点の雪斜面上縁に巨大なスノータイヤを追加。
原告のカラー写真を白黒の写真に複写して作成した合成写真)

最高裁ウエブサイトよりダウンロード


問題は、パロディ写真のなかに原写真が認識できるという点です。

つまり、観ただけで、「あの写真家の写真にタイヤを付加して作成された」とわかるという点です。

最高裁では、同一性保持権の侵害とされました(昭和51(オ)923)。

写真の場合は、パロディが難しいことを最高裁は指摘しています。

・元の写真を寸分違わない状態で取り込まざるを得ない

・元の写真を大きく取り込むときは、元の写真の完全性が失われと評価される

・元の写真の著作者がパロディ化に同意するはずがない

・その一方で、元の写真が認識できなければ、パロディの意味がない
等の理由で、写真のパロディは難しいです。

絵画など美術の著作物も同様のことがいえます。

これが小説のドラマ化になると少し事情は違ってきます。

たとえばあらすじが似ている、という程度では翻案権の侵害とはいえない場合も多いです。

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