抗がん剤13日目 祝?脱毛開始
朝ぷつっと3本くらい髪の毛が抜けて、夜髪をかきあげたら10本くらいざざっと抜けた。脱毛がついにはじまってしまったね。
一度始まると堰を切ったように、束でゴッソゴソ抜ける。
分かっていたけどついに来たかー!!というかんじ。
親戚のおじさんは抗がん剤で髪が全く抜けなかったと言っていたので期待をしていたけど、だめかあ。
まあ、抗がん剤の種類によって脱毛確率が異なっていて、私が投与しているドセタキセルは9割以上脱毛なので仕方ない。
脱毛が恐怖かというとそうでもない。
きちんと事前になんで抜けるのかいつまで抜けるのかいつ生えて来るかを聞いていたのが大きい。
恐怖とはたいてい未知から来る。
原理原則がわかっていると意外と冷静だ。
はたからみると、夜中に鼻血が出て、血に染まったシーツに抜けた髪が束であるのだから貞子の世界である。
なんのことはない、抗がん剤ががん細胞をやっつけると同時に細胞分裂が盛んな表皮も同時に攻撃して、粘膜と頭皮が傷付いている。浅い傷だから命には関わらないし再生する。
実家に帰らずひとり暮らしを続けて正解だった。本人は痛くも痒くもない。あ、ちょっとかゆいだけ、で冷静。
親が見たら痛いたしくて卒倒しちゃうだろう。
わたしはこのホラーな絵面より地味に痛い口内炎のほうが辛い。痛いから。
お家で被る脱毛キャップやウイッグなどグッツはたくさんそろえたので心配はないかな。
わたしがそろえたのはレディススヴェンソン。
アデランスよりは安くて質もサービスもまあまあよい。
何十万もするのをお試ししたことあるけど、ここの数万のとたいして変わらない。
家で被る使い捨て脱毛用キャップは紙でできているわりに高かったので
これは暑い時期以外は100均のお風呂用の帽子とかでも代用できるかな。と思った。もしくはシルクのナイトキャップでバサバサと髪の毛捨てつつ長期利用したほうが経済的かも。
まつ毛も抜けちゃうらしいのでつけまつげはすでに購入済。
眉毛はアートメイクを夏にしていたので幸い抜けても平気
アートメイクはね、入院やがんを見据えてどんなひとでもやっておくのが正解◎
しかし、髪があるうちに会いたいひとには会いに行く、という願いかなわず。
いよいよ他人に会えないモードかあ。
まあ女同士ならいいかな。
密かに坊主が似合うかもと期待もある。
男性には会いたくないので純粋な男女の友情などないのだと思い知る。
あ、あのひとならいいかなと言う人は一人か二人いる。
それは信頼と言うより「マジで意識していない」ということを意味する。
私の境遇としては
闘病中は働かなくていい。というのがある。
これははたからみたら幸いなのだろう。
職場の福利厚生が異常なまでに手厚いので給料をもらいつつ1年近く休めると、民間の保険で治療費は賄えるので稼ぐ必要もないというある意味ラッキーな状況なのだけど。
すでに休暇10日目にしてやや退屈である。
今日はリモートワークで外部と電話でやり取りしたのだけど
まるで閉鎖されたちいさなおへやにぷつっと穴が開いて外部と交信した!!と言う感じ。
達成感やら刺激やらで興奮してしまった。
いよいよ今後人とも会わず
このお部屋だけで、お料理をしたりお花に水をやったり母と電話したりYOUTUBEを見たりするだけの生活になるのだなあ。
あ、当事者の会には参加しよう。
社会の役に立たず医療費ばかりがかかり、小さなお部屋でひとりほそぼそ命をつないでなんか意味あるのかなあ?と結局いらんことを考えてしまうけど、まあ、生きるほかないので生きますかね。
まいにち喫茶店でお茶をする、というのを日課にしている。
静かな生活をほそぼそ楽しんでいきたいと思います。