経済力と治療効果


高須院長と同じ病院に行っている。
高須委員長はステージ4の進行がんにも関わらず、ピンシャンしてゴルフなどを楽しんでいる。確かな情報はないが、たぶん経済力があるので一般には後悔されていないいい治療を受けているのだろうと思う。

かくいう私は庶民なので受けているのはいたって標準治療なのだが今思うとひとつふしぎなことがあった。

ガンと告知されて治療方針が知らされるとき、最初は
[通常の抗がん剤治療を3か月から半年、そのあと分子標的療法に移行します]という話だった。
わたしは医者のおっしゃるとおりにと言う感じでとくに疑問を抱かなかった。

診断もされたので、病院の窓口にプルデンシャル生命保険の診断書の記入の依頼を出した。
それを受け取る日に、本来は診察が入ってなかったのだけど窓口で先生が呼んでいるから診察室にと呼ばれて診察室に行った。

「やっぱりスタートは分子標的療法にしましょう」と言うので、わたしはまたしても仰せのままに。と従った。

聞くに普通の抗がん剤は吐き気がありつらいが、分子標的はだるさなどが主な症状で副作用はすくないということでほっとした。

わたしとしてはふつうの抗がん剤と分子標的の順番が入れ替わったのかなとおもったけど半年たったいまも分子標的を続けており、先生が言うには「普通の抗がん剤よりこっちのほうが効くし、副作用も少ないからね」ということ。

はて、ではなんで一番初めに普通の抗がん剤って言ったんだろう??
なぜあのタイミング(民間の保険の診断書提出した直後)分子標的に切り替えたのだろう?

これはあくまでも仮説だが、普通の抗がん剤は一撃3万円、分子標的は20万円。
高額医療費の減免があるので私はMAX8万の支払いとなる。(収入に応じて異なる)
これを毎月1~2回打つ。

だとすると庶民派の大学病院ではまず「安い方からためして効かないなら高い方に」というプランだったのではないかと思った。たしかに通常月8万はきついことが多いだろう。
でも民間の保険にはいっていてそちらが出してくれるなら高いほうがいいに決まっているのでそちらを案内された。ということなのかなあ。と。
それはそれはありがたい!

よくおばあちゃんが「病院にはいい服とバックで行け」と言っていたけどそういうことか。

でも保険に入っていなくてもお金を持っていて治療費に糸目をつけないひとはいるだろうし、必ずしも外見で判断できるわけではないからここら辺のかけひきは先生もむずかしいのだろうなあ。

「いくら出せますか?」とも聞けないし、ひとまず安い方の治療を案内するのだろうけど、ひとによってはいくらでも出すから辛くない、効く方でと思うだろうけど先生も聞きにくいのが経済力だろう。

なので重病の告知があったときは「料金に関わらず案内してほしい」と正直に伝えちゃうのがいいのかな。とも思う。

幸せは決してお金では買えないけど、医療だけはお金が大事。
大事なのは事前の備えだけど、しないままなってしまったら仕方ない、病院にはソーシャルワーカーもいるし、医療の貸付制度もあるし、ほかの国よりはよほどやさしいと思うので、できる限りの相談と最善の医療をほしいという意思表示をきちんとしていくことが大事だなあとおもう。

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