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変わらなかったもの

「今日ここで始まった皆様の旅が、素敵なものになりますように。」

わたしは、この言葉で、この1年間の活動を締めくくった。
2月24日 BackpackFESTA 2022 大阪 が、終わったのだ。

なんとも言えない浮遊感と、なんとも言えない達成感と
言葉には到底敵わないような、感情を持って、会場を後にした。

BackpackFESTAを終えたみんながぞろぞろと会場にやってきた打ち上げ。

なんだか、「たのしかったね」なんて、言えなかった。

ただただ、「お腹すいたな」とか「そういやいくつだっけ?」なんて、意味のない話をし続けた。

打ち上げのコンテンツでは、ただただ何も考えずに心の底から笑った。
笑い疲れてしまったくらい。

2時、3時となると、だんだん会場も静かになる。
みんなここ2、3日、ほとんど寝ていないのだ。
疲れが溜まっていて、机で寝ている人がほとんどだった。

女の子数人と、恋バナに花を咲かせたり
社員さんに、よかったよなんてありがたい言葉をもらったりした夜。
なぜか、うまく眠れなかったから、助かった。

それでも、私も体は正直だった。
4時を回ると、だんだん焦点が合わなくなる。
疲れたんだな、と考えているうちに、意識は遠くなった。
気づくと、朝5時だった。

みんな、思い思いの方向に帰っていく。
大阪駅方面、北新地駅方面、そして、阪急梅田駅方面。

「じゃあここで」
とさよならする仲間たちが一人一人と減っていくのを見送りながら、最後は2人になってしまった。

眠たいし、メイクもしていない。
酷い顔を晒すのが嫌で、ニット帽を深く被り、下を向いて歩いていた。

2月の朝5時半。
冷たい風が頬に当たる。
ふと顔を上げると、駅の構内から、阪急梅田駅の歩道橋が見えた。

まさか、こんな形で、続編を書けるなんて。

1年という時を経て、ここに拾いにきたんだ。

変わらないものなんてない
そんなのわかってる。
私が一番、わかってる。

それでも、ここにひとつ、あるのかもしれない。


放浪癖もち飽き性単位諦めがち注意散漫の限界大学生です