大人だけの部屋
入ることができない、奥に追いやられた小さい大人の部屋。
ドアの隙間から少しだけ香ってくる、大人の匂い。
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大人になるために頑張りたい時は大体いつもここで、大人を眺めながら勉強なり本読むなりする。
サンマルクカフェの一番奥の仕切りの向こう、一番壁際で、その部屋との間にテーブルが3つ。
ガラス越しに見る部屋に、小さなカルシファーと小さなケムリンがいる。
それもたくさん。
吸いたいとは思わないけど、吸ってる人が大人に見える。のか??
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物凄いヘビースモーカーだったみたいだけど、私に吸ってる姿を決して見せたことのなかったあのラーメン屋さんの店長が、私にとって大きいのか?
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ガイドを終えて奈良公園から駅に向かう前に絶対吸ってから帰る上司、だから一緒に帰れることがほとんどなくて、その人のガイドの技術を盗もうにも盗めなかった。それが大きいのか?
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4ショットのエスプレッソに氷を入れただけで、上から砂漠のようにシナモンをかけた飲み物かどうかもわからない飲み物を飲む店長が、大きいのか?
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いつだって私にとって「カッコいい」大人は、いつだって右手に小さいカルシファーと、口にケムリンを飼っていた。
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大人になりたいなぁって思った時に、この席で、大人が上映する”大人”を眺めながら、ちょっとでもお近づきになった気持ちに浸るんだ。
これが私の放課後。
放浪癖もち飽き性単位諦めがち注意散漫の限界大学生です