体積(質量)が大事な女。店長への餞別
20:05
7月とは大学生にとって地獄の月だと思う。
つい先日空を見上げて、織姫と彦星みえるかな~と言っていたのに。この時も本当はレポートとか発表課題とかをやらなくてはいけないなんて。このnoteも悠長に書いている場合ではない。ほんとうに。
次の3連休は頑張ると信じて息抜きに付き合ってほしい次第である。
私は地元にある販売店が初バイトで、大学への進路決定と同時に働き出してもう1年半になる。そこの店長が今月で退職する。
とてもショック!!私が面接のときに、優しそうだしここなら頑張れそうと確信して入ったとこだし、実際優しかったし。新しい店長さんも知ってる人で、気兼ねなく話せるけど、店長には勝てないというか。まぁ、寂しいし悲しいということ。
私は生まれつき肌が弱くて常に包帯とかを手に巻かないといけないというハンディキャップがあった。包帯では水仕事はしんどいし、衛生的な職種では見栄え的な問題もある。つまり働き口が限られていた。そんな私を店長は雇ってくれた。
店長はアトピー持ちだったから、肌よわ人間の気持ちを十二分に分かってくれた。ほんとうに感謝しかないと思っている。
店は少しだけ洗い物の仕事があったが、私が入ってからはゴム手袋とか、ビニール手袋とか、包帯を濡らさないグッズがものすごく充実した。いまだに傷の調子は治らないけど、最大限の配慮とかしてくれて優しさを享受できた。
店長と一緒に勤務する最終日に、あろうことか餞別を用意し忘れた私は、「あさってに絶対お店行きますから!!ちょっと待ってください!!」と必死に懇願した。
そして餞別を買いに来た。きょうの午後のはなし。
もともとお店全体で「ちょっといいタオル」を贈ると聞いていたので、無難なハンカチなんかはダメだ。布系統はかぶってしまう。
お菓子はどうだろうか。無難すぎるだろうか。ほかのスタッフさんがハングルの文字が入った紙袋を渡しているのを見たぞ。まさか韓国まで行ったタイミングで餞別まで買っていたのか?そんな馬鹿な。
もともと酒好きのひとなのは知っているが、私はまだ20ではない(あと数か月)ので、買うことも出来なければ良し悪しも分からない。
迷いに迷った末、ピアスにすることにした。
前に店長が「みて~今日ネコのピアス~」と自慢してくれたのを思い出したから。でも私はチキンだから耳に穴をあける覚悟を持ち合わせてなかったからこれも知識がない。友人を巻き込んで雑貨屋さんへ行った。
ネコのピアス(結構なリアルネコだった)をするぐらいなのだから、だいぶ個性派なピアスも問題なく受け取ってくれると確信し、漁っていく。しかし個性派であればあるほどピアスはハンドメイドになる。値段が跳ね上がる。ピアスだけだと寂しいかなと思っていたので、何かを組み合わせたい。それも考慮して、お財布を確認しながら物色していく。私はプレゼントの質量ないしは体積も気にする女なのだ。
ピアスでいいものを見つけたはいいが、店長は肌が弱いことを失念していた。金属アレルギーじゃあないといいんだが。隣にいる友人に相談したところ、最近の技術は進化しているらしい。なんと金属部分(ニードルのとこ)に樹脂を重ねられるカバーがあるんだそうだ。友人を連れてきてよかったと本気で思った。でもカバーの存在を店長が知っているとは限らないので、樹脂ピアスにしてみた。コーデを問わずに合わせられる、夏っぽい青のピアス。使ってくれるといいんだけど。
買った餞別を携えて店に行く。事務所で店長が事務作業している。
もう気持ちが先行しすぎて体積気にしてることとか、これは向かいの雑貨屋さんで買ったわけじゃないんだとか、とてもどうでもよい情報ばかり話してしまった。でもちゃんとご挨拶した。店長が家に帰ったときに、そっと開けて、このピアスを見て、鏡の前で少し笑顔になってくれたらいいな。
そんな気持ちです。またお店に遊びに来てください、店長。
おしまい