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4630万円誤送金のもやもや
このところ、ニュースで持ち切りなのが、山口県阿武町の4630万円を誤って振り込んだ問題である。
阿武町は、3000人余りの人口の小さな町である。
山口県では、町と認定するには、5000人以上でなければいけないらしく、もう阿武町は、町ではなく、村レベルの人口しかいないのである。
阿武町1528世帯のうち、今回の新型コロナの給付金の給付対象者が、463世帯という事から、3割の家庭が住民税非課税世帯なのである。
今回、誤送金された24歳の男性が、オンラインカジノで使い込みをし、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されたのであるが。
確かに、使い込みをしたこの男性は悪い。
しかしながら、阿武町に問題は、無かったのであろうか。
阿武町の職員が、山口銀行に、新型コロナの給付金を振り込むために、フロッピーで、町民463件のデーターを提出した。その5日後、印刷する必要の無い用紙を印刷し、それを再び山口銀行に提出をしたことにより、この事件は起きたのである。
印刷する必要のない、間違ったデーターが、処理をすることによって、生まれるこのシステムは、どういったものだったのであろうか。
ニュースを聞いていて、不思議な事だと、疑問に思った。
この間違った操作をして誤送金したのが、新卒の20代の職員だったという報道もあるが、ヒューマンエラー防止対策は、阿武町には、無かったのだろうか?
4630万円の決済を、新卒の20代一人に押し付けるのもおかしい問題だろうと思う。
一人の犯罪者を生んでしまったのであるから、もっと、間違った阿武町を問題にしてもいいのではないかと考える。あまりにも被害者面しているのが、もやもやする。
山口銀行だって、阿武町に知らせる段階が遅くないだろうか?
4630万円が2回の取引で、1億円弱の税金が動いているのだから。ちなみに、阿武町の町の予算全体は約47億だそうだ。
実は、若い頃、こんな事があった。
アパレル会社の経理をやっている時に、社長が取引先に対して、勘違いをして2度同じ金額の手形を切ってしまったことがあった。
その取引先の倒産の話が流れてきて、他人事のように、笑って話していた時に、その事実に社長が気が付いたのである。
通常、社長が手形を切って支払いをした場合、手形用の帳簿の記入を確認して、買掛金の帳簿に書き写すのが、経理としての仕事であった。
土日が入っていたのか、休みをいただいていたのか、まだ処理をする前で、買掛金の帳簿に書いていないところ、社長が買掛金の帳簿を見て、数百万の手形を間違って切ってしまったのである。
社長には、「おまえのせいだ。」とののしられたが、「私のせいではありません。」と20代の自分は声をあげたのである。
そのあと、急いで、倒産した取引先に社長が出向いて、手形を取り返してきたというひやっとした事件であった。
ヒューマンエラーは、必ず発生するものだから、確認は、一人ではなく複数人を経て、決済をしなければいけない問題である。
阿武町も被害者ぶるのではなく、自分たちの非も公表し、世間を騒がせた責任を取る義務があると考える。そうすれば、もやもやが解消されるのではないだろうか。