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デュエプレにおける《超天星バルガライゾウ》の歴史とその構築の変遷
全文無料です。
皆さんこんにちは!BEANSのkomeと申します。
突如思い立ったので、私の好きなカードの1枚であるバルガライゾウの歴史についてnoteを書いてみることにしました。
noteの執筆は初めてですので、読みにくい点や分かりづらい点があるかもしれませんが、気になったところだけでも目を通していただけると幸いです。
このnoteでは11弾環境から始まり現在に至るまでの【バルガライゾウ】の構築の変遷についてまとめます。
主に、ライゾウのスタン落ち前はND、スタン落ち後はADを念頭に記述します。
※カード名などの表記に関する注意
カード名の表記について、正式名称を使う場合は《カード名》と表記します。ただし正式名称のみで書くと若干まだるっこしくなると思ったため、このnoteでは、カジュアルな略称も併せて使います。略称を用いる場合は地の文のまま、特に文字に装飾せずに書きます。
またデッキ名は【デッキ名】と表記します。例えば【バルガライゾウ】と書いた場合、カード単体のことではなくバルガライゾウというデッキタイプのことを指します。
上記の数点ご承知おき願います。
11弾環境
11弾に収録された主な採用候補カード
《超天星バルガライゾウ》
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このnoteの主役です。
マナのドラゴン3体を進化元にするマナ進化GV持ちの進化クリーチャーです。メテオバーンで進化元を3枚墓地に送ることで山札の上5枚を捲り、その中から3体までドラゴンを踏み倒す事ができます。
能力については今更特に言うことはありませんね。
紙のときは山上3枚しか捲れなかったのに対して、デュエプレで実装されるにあたって山上5枚を見られるようになる強化を受けました。
ですが、紙から強化されたにも関わらず、情報公開当初は楽しそうだけど強くはなさそうと言う意見が多かったと記憶しています。かくいう私も当初はオモチャカードなんだろうと思っていました。
ところが、11弾環境が始まってすぐに【バルガライゾウ】が1つの環境デッキとして成立するということが明らかになりました。
そしてこの先長い間、環境デッキの一角として多くの人に使われていくことになります。
《武装竜鬼アカギガルムス》

とある未来のカードのそっくりさんです。このカードが【バルガライゾウ】を1つのデッキタイプとして成立させた立役者と言えるでしょう。文明・効果・種族のいずれをとっても【バルガライゾウ】に欠かすことができず、11弾環境から現在に至るまでほとんど必ず4枚投入されている必須カードです。
余談ですが、このカードが【バルガライゾウ】以外の環境デッキで使用されたのは、私の知る限り、11弾環境の【リースアポロ】のみです。それ故に、「ライゾウを唯一友とする。」というのはネタのようで半分本当です。アカギ君、陽キャに見えて意外と友達がいないタイプなんだね。。
《エコ・アイニー》
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この先長く使われるドラゴンデッキのブーストカード。打点にもなるのが優秀です。当時はライフ→エコアイニー→ギフトライゾウという動きで4ターン目にバルガライゾウを着地させて対戦相手を怒らせていました。
《逆転のオーロラ》
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5マナから一気に9マナへと繋げます。実装当初はほとんど注目されていなかったものの、とある理由(†1)から14弾環境で少しだけ注目を集めます。
デッキリスト例
当時のことを調べて、リストを組んだら次のようになりました。
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環境初期はこのようなリース型が主流だったと思います。最速4ターン、安定して5、6ターン目にライゾウが着地し、ライゾウを出すことさえできれば大体試合に勝つことができました。そして今後長い期間に渡って、コントロール系のデッキに強いデッキタイプとして環境での立ち位置を確立していくことになります。
次に、当時のリストを調べた中で私が個人的に楽しそうと思ったのが次のリストです。このリストはけしぺぺさん(@ke2hi_m0no)が考案されたものです。

このリストの特徴的な部分は、呼び声とサファイアの不採用です。ライフ→エコアイニー→ギフトライゾウという動きを最大値と考えて、龍の呼び声が不採用になっています。また、一見必要に思えるサファイアの不採用は実は理にかなっていて、そもそもライゾウでシールドを3枚割っている時点でオーバーキル気味であることや、ライゾウの3点でトリガーを踏んでしまったらサファイアを踏み倒しても意味がないことから、場に出た時、あるいは場にいるだけで効果を発揮するドラゴンが多く積まれています。ドルボランの採用により天敵であったキングアルカディアスに対抗できる点も素晴らしいです。
10弾以前の主な採用候補カード
ここで、上記2つのサンプルリストに採用されていないカードで当時採用が見られたものを列挙します。
《剛撃竜騎ヴィレム海舟》

後続のドラゴンを確保しつつ自分のほかのドラゴンにスピードアタッカーを付与します。
《竜星バルガライザー》

連ドラしたい人向け。(私は【バルガライゾウ】を連ドラだと思いません。)
《闘龍鬼ジャック・ライドウ》
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バルガライゾウをサーチすることができます。
《緑神龍ミルドガルムス》

初期はあまり【バルガライゾウ】に採用されなかったものの、後に採用されることになります。
《幻獣竜機ボルパンサー》

ライゾウから出せるスピードアタッカーです。
《無双竜機ボルグレス・バーズ》
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マナを伸ばした後のリソース回復要因です。
《電脳海王ネオングライド》

ドルボランをデッキに入れる際の青マナ役でしたが、バウンス効果も意外と強いです。
《インフィニティ・ドラゴン》
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ガチャが好きな人向けのカードです。
参考資料
・バルガライゾウ連ドラが環境入り!制圧力と速さがヤバすぎるwww ND #2 【デュエプレ】【デュエルマスターズプレイス】
・【デュエプレ】サファイア不要の連ドラ!?4×10で簡単強力!19連勝でレジェンド到達のバルガライゾウ!
・【デュエプレ】11弾ランクマッチ環境完全攻略!New Divisionのメタゲームtierリスト、デッキ相性や特徴を徹底解説!
†1
・デュエプレの大会で優勝しました。作戦と構築全部話します。【配信者王決定戦】
12弾環境
12弾に収録された主な採用候補カード
《ボルシャック・NEX》

コッコルピアなどの数種類のルピアと合わせて【バルガライゾウ】に採用される事がありましたが、かなり少数派だったと思います。
《緑神龍ディルガベジーダ》
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デュエプレで実装されるにあたって、場に出た時にパワー3000以下のクリーチャーを全てマナ送りにする効果を手に入れました。また手札以外から場に出た場合はパワー9000以下のクリーチャーを一体マナ送りにできるため、山札からドラゴンを踏み倒すライゾウとの相性は良いです。気軽にマナにおける緑マナとしても優秀で、数枚採用される事が多かったと思います。
主なスタン落ちカード
特になし。
12弾リリース時に6弾がスタン落ちしましたが《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》はLoP2022で再録されたためスタン落ちを回避しました。
デッキリスト例
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リストとしては大体このようなリース型が多かったと思います。
主要カードのスタン落ちがなかったため11弾環境のリストもそのまま使うことができます。
ただ、12弾環境は【赤青剣誠】、【リースボルシャックNEX】、【エンペラーキリコ】、【デイガナイト】の4強環境で【バルガライゾウ】はあまり活躍できなかったため、結論と言えるようなリストは存在しなかったような気がします。(もし当時はこんなリストがよく使われていたというものがあれば教えていただけると幸いです。)
参考資料
・【デュエプレ】12弾ランクマッチ環境完全攻略!New Divisionのtierリスト、デッキ相性や特徴を徹底解説!
13弾環境
13弾に収録された主な採用候補カード
《ボルシャック・クロス・NEX》

ライゾウから出す大型クリーチャーとしては、サファイアでよくね?というのが当時の大方の意見だったと思います。
ただ、ゴットとコスト4以下のクリーチャーの召喚を封じる能力は唯一無二のため収録以降ちらほらと採用が見られます。筆者のお気に入りカード。
《魔龍バベルギヌス》
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【バルガライゾウ】の強さを1段上へと押し上げた非常に強力なカードです。紙と比べて墓地の探索があるため、若干の弱体化を受けていたものの、やはり殿堂カードの強さは伊達ではありませんでした。このカードの実装以前はライゾウから狙ったカードが捲れることをお祈りするしかありませんでしたが、バベルギヌスの登場によりある程度狙ったドラゴンを出しやすくなりました。やり方は簡単で、場に出したいドラゴンをライゾウの進化元に選びメテオバーンで墓地に落とすだけです。当時はバベルギヌスの探索濁りをケアするためライゾウの進化元の種類が多くなりすぎないように選んでいましたね。
さらにこのカードのすごいところは、ライゾウの効果で捲れた時に攻撃中のライゾウ自身を破壊することでアタックキャンセルができるところにあります。
以前はライゾウから強いドラゴンを出すことができてもライゾウの3点でトリガーを大量に踏んで負けるということがありましたが、アタックキャンセルができるようになったため、サファイアを出して安全に盾を詰めることができるようになりました。
《超天星バルガライゾウ》
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13弾に収録されたわけではありませんが13弾の期間中に発売されたヒーローズセットに収録されました。
主なスタン落ちカード
13弾のリリースと共に7弾がスタン落ちし、それに伴い《ガルベリアス・ドラゴン》と《フェアリー・ギフト》がNDで使用できなくなりました。ザークピッチとベティスはガルベリアスと同期ですが、LoP2022で再録されたためスタン落ちを回避しています。
デッキリスト例
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フェアリーギフトがスタン落ちしたため、4ターンライゾウという上振れムーブはできなくなったものの、バベルギヌスの登場によりデッキとしては以前より大きくパワーアップしました。以前は採用に関して賛否のあったサファイアですが、バベルギヌスの登場でアタックキャンセルができるようになり4枚採用が主流になりました。ライゾウを出した後にトリガーで逆転される可能性がぐんと低くなり、デッキとして1段階レベルアップした反面、理不尽な押し付けからトリガーによる逆転を許さぬまま一方的に勝利できてしまうことで、多くのユーザーからヘイトを集めました。ユーザーの間で【バルガライゾウ】に対して能力調整を求める声が出始めたのもこの頃からだったのではないでしょうか。
最後に、バトルアリーナ7thでギウス(@giusu0507)さんがベスト4になった際に使用されていた構築です。
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準々決勝の相手の使用デッキが【バイオレンスフュージョン】だったのですが、1枚採用のクロスNEXの効果が相手に刺さっていたのが印象に残っています。準決勝で惜しくも、業者選手の【デイガナイト】に敗れてしまいましたが、【バルガライゾウ】が公式大会で初めて結果を残すことになりました。
参考資料
・デュエプレ史上最高!?の13弾環境解説とデッキ13個紹介!【デュエプレ】【デュエルマスターズプレイス】
・【デュエプレ】13弾ランクマッチ環境完全攻略!New Divisionのtierリスト、デッキ相性や特徴を徹底解説!
・【デュエプレ】公式大会バトルアリーナ 7th【DUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)】
14弾環境
14弾に収録された主な採用候補カード
《超次元ストーム・ホール》
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条件付きですが、S・トリガーをもらい、紙版よりも若干強くなって実装されました。
実装前は、トリガーが付いたら流石に強い派と非ドラゴンだから【バルガライゾウ】には入らない派で意見が割れていた気がします。
個人的にはブーストカード以外に非ドラゴンを入れるのが嫌だったため【バルガライゾウ】には必要ない派でした。
ただ、結果的にはこのカードを採用している方が多数派だったと記憶しています。
《時空の神風ストーム・カイザー XX》
《奇跡の覚醒者ファイナルストーム XX NEX》
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滅多にありませんでしたが、ストームホールがトリガーして相手ターン中に出てきたら流石に強かったです。
手打ちのストームホールから出しても十分に強く、ライフ→エコアイニー→ストームホールと繋いでストームカイザーを出すことができれば、相手としては処理をせざるを得ないため、相手に処理をさせて時間を稼いでいる間にライゾウを着地させることができます。
覚醒後は連続で何度でもEXターンを取ることができますが、解除がないので除去に弱かったです。
《爆竜 GENJI・XX》
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ライゾウから出せるスピードアタッカーとして優秀で、当時はかなり採用率が高かったです。
ストームホールのトリガー条件達成にも寄与します。
《龍聖大河・L・デストラーデ》
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色が合わないため個人的には採用候補とは考えていませんが、当時ライゾウに入れている人は少なからずいたため念のために。
《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》
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マーシャルタッチによりアタックキャンセルができるためライゾウとの相性が良いです。パワー5000以下全破壊も当時流行っていた超次元ビートデッキの小型サイキックをまとめて除去できるため優秀でした。
アブドーラが場にいる状態でバベルギヌスを出し、バベルギヌスの効果でアブドーラを出し直し、アブドーラのマーシャルタッチでバベルギヌスを手札に戻すことで半永久的にパワー5000以下のクリーチャーを破壊し続けるという動きもありました。
《剛撃無双カンクロウ》
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場に出た時に相手のパワーが最大のクリーチャーをマナ送りにします。
一見、発動することのなさそうな踏み倒し効果ですが、覚醒したサイキッククリーチャーはコストが高いため、思いのほか踏み倒し効果が発動する機会は多かったと思います。
主なスタン落ちカード
スタン落ちしたのは8弾と8弾EXで、特に影響が大きかったのが《龍仙ロマネスク》と《光神龍スペル・デル・フィン》です。この弾以降、デッキカラーはリースから赤緑タッチ黒が主流になっていきます。
デッキリスト例
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14弾のカードである、GENJI、アブドーラ、ストームホールを採用したこのようなリストが多かったと思います。先述のスタン落ちの関係でデッキカラーはリースから赤緑タッチ黒が主流になり、緑の枚数確保のためミルドガルムスが採用されるようになりました。色確保のためと言いつつも、7マナから9マナへと繋ぎながらランデスできるミルドガルムスは非常に強力でした。また、ミルドガルムスの採用が主流になった結果、ミラーマッチはミルドガルムス先出しゲーとなりました。
ストームホールが入っていることに納得がいってなかった筆者が当時使っていたリストも貼っておきます。

今になってリストを見てみるとクロスNEXがいらない気がします。(そもそも強いかどうかよりもただ好きという理由で採用してたような…)緑の枚数的にも、環境的にもクロスNEXをカンクロウに変えると強いと思います。上のリストではGENJIが採用されていますが、下のリストではその部分がザークピッチなっています。当時は【デイガナイト】が最強デッキの一角にいてバレットバイスが頻繁にとんできたり、ジェニーダーツの収録などもありハンデスが多い環境だったのでザークピッチの通りは良かったはずです。
参考資料
・【デュエプレ】14弾ランクマッチ環境完全攻略!New Divisionのtierリスト、デッキ相性や特徴を徹底解説!
・【最強デッキ】14弾でライゾウがTier1に君臨しました【デュエプレ14弾】
15弾環境
15弾に収録された主な採用候補カード
特になし。
強いて上げるのであれば《時空の支配者ディアボロス Z》と《超時空ストームG・XX》でしょうか。(これらのカードはメインデッキに入らない上にストームホールをデッキに入れることが実質的に前提になるため、本当に無理やり候補を挙げるなら、という感じです。一応、XXをたくさん出せばストームGは出せますが…)
主なスタン落ちカード
スタン落ちしたのは9弾と9弾EXです。デッキ構築に影響があったのは《緑神龍ミルドガルムス》でしょう。また【バルガライゾウ】に採用されていたことがあるという意味では《戦攻竜騎ドルボラン》が挙げられます。
デッキリスト例
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14弾からの大きな変更点はミルドガルムスがスタン落ちしたことです。その結果、緑の枚数を確保するためにカンクロウが2枚以上採用されることが多かったと思います。当時は超次元環境だったため覚醒したサイキッククリーチャーに反応して踏み倒し効果が発動したり、15弾で追加され新たなデッキタイプとして台頭してきたMRCロマノフに対しても刺さったりと、予想外にカンクロウが活躍する場面は多かった印象です。また当時多かった負け方として、相手の場にディアボロスZがいる状態でライゾウを走らせたけれど、リーサルまでは届かずに、返しのターンに覚醒されてこちらの盤面が崩壊して負けるというものがありました。ディアボロスZはクリーチャーの効果で選ばれないため処理がやや難しいカードですが、カンクロウなら簡単に処理できるため、ライゾウからカンクロウを出してディアボロスZを処理することでそのまま押し切って勝てることが多々ありました。
小さな変化としては、ストームホールからディアボロスZを選択できるようになり、ごくまれにですがラストストームを出して勝つことがありました。
参考資料
・【デュエプレ】15弾ランクマッチ環境完全攻略!New Divisionのtierリスト、デッキ相性や特徴を徹底解説!
16弾環境
16弾に収録された主な採用候補カード
《ボルバルザーク・エクス》
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採用候補に挙げたものの、あまりライゾウと相性は良くありません。
ライゾウから出してマナを回復しても回復したマナは使えないため、実質ただのスピードアタッカーのドラゴンになってしまいます。また多色カードであるのもネックです。
《永遠のリュウセイ・カイザー》
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文句のつけようのない完璧な性能で、もちろん【バルガライゾウ】にも入ります。殴ってくるデッキに対して蓋をすることができるだけでなく、自分のクリーチャー全員にスピードアタッカーを付与するためライゾウからこのカードが1枚めくれるだけで残りの2枚はほとんど何であってもリーサルを作ることができます。さらにマッドネス効果まで持っており、相手のハンデスを強く牽制することができます。
今後このカードを押しのけてまで【バルガライゾウ】に入る火のドラゴンは当分現れないでしょう。4枚採用確定カードです。
欠点を強いて挙げるなら、ライゾウの着地の前に出てきてライゾウをタップインにさせるため、このカード自身がライゾウの天敵であることぐらいです。
主なスタン落ちカード
NDで使えなくなったのは10弾と10弾EXです。その中で目ぼしいカードとしては《天雷の龍聖ロレンツォⅣ世》があります。初期の【バルガライゾウ】では使われていたものの、スペルデルフィンとロマネスクのスタン落ち後は白抜きの構築が主流になっていたため影響はほとんどありませんでした。
デッキリスト例
筆者が当時使っていた構築です。
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15弾と比べて変わったのはストームホール入りの構築が減ったことでしょう。先述の通り永遠リュウは基本的には4枚採用です。
そしてまたクロスNEXが採用されていますね。これも14弾と同様に単なる私の趣味、と見せかけて今度は明確に理由があります。それは、当時環境トップデッキだった【赤黒MRCロマノフ】に対するメタカードという役割です。MRCロマノフは種族にゴットを持っており、クロスNEXの効果で召喚を封じることができます。さらに、強力なトリガークリーチャーであるヤミノオーダーも封じることができます。
ここからは長ーーい余談になるのですが(読まなくていいです)、じゃあ15弾環境の時もクロスNEX入れたらよくないか?という疑問が浮かびます。これには2つ答えがあります。1つ目は15弾環境と16弾環境では【赤黒MRCロマノフ】の立ち位置が異なるという点です。15弾環境では使用率トップの最強デッキとして【ネクラ超次元】が君臨していて【赤黒MRCロマノフ】はその陰に隠れていましたが、16弾になり環境から【ネクラ超次元】が消えたため【赤黒MRCロマノフ】が一躍環境トップに躍り出たことです。
もう1つの理由は16弾の途中でカード能力の調整があったことです。調整が入ったカードは何枚かありましたがそのうちの1枚が【赤黒MRCロマノフ】に採用されていた《魔光蟲ヴィルジニア卿》で、DP殿堂に指定されました。
クロスNEXが封じることができるのはゴットの"召喚"だけなのでヴィルジニアから踏み倒されるMRCロマノフに対しては無力でした。それゆえヴィルジニアが4枚使えた15弾当時は、MRCロマノフへのメタとしてクロスNEXは微妙でしたが、ヴィルジニアが規制された16弾環境の後期ではメタとして役割を果たすことができたということです。
最後に、lili(@lili4161)さんがささぼーcupで優勝した際に使用されていた構築です。リストはかえさん(@amatou_1818)が考案されたものです。

大会ルールはBO3、スイスドロー、デッキ公開制でした。プレイヤーの実力が出やすい大会だったことがルールからわかります。
注目したいのは、ベスト4に【バルガライゾウ】を使用して残った方がもう一人いることです。優勝したliliさんが上手かったのは言うまでもありませんが、当時の環境で【バルガライゾウ】がかなりいい立ち位置にいたことも窺えます。
参考資料
・【ND】バルガライゾウデッキリスト(11/12更新)【第16弾環境】
・【liliさん】ささぼーCUP ~ファースト・オブ・ビクトリー 激竜王の目覚め~ 優勝者インタビュー
・【デュエプレ】ささぼーCUP ~ファースト・オブ・ビクトリー 激竜王の目覚め~ 決勝トーナメント
17弾環境
17弾リリースと共に11弾がNDで使えなくなり、ここでライゾウも主戦場をNDからADへと移すことになります。これ以降はAD環境における【バルガライゾウ】について記述します。
17弾に収録された主な採用候補カード
特になし。
デッキリスト例

いろいろ考えましたが書くことが思いつきませんでした。
17弾では新たな採用候補となるカードが収録されなかったことから熱心に【バルガライゾウ】を使っていた方は少なかったのではないでしょうか。筆者もその1人で17弾環境ではほとんどこのデッキを使った記憶がありません。当時のことを覚えてる方がいたらぜひ教えていただきたいです。
参考資料
・【AD】バルガライゾウデッキリスト(12/14新規)【第17弾環境】
18弾環境
18弾に収録された主な採用候補カード
《勝利宣言 鬼丸「覇」》
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満を持して登場した、サファイアに変わる新たなライゾウのフィニッシャーです。能力についての解説は不要でしょう。ただ、実装当初はまだバベルギヌスを入れた型が主流だったためトリガーケアをするならサファイアで良いというのが個人的なイメージでした。当時はサファイアと両方採用してる人が多かったのではないでしょうか。
《ボルシャック・スーパーヒーロー》
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龍の呼び声から繋がる6マナのドラゴンで、パワー3000以下の小型クリーチャーとパワー6000以下のサイキッククリーチャーを一掃することができます。
【バルガライゾウ】が苦手とする速攻デッキを、2ターン目ブーストからのギフトスーパーヒーローで泣かせる事ができます。
余談ですが、紙ではE1の第2弾(ヴォルグサンダーや永遠リュウと同期)で収録されたカードなので、本当に少しだけ遅れてデュエプレにやってきました。
《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》
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クリーチャーへの踏み倒しメタ効果を持っているので、ミラーマッチや対天門に対して強くなります。また、ライゾウのメテオバーンで墓地に送ることでデッキアウトケアをすることができます。ただし、バベルギヌスとは相性が悪いです。
《無双竜鬼ミツルギブースト》
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盤面処理をしながらマナを伸ばすことができます。自然文明を持っているのが優秀ですが、多色カードであるのがややネックです。
《黒神龍オドル・ニードル》
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アカギガルムスとは異なり、確実に1打点止めることができます。ただし、バトル後に破壊されてしまうので速攻対策としては微妙です。また、黒単色であり、色マナとして微妙な点もネックです。
デッキリスト例
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18弾で収録されたミツルギブーストと鬼丸覇が採用されるようになりました。ただデッキ基盤としては以前から変化がなく劇的に強くなった訳ではありません。18弾環境で【バルガライゾウ】を使って結果を出していた方もほとんどいなかったと思います。
参考資料
・【AD】バルガライゾウデッキリスト(2023/2/20新規)【第18弾環境】
19弾環境
19弾に収録された主な採用候補カード
《偽りの王 モーツァルト》
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強力な盤面制圧力を持つドラゴンです。ただし、黒を持っており、11コストであるとこから手出しが困難なためあまり採用されていなかったと思います。
《偽りの王 ヴィルヘルム》
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個人的には採用候補と思っていませんが、採用している【バルガライゾウ】をそこそこの頻度ランクマッチで見かけるため念のために。
でも、デッキの強さを度外視するのであれば、【バルガライゾウ】には好きなドラゴンを入れるのが一番だと思います。
《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》
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19弾に収録されたバルガライゾウ三種の神器の一枚で、VRとは思えない破格のスペックを持っています。場に出たときに相手のクリーチャーを一体破壊し、その後、自分の墓地からドラゴンを一体バトルゾーンに出すことができます。さらに、自分の進化ではないドラゴンが破壊される時、かわりにシールド化するという効果まで持っています。ライゾウのメテオバーンとロマネスクのターン終了時のセルフランデス効果でドラゴンを能動的に墓地に落とすことができるこのデッキとの相性は抜群で、ライゾウから捲れるドラゴンとしては一番の当たりです。(ちなみにロマネスクはLoP2023で再録されるにあたって、ターン終了時のマナ破壊効果から探索が削除され、完全に好きなカードを墓地に置くことができるようになっています。)
よく使うテクニックとして、ヴィオラソナタからヴィオラソナタ何度も蘇生させて連鎖させる動きがあります。この動きが決まればどんなに厳しい場面からでも一気に形成逆転することができます。
もう1つはアカギガルムスなどのトリガードラゴンや、バトルゾーンで邪魔になったり、不要になったりしたドラゴンを自爆させることで自分のシールドを回復させて耐久するというテクニックです。
色々と書きましたが、結論とにかく強い!!ということです。私は【バルガライゾウ】の中で最も強いカードは、このヴィオラソナタだと思っています。
唯一の欠点は無色カードであるため色マナとしての役割を持たないことです。
もちろん強すぎるので4枚確定カードです。
《偽りの王 ナンバーナイン》
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スペルデルフィンと同じ役割を果たす、呪文ロック効果を持ったドラゴンです。スペルデルフィンと選択になりますが、どちらを選んでも大差ないです。
私個人としては、当時デルフィンを1枚しか持っておらず生成を渋っていたため、同じ役割を果たせるカードがVRで実装されて歓喜していました。
《無双竜聖イージスブースト》
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19弾に実装されたバルガライゾウ三種の神器の1枚です。
苦手としている速攻系統のデッキに対して強くなるだけでなく、長らく問題だった、デッキをリースカラーにする際の色マナバランスが難しいという問題まで一気に解決してくれたスーパーカードです。
《メンデルスゾーン》
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19弾で実装されたバルガライゾウ三種の神器のうちの1枚。
新たな、ドラゴンデッキ専用の初動ブーストカードです。龍の呼び声と合わせて初動8枚体制にすることで、3から6へのマナカーブの再現性がアップしました。
デッキリスト例
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19弾は【バルガライゾウ】にとって革命が起きた弾です。採用候補のところにも書いた通り、メンデルゾーン、イージスブースト、ヴィオラソナタの3枚がこのデッキを1つ上のステージに押し上げた立役者です。これらのカードの登場により、デッキ構築が以前のバベルギヌスを入れた型から、ロマネスクを採用するためにリース型へと変化しました。デッキをリースカラーにする際に悩まされてきた白マナが足りないという問題をイージスブースト1枚が完全に解消してくれて、その上で弱点であったシールドトリガーの弱さまで補ってくれています。ヴィオラソナタはロマネスクと相性が抜群で、ライゾウを引けなくても柔軟にゲームを展開することができるようになりました。
この環境では、複数人が【バルガライゾウ】を使ってレート1700に到達するなど、このデッキが大きく飛躍することになりました。
なお、19弾以降の【バルガライゾウ】の構築と考え方についてエレン(@ellen_DMP)さんのnoteを大いに参考にさせていただきました。
参考資料
・【AD】リースバルガライゾウデッキリスト(2023/5/12)【第19弾環境】
・【デュエプレ】バルガライゾウ解説【1700到達】
20弾環境
20弾に収録された主な採用候補カード
《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》
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【バルガライゾウ】の採用候補ドラゴンでありながら、ライゾウ自身の天敵でもあるカードです。主な効果は2つで、召喚時に相手のクリーチャーをすべてバウンスする効果と、ドラゴン、コマンドが場に出るのを封じる効果です。2つ目の効果により【バルガライゾウ】はこのカードを出されると完全に詰んでしまいます。
主に、同型と【白緑アガサ天門】を見て1、2枚採用されることが多いようです。
好みの問題ですが、個人的には入れなくてもいいカードだと思っています。
《無双龍幻バルガ・ド・ライバー》
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20弾に収録されたわけではありませんが、20弾期間中に発売されたスーパーデッキに収録されました。
場に出たターンにアンタップしているクリーチャーを攻撃できるため、安全に攻撃時効果を使うことができます。
連ドラしたい人向けのカードです。
デッキリスト例
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私が使っていたリストです。基本的には19弾環境とほとんど同じで、多くの方が前環境と同じリストを使っていたのではないかと思います。
リストを見てみると、またもやクロスNEXが採用されています。もちろん筆者が好きだからなのですが、理由もあります。
それは19弾で最強シールドトリガー《終末の時計ザ・クロック》が追加されたことです。こちらが永遠リュウを出してから盾を詰めたとしても、こちらのシールドが割り切られていた場合、クロックを1枚踏むだけでカウンターリーサルを食らってしまうのです。そこで4コスト以下のクリーチャーの召喚を封じることのできるクロスNEXを採用した、ということです。
ただ、クロックをケアするなら鬼丸覇でEXターンを取ればいいので、クロスNEXが必要かと言われると微妙です。そもそも筆者が鬼丸覇を2枚しか持ってなかっただけです。
参考資料
・【AD】バルガライゾウデッキリスト(2023/7/14)【第20弾環境】
21弾環境
21弾に収録された主な採用候補カード
《龍世界 ドラゴ大王》
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強力な盤面ロック効果を持った大型ドラゴンです。ロック効果があまりに強すぎるため、ライゾウを出すまでもなくロマネスクから繋いでドラゴ大王を場に出してゲームエンドという対面も多いです。またロマネスク、ヴィオラソナタと繋いで墓地から出すこともできるため1、2枚の採用で十分だと思います。
場に出た時の効果も優秀で、ヴィオラソナタが場にいるときにこの効果であえて自分のドラゴンを自爆させてシールドを回復させるというテクニックもあります。
【バルガライゾウ】は呪文のトリガーをケアするのが得意でトリガークリーチャーをやや苦手としていましたが、ナンバーナインとドラゴ大王、あるいはスペルデルフィンとドラゴ大王のコンビでほぼ全てのシールドトリガーを封殺することができるようになりました。
《獅子頂龍 ライオネル》
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主な効果は2つで自分の光とドラゴンのカードをシールドトリガーにする効果と、バトルゾーンを離れるときかわりにシールドを1枚手札に加えることで場にとどまる効果です。そしてそのシールドトリガーを使うことができます。
1度場に出てしまえば、現在のカードプールで処理できる現実的なカードは吸魂バキュームくらいで、安全に処理することはほとんど不可能です。そのためこのカードは純粋に殴ってくるデッキに出すことができればほとんどEXウィンと言えるほど強力なカードです。
《不敗のダイハード・リュウセイ》
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新たなリュウセイの名を冠するカードで、その名に恥じぬ非常に強力な効果を持っています。ただ、【バルガライゾウ】とのかみ合いという点では微妙で、あまり積極的に採用したいカードではないと思います。
《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》
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常に緑マナの枚数が不足している【バルガライゾウ】にとって待望の緑単色のドラゴンです。効果も申し分なく、クリーチャーが場に出た時に発動する効果を無効化することができるため、トリガークリーチャーの多くを封じることができます。
《ミステリー・キューブ》
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スリリングなデュエルをしたい人向け。このカードからライゾウを出されたらキレていいと思います。
デッキリスト例
これらのカードを踏まえて21弾現在私が使っているリストを例として挙げます。
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超次元ゾーンでもっと緑マナがもっと欲しいという気持ちを表現しています。
冗談はさておき、赤18枚、白12枚、緑26枚という色バランスが現在の私のお気に入りです。先述の通りドラゴ大王とワルドブラッキオの登場でクリーチャートリガーをケアしやすくなったのが20弾環境からの強化点です。また、ライオネルはビート対面や環境トップの【赤黒MRCロマノフ】に対してめっぽう強く、3→6→9というマナカーブで最速で出すことができればその試合は勝ちと言っても過言ではないと思います。ロマネスク、ヴィオラソナタのコンボで狙って出すことができるので、1枚でも十分に採用する価値があると思います。
このデッキには私の好みの問題でVANベートーベンが入っていませんが、1、2枚入れてる構築が多いと思います。
参考資料
【バルガライゾウ】に対する現在の筆者の考え
バルガライゾウといえば、何かと話題に事欠かないカードです。(デュエプレ界の嫌われ者とよく言われますが、誰にも見向きもされないカードよりはよっぽどマシだと思います。むしろ、いつも話題にされているという点においてはある意味で人気者なのかもしれませんね。)
私の狭い観測範囲内に限っても、デュエプレ界隈では【バルガライゾウ】に対する能力調整を求める声がかなり多い印象を受けます。
私個人としては【バルガライゾウ】に能力調整を入れてほしいと強く願っているわけではありませんが、何らかの調整が入っても全く不思議ではないと考えています。
【バルガライゾウ】のダメな点を挙げれば枚挙にいとまがないため、ここではそういった点には踏み込まず、どのような調整をすればいいか、私なりの意見を書こうと思います。
早速結論ですが、いろいろ検討した結果、《龍仙ロマネスク》をDP殿堂に指定すればよいという結論に落ち着きました。
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はい。あなたです。
では、ロマネスクが1枚しか使えないとどうなるのか考えてみましょう。
現在の【バルガライゾウ】の理想ムーブは3→6→9のマナカーブで動き、ライゾウを出す、あるいはロマネスクで相手のデッキに合わせてドラゴンを墓地に落としてヴィオラソナタで釣ってくるという動きです。
ロマネスクが1枚しか使えないとなると3→6→9のマナカーブはかなり再現性が落ちます。さらにライゾウのメテオバーン以外でドラゴンを能動的に墓地落とすことが困難になり、手出しのヴィオラソナタの価値は著しく低下し、結果的にライゾウへの依存度が高まります。
また、現在主流の初動ブースト8枚体制では安定して9マナまでブーストするのは難しくなり、結果として空いた枠にブーストカードを入れざるを得なくなると予想されます。
空いた枠に入るのが、フェアリーライフなのか、エコアイニーなのか、ライフプランチャージャーなのか、ダンシングフィーバーなのか、あるいは爆進イントゥザワイルドなのかはわかりませんが、これらに共通しているのはいずれのカードもドラゴンではないということです。デッキ内のドラゴンではないカードの比率が増えるということは、初動ブーストの安定感が落ち、ライゾウで山札を捲った時のはずれが増えるということに他なりません。
さらに言えば、色マナのバランスをどうするかという問題にも直面します。
これらの理由から、私はロマネスクをDP殿堂に指定すれば【バルガライゾウ】の強さは適正なものになるのではないかと考えています。
これはいちデュエプレユーザー、いちライゾウ使いの意見にすぎませんので、このような意見の人がいるんだなーと考えていただければ幸いです。
と、ここまで書いてそろそろ完成させて公開するかーと思い、何となくXを見てみると
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はあああああああああ!!?!?!?
考えうる限り最も最悪なタイミングだ…
これだけは信じてください。殿堂発表が来る前からこの部分は書き終わっていて、決して後出しじゃんけんをした訳ではありません!!本当なんです信じてください泣
終わりに
ここまで読んでくださった方、一部分でも読んでくださった方に感謝いたします。ありがとうございました。
このnoteを書くにあたり過去のことを調べるのに、YouTube、X、note、デュエプレ攻略サイト等を参照しました。普段から情報を発信したり、まとめてくださっている皆様に感謝いたします。ありがとうございます。
もちろん、本noteに誤った記述があった場合、参照した情報ではなく筆者に責任があることをここで断っておきます。
もし誤った記述や補足情報などがあれば私のX(@peacerupia)に連絡を頂けるとありがたいです。
【バルガライゾウ】は非常にド派手で使っていてとても楽しいデッキです。この手のデッキは得てして、対面が使うとぶんまわり、自分が使うと事故るというイメージが強いと思います。しかし、絶対にそんなことはなくて、ある程度の試行回数を積めば必ず運や引きは全てのプレイヤーに対して平等になるはずです。理想の動きが決まった際の爽快感は格別なので数戦で使うのをやめてしまわずに、ぜひ根気よく【バルガライゾウ】を回してみてください。
このnoteを読んで【バルガライゾウ】に興味を持ってくれる方が少しでも増えたらうれしいです。(というのは建前で本当はミラーマッチはしたくないし、これ以上使用者が増えたら困ります笑)
最後に、重ね重ねにはなりますが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!
~ロマネスク殿堂発表後の加筆~
私個人としてはロマネスクが殿堂してしまったのは少し残念ですが、これを機にマンネリ化したAD環境が変わり、ADが活発にプレイされるようになればそれは喜ばしいことだと思います。
いままでありがとうバルガライゾウ。バルガライゾウよ永遠に…