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ディビッド・シュパングラーからフィンドホーンへのラブレター
2025年のはじまりに、フィンドホーンの4人目の創設者と言われるディビッド・シュパングラーさんが自分の80歳の誕生日にフィンドホーンへのラブレターを贈りました。
見えない世界の住人たちと共に歩んできたエルダーの半世紀余りにわたるコミュニティとの関わり、そして人間が本来持ち得ている「魂」の復権に貢献した彼から共に歩んできたコミュニティへのエール。
これは、今世界で失われようとしている先住民族たちや見えない世界と共同創造を続ける人としての文化へのエールでもあると私は感じています。
以下、フィンドホーン・グローバルコミュニティのサイトより引用し翻訳したものです。
引用元 A Love Letter to FIndhorn on my 80th Birthday
2025年1月7日、私は80歳になる。それ自体に特にメリットはない。
地球が太陽の周りを回るたびに、年表に新しい数字が加わるだけだ。
とても簡単なことだ!
一方で、このような自転を80回経験したことで、20歳の頃よりも
長い目で物事を見ることができるようになった。
そして、その評価と視点から、私が時代錯誤的に
「フィンドホーン 」として知っている集団的で新興的な存在に
ラブレターを書くことができるのだ。
1970年、フィンドホーン湾とモーレイ湾の海岸にある
フィンドホーン・ベイ・キャラバン・パークに到着したとき、
私は25歳だった。
この地域を訪れたことのある人たちが話してくれたことを除けば、
何を期待すればいいのか見当もつかなかった。
当時ロンドンにいた何人かの友人の間では、ピーター・キャディと、
彼の言いなりになっている人々の 「コロニー 」に相当すると
感じていた人々には疑念があった。
しかし、私自身の内なる「声」は、私が米国を離れて新たな
仕事のサイクルを始めようとしていることを告げていた。
それがフィンドホーン・コミュニティに関わるものだと期待する理由は
なかったが、私は内なる強い衝動に駆られ、訪問することにした。
そして驚いたことに、ピーター、アイリーン、ドロシーは、
私が到着する前から私が来ることを期待していたのだ!
その理由は、私が持っていた「キリスト体験」の小冊子にあった。
クラスの参加者のひとりが、私の知らないうちにフィンドホーンに
コピーを郵送し、ドロシーがそれを読んだ。
ドロシーはそれをアイリーンに渡して読ませ、アイリーンは
私がフィンドホーンに来てコミュニティの一員になることを予感した。
問題は、私の名前以外は、私が誰なのか、どこに住んでいるのか、
どうやって連絡を取ればいいのか、まったくわからないということだった。
だから彼らは待っていた。
そして3年後、私は突然現れた。
当時の小さなフィンドホーン・コミュニティの一員になったことは、
いくつかの理由から、私にとって転機となった。
ひとつは、フィンドホーンがその庭で、私たち『受肉した人間』と、地球のエコロジーの微妙な側面で活動する知性との間の協力と協調を
実証していたことだ。
これは、私がアメリカで講義していたことでもある。
フィンドホーンは、それがうまくいくことを具体的に証明してくれた。
フィンドホーンは、私の生涯の恋人であり、
40年以上連れ添っている妻であるジュリアと出会った場所でもある。
後にロリアン協会を一緒に設立した仲間たちとは、
今でも友人であり、家族であり、同僚である。
ピーターと共同ディレクターを務めたことは、
このコミュニティにとって特権であり、名誉であり、喜びであった。
フィンドホーンは、その外形がどうであれ、世界における希望と
インスピレーションの大きな源であり、
「素晴らしきグローバル・ファミリー 」の源泉であると、
当時も今も私は感じている。
フィンドホーンのスピリチュアルでエコロジカルなセンターと、
世界におけるその模範のおかげで、私自身のスピリチュアルな仕事は
限りなく容易になった。
それにもまして、皆さんがしていることの重要性、
それは、みなさんが本当に新しい文明の種であるということだ。
アイリーンが思い描いたように、
そしてピーター・キャディが実現しようと努力したように。
これは大げさに聞こえるかもしれない。
つまりは、あなたが新たな文明的ビジョンの種であり、
心だけでなく魂、そして人生の物理的側面だけでなく
広大な非物理的側面も結びつける共同体の実証によって
私たちに世界をもう一度魅力的な場にするものだとしよう。
それは魔法のようなものだ。
今から100年余り前、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、
17世紀以来続いてきた「世界の幻滅」について書いた。
それは、自然や世界そのものを神聖視し、
生命と魂に満ちたものと見なす、アニミズム的で汎神論的な世界観から、
自然や人間を宇宙の塵の無作為な事故と見なし、
真の意味を持たず、人間がそれを意のままに形作ることでしか
役立たないものと見なす世界観への移行であった。
魔術的で魅惑的な、生き生きとした世界から、
西洋の私たちは理性的で物質主義的な、死んだような、
そして間違いなく幻滅させられた岩の塊のような世界へと移行した。
精神や微妙な次元に関しては、忘れてしまえ!
物差しの範囲を超えた迷信めいたナンセンスなものであり、
したがって非現実的なものだ。 私たちは、出現しつつある、
喜びに満ちた、生きている宇宙の共同創造者から、
「肉の塊 」になったのだ。
私たちは技術力を得たが、魂を失った。
今、フィンドホーンのエコロジー&スピリチュアル・センターと
なっているプロジェクト、つまり、あなた方全員が、
私たちに魂を取り戻させてくれているのだ。
1962年以来、皆さんはそうしてきた。
多くの社会の流れや考え方、世界の見方に逆らって
上流に向かって泳ぐということは、とても困難なことであり、
勇気と忍耐が必要なことだと私は知っている。
しかし、私はあなた方と知り合って55年になるが、
あなた方全員が持っていた勇気、忍耐力、そしてビジョンを見てきた。
素晴らしき一つの家族について話そう!
だから私は、この世に生を受けて80年目を静かに祝いながら、
振り返り、自分の多くの祝福を数え、
フィンドホーン(あなたの名前がコロコロ変わるのはどうでもいい!)も
そのひとつだと思えるのだ。
大きな恵みだ! 私にとってだけでなく、
地球にとって、人類にとって、未来にとって。
私はあなたを愛している!
私の友人たちに祝福を。
そして、あなたたちがしてくれること、
与えてくれることすべてに感謝します。
デビッド・シュパングラー
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