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台湾🇹🇼旅遊日記2024②
台中散歩〜時をつなぐ町『土庫里』
今回の展示の準備が整い、イベントの案内を配るために、
他のアーティストさんやZASSOのオーナーのお一人の珊瑚さんと共に、
周りのいろいろな店舗にご挨拶周り。
この辺りは『土庫里』と呼ばれていて古い長屋が路地で繋がる地域。
間口が小さくて奥行きがあり、入り口には植栽があり、
東京の谷根千に通じる空気感〜。
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東京の谷中の路地植栽と通じる
こだわりの珈琲屋さん、麺包(パン)屋さん、花屋さん、スイーツ店
古き良きモノや製本をする店などなどどれも感性がキラッと輝く。
若い世代のオーナーたちが、良い感じの空気感で
この地域への愛を軽やかに表現してる。
10分程度歩くと美術館もありアートが日常にある町。
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珊瑚さんが、一つ一つのお店に入っては、店のオーナーたちと快活に話し、彼らも笑顔で対応する。私たちにも、何かしら記念にと小さなギフトをくださったり、とっておきのものがあるからと奥まで案内して熱心に話してくれたり・・・珊瑚さんの巻き込み力もさながら、それぞれの店のオーナーたちのオープンな軽やかさがとても印象的。
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珈琲もあって、中でも食べられる。
『土庫里』というコミュニティを垣間見た。
ここで、長く何かをやっていくためにはマーケティングではなく、
自分の心に沿った表現と隣近所との人付き合いが要。
感性と人情が互いを支え合う。
ZASSOの珊瑚さんが私たちを紹介すると同時に
私たちにもそれぞれのオーナーやお店を紹介してくれる。
同じような感性を共有する人たちのお店だから、
私も休み時間にお茶を飲みに行ったり、朝ごはんのパンを買う、
そして手作りのお土産を買いたくなる。
ささやかなことだけど、いつの間にかこうして商いが成り立っていく。
一軒、一軒のお店、ではなく、エリア全体が複合的な共同創造の場。
みんな、ここで、小さくとも自分の表現をしながら、
周りとも繋がれる幸せを味わっているよう。
周囲には高級なタワーマンションも林立しているのが対照的だけど
もしかしたらいいバランスなのかもしれない。センスの良いものを求める
経済的に豊かな人たちにも支えられているコミュニティなんだとも言える。
エスタブリッシュな世界への反抗でも抵抗でもなく、
軽やかに、ユニークさと心地よさ、そしてて手仕事の温もりを伝えたい
そんなシンプルな想いが繋ぎとなって成立するサステナブルな関係は
とても現実的な一つの方向性だと思った。
彩虹春村〜50年描き続けたお爺さんの心象風景
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彩虹春村〜レインボービレッジ〜と呼ばれる
台中のもう一つのアートスポット。
軍人上がりのお爺さんが、ある集落の壁に
50年余り書き続けたカラフルでキッチュな絵が評判になり、
今は観光客がバスで訪れるような名所になっている。
日本でもテレビで紹介され、それを見た方から教えてもらいました。
ここは、元々、大陸から引き揚げた軍人たちの住居で、
住人の一人だった黄永阜さんが自分の家の壁に描いた絵を
隣近所の仲間たちも気に入って、黄さんに描いて欲しいと頼み
どんどん周りの家や建物の壁がその黄さんの絵で埋め尽くさ
いつの間には「彩虹春村」と呼ばれるようになったそうだ。
黄さんは100歳で今年の1月23日に天に召されたそう。
プリミティブでカラフルな絵は楽しげで、無意識の原初的な世界を感じる。
ここに住んでいた人たちの大らかさも伝わり、この絵が戦争を経てきた
軍人たちの心を掴んでいたのかと想像すれば、キュンとなる。
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残念なのは、人が集まることに、着目して商売を仕掛けた人達がいたこと。キャラクターグッズなどをこの一角で販売していたみたいだけど、結果的に失敗して、一部の壁の絵を、上から塗りつぶしてしまったと。腹いせかどうかは未知だけど、身勝手なものだ。また、隣の新しいタワマンの壁が一面の絵を隠してしまったこと。土庫裡の人たちの古きものを大切に受け継ぐクリエイティビティを感じた後だけに古きモノと新しいものが対話をしないとこうなる、という証を見た気がした。そして、経済を優先することの失敗も。
お爺さんの世界へのメッセージがそのままの形でこれからも、ここを訪れる人々の心に届きますように。絵の力がそれを可能にしますように。
祈りつつ。
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