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大地の再生と人間社会の再生。そのために穴を掘り、風のように草を刈る。

ドキュメンタリー映画『杜人』公式サイト

ようやくこの映画を観られた。

造園家であり、また『環境再生医』というお役目を担う矢野智徳さんの『大地の再生』活動を3年半かけて追いかけたドキュメンタリー『杜人』。

あちこちから矢野さんのことを耳にしながら、現場のボランティアにも行く機会を逃していた。話に聞く彼の自然界との向き合い方にいつか触れたいと思っていて、現場ではないけれど、何か今必要なことがそこに詰まっているだろう、そんな予感を持って封切り2日目の吉祥寺アップリンクへ。

映画は、一つ一つの現場での矢野さんの動き、言葉を拾い上げ要を伝えてくれる。

『全ての存在はどこか不完全で不足しているんです。リスクを前提に生きている。だから、補い合うんです。そして、その補い合う動きが循環を生むんです。』

草を刈りながら、大地に穴を開けながら、動きの中で語られる言葉にハッとする。

わたしの中の『詰まり』もスコンッと抜けていく。

草の刈り方、木の暫定、水脈の整え方など、至極実質的なことを伝える一方で、人としての在り方や心の世界にもその言葉の根っこが伸びてくる。

今、人類はある意味途方に暮れていると思う。
自然災害もコロナ禍も戦争もどうにかしなくちゃと思いながら、手の施しようがない、そんな感覚で事態を見つめている人も多いのではないかと。

そんなお手上げ感に、自分達でも小さな風穴を開けていけるような気にさせてくれた。

『生態系の循環機能に習うこと。環境の再生は人の社会の再生でもあり、それは結(ゆい)の再生なのです。』

表層5センチを移植ゴテで掻き出すことから始められる大地の再生と人の社会の再生。

あらゆる場に風穴を無性に開けたくなった。

そして、それが自分でもできるという自信を与えてもらった。

今、自分がいる場所から小さな穴を開けて、風を通していこう。

【上映スケジュール】

吉祥寺アップリンク 〜4/28
大阪第七藝術劇場 4/16〜
アップリンク京都 4/22〜28
横浜シネマジャック&ベティ 4/23〜
川崎アートセンター 5/14〜27
逗子シネマアミーゴ 5/15〜6/4
フォーラム仙台 5/20〜6/2
宇都宮ヒカリ座 8/19〜9/1

このほか名古屋、山形、福島、浜松、山口、岡山、苫小牧、尾道などで公開予定。

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