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親と離れる時間について

親と離れる時間って、持つべきものですね。

実家から通った大学を卒業した後
どうしても就職したくなくて。
就職活動をしないまま家に居続けることにプレッシャーを感じていたから、
そしてもともと何となく窮屈な場所でもあったから、
ある朝
「今日から行ってくるからね!」
と実家を出た。

そのあと半年くらいでまた帰って来た。
やりたいことが見つかってフリーターを丸2年間続けて、
別の場所でも働いてみて。
その間は一人暮らしも寮暮らしもして、
ある程度は親と離れた時間は持ってきたつもりだった。

その時間に感じたことは
さみしさとか、ありがたみを認識したとか、
そういうものよりも
「自由」だった。

毎日の予定を伝える必要もなければ、
行動や着る服にいちいち何かツッこまれることもない。
自分がいいと思う健康的な食材を買って好きなように料理して、
自分が必要だと思うものにお金をかける。
たまに夜遅くまで飲みに出かけても、
そういう気分の時は朝に喫茶店でゆっくりしてから仕事に行ってもいい。

家事も普通にできる方だし
生活リズムもしっかりしている方だから、
親がいてくれて有難かったんだなとは思っていたけれど
それほどには思っていなかった。

両親ともにきっとわたしのことをよくわかってくれていたから、
離れて暮らしていても2,3か月に1度、特別な用事のある時くらいしか連絡はしてこなかった。

ちょうど1年くらい前の初秋に
もめごとにあって仕事を辞めて、
それからはまたずっと実家に帰ってきていた。
仕事辞めて半年は心が泥々でチクチクで雑巾みたいだったけど、
ちょっとずつ自分を取り戻して、
その後は実家を拠点に旅するような感じで過ごしている。


この帰ってきた1年間で、親との関係性はどちらかというと良い方向に
深みを増していったと思う。
それまでは
「わたしのしたいことに理解を示してくれない親」
「わたしと価値観を共有できない親」
「思いやれない、仲のよくない両親」
という部分も大きかったけれど、
「守ってくれている親」としての存在を、
やっと心から認識できるようになった。
もう生まれて26年も経ったのに、やっと。

この夏は
1か月半くらい西日本をバックパック旅してて、
先週1週間は関西の実家に帰って来て、
今度はまた佐賀に来ていて
今日が5日目です。

今回佐賀に夜行バスで出発する日、
母は仕事に行く前に、後ろからハグしてくれました。
父は普段そういうことを言わないのに
朝家を出る前に
「今日は駅まで送っていくから!」
と言って、早く仕事から帰ってきて車で送ってくれました。
バスが出発するまで見送ってくれました。
わたしが手を振ってるのに、全然気づいてなかったけど。

出発前にそういうことがあったからか、
この数年でわたしも両親も心が成熟したからか、
夜行バスに乗る前しばらくは目がしばらくうるうるしました。
バスが出発してすぐ持って来ていたおにぎりを食べながら
もうじき移住する場所が決まって
実家とも遠くなるのかな~、
と考えました。
両親も、もうすぐわたしがまた実家という拠点から離れていきそうなこと、
感じ取ったのかもしれないな。

「かわいい子には旅をさせよ」
とはよく使われるフレーズですが、
子どもにとってだけではなくて親のためにも、
旅をさせるのは良いことなんだろうと思います。
旅をさせるというのは
少々危険があるかもしれないけど親の手から離れてそれをサバイブしてみるという意味と、
旅をして色々な世界を見聞きして視野をを広げる、経験を深めるという意味と、
それに加えて親子の距離を取る良い時間になるという意味もあるんだろうと思います。

いままで生きてこられて、本当に良かった。

感謝して、素直に謙虚に生きたい。

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