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アメリカにMBA留学した時のお話(その4)

海外大学院留学候補生に決定した連絡があった数日後、人事部主催の、留学候補生ガイダンスが行われました。

このガイダンスでは、

  • 今後の大学院受験に向けた準備~合格までの流れの説明

  • 社外から招かれた留学大手予備校講師による、同校が提供しているカリキュラムの紹介

がありました。

このガイダンスの場で初めて、自分以外の誰が候補者に選ばれたのかが分かりました。

確か、私を入れて7、8名だったと思います。

その内半数がMBA志望、残りは理系大学院とロースクール(法科大学院)志望者でした。

1.人事部からの説明

人事部担当者によると、これから欧米の各大学院に出願する為に必要となるテスト(TOEFL、GMAT、GRE)の受験料と、これらのテスト対策や出願、インタビュー準備のための留学予備校代を会社が一定額まで負担してくれるとのことでした。

テストの種類について簡単に補足すると以下の通りです。なお、詳細については必要に応じてウェブでご確認ください。

TOEFL(Test Of English as a Foreign Language):英語圏の大学へ留学・研究を希望する者を主な対象とした英語能力を測定するテスト

現在のテスト形式は、2005年より開始されたiBT(アイビーティー、Internet-Based Testing、TOEFL iBT)というComputer Based Testingである。
リーディング(Reading)、リスニング(Listening)、スピーキング(Speaking)、ライティング(Writing)の4部から構成されており、試験時間は約3時間である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/TOEFL

なお、私がビジネススクールの受験準備をしていた頃のテスト形式はCBT(Computer Based Testing)という形式で、スピーキングはなく、合計点は300点満点でした。

GMAT(Graduate Management Admission Test):欧米のビジネススクール(経営大学院)を受験する場合に必要となるテスト

大学院レベルにおいてビジネスを学ぶために必要な分析的思考力、言語能力、数学的能力を測るための試験。
試験内容は大きく分けて、分析的論述(AWA, Analytical Writing Skill)、言語能力(Verbal Section)、数学的能力(Quantitative Section)から構成される。

試験は世界110ヶ国、約470の常設試験会場においてコンピュータを用いて行われ、実質の試験時間は約3.5時間である。年間5回まで受験できる。
800点満点であり、(中略)欧米の「トップスクール」と称されるビジネススクールでは例外なく600点台後半以上のスコアが求められる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Graduate_Management_Admission_Test

GRE(Graduate Record Examination):欧米の理系大学院を受験する場合に必要。

アメリカ合衆国やカナダの大学院へ進学するのに必要な共通試験である。
部門は
Analytical Writing - 論文(以下 Writing)
Verbal Reasoning - 英語(以下 Verbal)
Quantitative Reasoning - 数学(以下 Quantitative)
がある。受ける順序は通常 Writing から始まり、Verbal、Quantitative、Verbal か Quantitative、Verbal、Quantitative の順で Quantitative か Verbal のどちらかが2度行われる。
試験時間は各個人と試験構成によって異なるが、通常5 - 6時間程度である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/GRE

これらのテスト、今から約20年前に私が受験していた頃でも結構高かった記憶があり、1回受験すると1万円以上掛かったような気がします。(うる覚えで済みません・・・)

因みに、2022年ですと、TOEFLが1回あたりUS$245、GMATはUS$250もするのですね!(円安の日本人にとってはこのテスト2つを1回受けるだけで7万円以上もするのかぁ💦無茶苦茶高いっ!)

当時は今に比べると受験料は安かったですが、それでもその金額を工面したり、予備校代を捻出するのに苦労しました。(会社から補助される上限額は直ぐ超えてしまうので、その後は乗っていた車を手放し、売ったお金で予備校に行きました。)

2.留学大手予備校講師によるカリキュラム説明


第二部は、留学大手予備校講師による、同校のカリキュラム説明(つまり勧誘です)でした。

説明者は長身の欧米人で、勿論説明は英語のみです。
早口の英語の説明に私の耳は追いついて行けず、内容が良く分かりませんでした。

ひとしきり説明が終わると、その外国人講師が「何か質問はありませんか?」と英語で問いかけました。

すると、すかさず候補生の1人が手を上げ、流暢な英語で質問をしました。内容までは覚えていませんが、この光景を見て私は度肝を抜かれ、

「こんなに英語が出来る者でもこれから受験勉強をしなければ合格しないのでは、自分など到底受かるはずがないじゃないか・・・」

と、出鼻から自信を喪失し、こんなにも格差のある自分がなぜこの場に居るのか、とても場違いに感じました。

3.留学予備校探し

このガイダンスの後、状況を”英国帰りのインテリ係長”に伝えると、彼は、別の部署に所属する、イギリス留学繋がりの社員を紹介してくれました。

と言うのも、当時私はアメリカではなく、イギリスのとあるビジネススクールへの留学を目標にしていたからです。(結局その大学院を受験できるまでのテストスコアが出なかったため断念しましたが。)

この頃には、”英国帰りのインテリ係長”は最初の印象と異なり、私に対してとても親切に側面支援をしてくれるようになっていました。

また、ガイダンスで顔見知りになったMBA留学候補者の1人に、仕事上付き合いのある人物がいたため、留学準備のためのお薦めの予備校を教えてもらいました。

4.違和感を感じた予備校

その予備校は、アメリカ人の老夫婦が個人経営している塾で、特にご主人の方は日本政府高官の通訳を務めるほどの重鎮でした。

この塾の授業は私が想像していたような、何か教材を買わせられて、ひたすら過去問を解き、その解説が行われるような、典型的な受験対策予備校ではありませんでした。

英語の意味を英語で説明し、ボキャブラリを増やすと共に、英語によるコミュニケーション力を強化していく、独特なスタイルの授業を行っていました。

私にその予備校を教えてくれた人物と、もう一人の留学候補者が既にその塾に通っているとのことで、ある日体験授業に行ってみると、小規模グループでこじんまりとしていてアットホームな雰囲気でしたが、何となく、「ここではテストの点数は上げられないかも。」と直感的に思いました。

それでも、私以外の留学候補者2名はこの塾を絶賛していたため、私も試しに入塾してみましたが、その塾で指定されたTOEFLの教材をこなしていっても、授業とはほぼリンクしていないため、力が付いたと実感できませんでした。

そんな半信半疑な状態で初回のTOEFLを受験した時は、本当にどうしようもないほど最悪のスコアでした。

私が直感的に思った、「ここに通い続けても恐らくテストのスコアは上がらないだろう。自分にはこの塾は合わない」というものが、悪い意味で裏付けられたのでした。

本業である本社の仕事も忙しく、その片手間の留学用テストの準備で、毎日睡眠時間が4時間程度の寝不足の日々が続きました。

そして、ある日、私の体は蓄積した疲労に耐えきれなくなり、危険信号が発せられたのです。

この続きは、また後日お話します。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。



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