平和ってね
【要約:僕は思うんだ。一番大切なものは「心の中」の平和じゃないだろうかって。平和は、僕たちの心の中に生きていて、大きく成長していくものだ。僕たちは、丈夫な木のように大切にそれを育てていこう。平和は、僕たちの足許から、僕たちと共に歩み始めるのだから。】
ずいぶん前に買った写真絵本なのですが、
とても気に入っているので、以下に紹介します。
キャサリン・スコールズ/上遠恵子・訳+田沼武能・写真
『平和へ』(原題:PEACETIMES)、岩崎書店(1995年刊)、1800円(税抜)
-----引用開始-----
ぼくは思うんだ。
たくさんのほしいもののなかで いちばんたいせつなものは、
「心のなか」の平和じゃないかって。
いろいろな学問や宗教も、結局は、
そういう「心のなか」の平和を教えてくれるものなんじゃないかな。
戦争と戦争のあいだにあるのが 平和ではない。
また、なんにも起こらない おだやかなことが 平和ともいえない。
平和は、ぼくたちの 心のなかに生きていて、
大きく成長していくものなんだ。
ぼくたちは、それをたいせつに、じょうぶな木のように 育てていこう。
平和は ぼくたちの足もとから、
ぼくたちとともに 歩みはじめるのだから。
-----引用終了-----
新しくブログを公開した時には、手始めにこの本の引用から始めることにしています。
今回notoを再開するに当たって、あらためて本書を紹介することにします。
以前某所にアップした内容を少し直してアップします。
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静かなゆっくりとした語り口で子どもに伝える平和についての力強い言葉。本書を「子ども向き」と侮ってはいけない。紛争解決から心の平和、環境問題等々といった具合に、平和に関するすべてのテーマを、子どもの喧嘩などの次元に還元して分りやすく説明してくれる。しかし、大人が読むと意外とむずかしい。いや、読めば読むほどむずかしく感じる。
もちろん内容もさることながら、訳者によるとてもこなれた訳文と、写真家の田沼武能さんの写真が活き活きとそれを視覚化してくれる。実際にこの本を声を出して読んでみると(大体15分程度で読み上げられる)、そのよさが実感できる。ちなみに私の母校であるキリスト教主義の平和学園小学校では、最近は3日にわたる「平和をともに」という集いがあり、そこでこの絵本を用いた礼拝用にこの本が取り上げられたことがあるそうだ。たしかに声を出して読み上げたあと、ひと言アーメンと唱えて祈りを捧げたくなる。そんな雰囲気を持った本だ。
※一時品切れだったようだが、どうやら重版されたようです。とてもよい本なので、興味のある人は是非おんで下さいネ。
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