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市民連合 次期衆院選に向け野党候補の一本化を要望

 野党共闘を後押しする「市民連合」は19日、「立憲野党」への政策要望書=政策ビジョン提案「いのちと人間の尊厳を守る『選択肢』の提示を」を発表した。25日の午前・午後には、次期衆院選に向けた準備行動として、立憲民主、共産、社民各党に対する要請を行った。

 同日夕方には記者会見を行い、国民民主党、れいわ新選組、碧水会、沖縄の風への要請について、現在日程を調整中であること、実施次第、同会のホームページで報告することを明らかにした。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、「衆議院選挙の公示までには、わかりやすい選択肢を示していきたい」と語り、要望書の「方向性はあっており、あとはスピード感の問題だ。実際にはすぐできないものもあるが、今は大きな方向性を共有していくことが大切だと考えている」とした。また、「今回の衆議院選挙に向けては、大きな理念を共有して進めていきたいので、この『要望書』もふまえながら、国会の内と外で連携して選択肢づくりを進めていきたい」と述べた。

 共産党の志位和夫委員長は「新自由主義による自己責任の押し付けではなく、命と暮らしを守っていこうという理念・方向性は私たちも共有している」と述べて、15項目の内容について全面的に賛成であると表明した。また、憲法の問題について、菅政権になっても引き続き改悪に向けた動きを阻止していく必要があることなどを指摘し、要望書の各論についても共有できるとした。

 社会民主党の福島みずほ党首は、「『いのちと人間の尊厳を守る』という政治の方向性について、明確な提示をいただいた。今回の『要望書』は、とりわけ、グリーンリカバリーやジェンダー平等など、コロナ後の社会の『選択肢』として、重要な政策が盛り込まれている」と要望書の内容を評価した。さらに「社民党はこれまで、全国各地で野党共闘の下支えをしてきた。今回の要請をしっかり受けとめ、『選択肢』をしっかり示せるように頑張っていきたい」との考えを示した。

 政策要望書は四つの柱を立て、15項目に整理している。

■四つの柱
(1)憲法に基づく政治と主権者に奉仕する政府の確立
(2)生命、生活を尊重する社会経済システムの構築
(3)地球的課題を解決する新たな社会経済システムの創造
(4)世界の中で生きる平和国家日本の道を再確認する

■15項目
 1.立憲主義の再構築
 2.民主主義の再生
 3.透明性のある公正な政府の確立
 4.利益追求・効率至上主義(新自由主義)の経済からの転換
 5.自己責任社会から責任ある政府のもとで支えあう社会への転換
 6.いのちを最優先する政策の実現
 7.週40時間働けば人間らしい生活ができる社会の実現
 8.子ども・教育予算の大胆な充実
 9.ジェンダー平等に基づく誰もが尊重される社会の実現
 10.分散ネットワーク型の産業構造と多様な地域社会の創造
 11.原発のない社会と自然エネルギーによるグリーンリカバリー
 12.持続可能な農林水産業の支援
 13.平和国家として国際協調体制を積極的に推進し、実効性ある国際秩序の構築 をめざす
 14.沖縄県民の尊厳の尊重
 15.東アジアの共生、平和、非核化

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* 市民連合 *
立憲野党の政策に対する市民連合の要望書
いのちと人間の尊厳を守る「選択肢」の提示を
https://bit.ly/3j7ySMT

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YouTube 市民連合からの政策要望書受け取り 2020.9.25(日本共産党)

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【関連記事】
衆院選、野党一本化へ要望 市民連合 時事通信 2020年09月25日

 市民連合の山口二郎法政大教授は記者会見で「野党候補の一本化を実現したい。(要望書は)そのためのプラットフォームだ」と強調した。国民民主党やれいわ新選組にも手渡す予定。

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【関連記事】
野党による政権交代を 4柱・15項目 「市民連合」が要望書 しんぶん赤旗 2020年9月22日

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【関連記事】
立憲民主党、日本共産党、社会民主党に「立憲野党の政策に対する市民連合の要望書」を手交、政策実現にむけた要請を行いました(市民連合)2020年9月25日


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立憲野党の政策に対する市民連合の要望書

2020年9月19日

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はじめに

 私たち、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合は、2015年の安保法制反対運動以来、憲法に基づく政治を求めてきた。しかし、法と道理をわきまえない安倍晋三政権およびその継続を公称する菅義偉政権の下で新型コロナウイルスの蔓延を迎える状況となった。人間の尊厳を顧みず、為政者の自己正当化のために情報を隠蔽してきた安倍・菅政権の対策が的外れであることは、必然の帰結である。我々は今までの運動の延長線上で、法と道理に基づいて人間の生命と尊厳を守る政治を確立するために運動を深化させなければならない。そして自民党政権に代わり、新しい社会構想を携えた野党による政権交代を求めていきたい。

 政治の最大の使命は、いのちと暮らしの選別を許さないことにある。新型コロナウイルスの危機のさなか、医療、介護、福祉など「この人たちがいないと社会は回らない」エッセンシャルワーカーたちが注目を浴びた。と同時に、このエッセンシャルワーカーたちが、この30年間の「小さな政府」や「柔軟化」を旗印とする雇用破壊によって、過酷な労働を強いられてきたことも明らかになった。彼ら・彼女らの過酷な状況は、一部の企業に富を集中する一方で働く人々に貧困と格差を押し付けてきたこれまでの経済システムの象徴である。個々の人間の尊厳、およびジェンダー平等はじめ互いの平等という基本的価値観の上に立ち、このシステムを転換し、社会を支える人々の尊厳を守ること、さらにすべての働く人々が人間らしい生活を保障されることを、新しい社会像の根幹に据えなければならない。

 次期総選挙は、自民党政権の失政を追及する機会であると同時に、いのちと暮らしを軸に据えた新しい社会像についての国民的な合意、いわば新たな社会契約を結ぶ機会となる。野党各党には、この歴史的な転換を進めるべく、以下の政策について我々と合意し、国民に対して選択肢を提示し、その実現のために尽力するよう要望する。

Ⅰ 憲法に基づく政治と主権者に奉仕する政府の確立

 1.立憲主義の再構築

 公正で多様性にもとづく新しい社会の建設にむけ、立憲主義を再構築する。安倍政権が進めた安保法制、特定秘密保護法、共謀罪などの、違憲の疑いの濃い法律を廃止する。自民党が進めようとしてきた憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くす。

 日本国憲法の理念を社会のすみずみにいきわたらせ、公正で多様な社会を求める市民、企業、団体との連携をすすめ、安倍政権で失われた民主主義の回復に取り組んでいく。

 2.民主主義の再生

 主権者が、自分たちの生きる公共の場をどのように作り出すか自由闊達に議論し、決めていくという民主主義を取り戻す。そのために、国会の行政監視機能の強化、選挙制度の見直し、市民参加の制度の拡充、学校教育における自由な主権者教育を実現する。

 また、地方自治体の自由、自立を確保するために、中央省庁による無用な制度いじり、自治体の創意工夫を妨げる統制、操作、誘導を排し、一般財源を拡充する。

 3.透明性のある公正な政府の確立

 安倍政権下ですすんだ官邸主導体制の下で、権力の濫用、行政の歪みが深刻化している。政府与党による税金の濫用や虚偽、隠蔽により生じた市民の政府への不信の高まりが、効果的な新型コロナウイルス対策を妨げている。

 透明性のある公平な行政の理念のもと、科学的知見と事実に基づく合理的な政策決定を確立し、政策への信頼を取り戻すことが求められている。内閣人事局の改廃を含め、官僚人事のあり方を徹底的に再検討する。

 一般公務員の労働環境を改善し、意欲と誇りをもって市民に奉仕できる体制を確立する。国民の知る権利と報道の自由を保障するために、メディア法制のあり方も見直し、政府に対する監視機能を強化する。

Ⅱ 生命、生活を尊重する社会経済システムの構築

 4.利益追求・効率至上主義(新自由主義)の経済からの転換

 新型コロナウイルスの危機は、医療、教育などの公共サービスを金もうけの道具にしてきた従来の改革の失敗を明らかにした。医療・公衆衛生体制、労働法制、教育政策等への市場原理の導入により、社会的な危機が市民の生活の危機に直結する事態が生じている。

 信頼できる有能・有効な政府を求める世論の要求は高まっている。利益・効率至上主義を脱却し、国民の暮らしと安全を守る新しい政治を目指していく。

 5.自己責任社会から責任ある政府のもとで支えあう社会への転換

 小さな政府路線と裏腹の自己責任の呪縛を解き、責任ある政府のもとで支えあう社会をめざす。新しい社会をつくりあげるために、財政と社会保障制度の再分配機能を強化する。

 消費税負担の軽減を含めた、所得、資産、法人、消費の各分野における総合的な税制の公平化を実現し、社会保険料負担と合わせた低所得層への負担軽減、富裕層と大企業に対する負担の強化を図る。

 貧困対策においては、現金・現物の給付の強化と負担の軽減を組み合わせた実効的対策を展開し、格差のない社会をめざす。

 6.いのちを最優先する政策の実現

 新型コロナウイルスとそれに伴う経済危機による格差の拡大を阻止するための政策が求められている。医療・公衆衛生体制に国がしっかりと責任をもち、だれでも平等に検査・診療が受けられる体制づくりをめざす。

 感染対策に伴う社会経済活動の規制が必要な場合には、労働者、企業への補償に最優先の予算措置を講じ、公平性、透明性、迅速性を徹底する。

 7.週40時間働けば人間らしい生活ができる社会の実現

 先進国の中で唯一日本だけが実質賃金が低下している現状を是正するために、中小企業対策を充実させながら、最低賃金「1500円」をめざす。

 世帯単位ではなく個人を前提に税制、社会保障制度、雇用法制の全面的な見直しを図り、働きたい人が自由に働ける社会を実現する。

 そのために、配偶者控除、第3号被保険者などを見直す。また、これからの家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充する。

 8.子ども・教育予算の大胆な充実

 出産・子育て費用の公費負担を抜本的に拡充する。保育の充実を図り、待機児童をなくし、安心して働ける社会を実現する。教育予算を拡充し、ゆとりある小中高等学校の学級定員を実現する。

 教員や保育士が安心して働けるよう、待遇改善をすすめる。教育を受ける機会の平等を保障するために、大学、高専、専門学校に対する給付型奨学金を創設するとともに、大学、研究機関における常勤の雇用を増やす。

 学問の自由の理念の下、研究の自立性を尊重するとともに、政策形成に学問的成果を的確に反映させる。

Ⅲ 地球的課題を解決する新たな社会経済システムの創造

 9.ジェンダー平等に基づく誰もが尊重される社会の実現

 雇用、賃金、就学における性差別を撤廃し、選択的夫婦別姓を実現し、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加する当然の権利を保障する。

 政治の世界では、民主主義を徹底するために議員間男女同数化(パリテ)を実現する。人種的、民族的差別撤廃措置を推進する。LGBTsに対する差別解消施策を推進する。

 これらの政策を通して、日本社会、経済の閉塞をもたらしていた政治、経済における男性優位の画一主義を打破する。

 10.分散ネットワーク型の産業構造と多様な地域社会の創造

 エネルギー政策の転換を高等教育への投資と結びつけ、多様な産業の創造を支援する。地域における保育、教育、医療サービスの拡充により地域社会の持続可能性を発展させる。

 災害対策、感染対策、避難施設の整備に国が責任をもつ体制を確立する。中小企業やソーシャルビジネスの振興、公共交通の確保、人口減少でも安心して暮らせる地域づくりを後押しする政策を展開する。

 11.原発のない社会と自然エネルギーによるグリーンリカバリー

 地球環境の危機を直視し、温暖化対策の先頭に立ち、脱炭素化を推進する。2050年までに再生可能エネルギー100%を実現する。福島第一原発事故の検証、実効性のある避難計画の策定をすすめる。

 地元合意なき原発再稼働は一切認めない。再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発のない分散型経済システムをつくりあげる。

 12. 持続可能な農林水産業の支援

 農林水産業については、単純な市場原理に任せるのではなく、社会共通資本を守るという観点から、農家戸別補償の復活、林業に対する環境税による支援、水産資源の公的管理と保護を進め、地域における雇用を守り、食を中核とした新たな産業の育成を図る。また、カロリーベースの食料自給率について50%をめどに引き上げる。

Ⅳ 世界の中で生きる平和国家日本の道を再確認する

 13. 平和国家として国際協調体制を積極的に推進し、実効性ある国際秩序の構築をめざす。

 平和憲法の理念に照らし、「国民のいのちと暮らしを守る」、「人間の安全保障」の観点にもとづく平和国家を創造し、WHOをはじめとする国際機関との連携を重視し、医療・公衆衛生、地球環境、平和構築にかかる国際的なルールづくりに貢献していく。

 核兵器のない世界を実現するため、「核兵器禁止条約」を直ちに批准する。国際社会の現実に基づき、「敵基地攻撃能力」等の単なる軍備の増強に依存することのない、包括的で多角的な外交・安全保障政策を構築する。自衛隊の災害対策活動への国民的な期待の高まりをうけ、防衛予算、防衛装備のあり方に大胆な転換を図る。

 14. 沖縄県民の尊厳の尊重

 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行う。普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進める。

 日米地位協定を改定し、沖縄県民の尊厳と人権を守る。さらに従来の振興体制を見直して沖縄県の自治の強化をめざす。

 15. 東アジアの共生、平和、非核化

 東アジアにおける予防外交や信頼醸成措置を含む協調的安全保障政策を進め、非核化に向け尽力する。東アジア共生の鍵となる日韓関係を修復し、医療、環境、エネルギーなどの課題に共同で対処する。

 中国とは、日中平和友好条約の精神に基づき、東アジアの平和の維持のために地道な対話を続ける。日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止向けた多国間対話を再開する。

以 上

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【おすすめ番組】
「ETV特集」基地の街にロックは流れて~嘉手納とコザの戦後史~

(NHKEテレ1・東京)9月26日(土)午後11:00~午前0:00(60分)
(NHKEテレ1・東京)10月1日(木)午前0:00~午前1:00(60分)

 沖縄市コザ。去年、あるライブハウスが復活。オーナーはロックミュージシャンの宮永英一さん(69歳)。嘉手納基地からベトナムなど戦地に向かうアメリカ兵の前で演奏してきた。今、宮永さんは平和への願望などアメリカ兵が曲に託した想いを観客に語り、町の歴史を伝えようとしている。基地に土地を奪われた住民、アメリカ兵相手のバーの元従業員、反戦を訴えたアメリカ兵など様々な人生が交錯した町の戦後史を描く。語り:Cocco

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([PEACE_FLASH]2020/09/26 2643号より)
■[PEACE_FLASH]note版■


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