ひきこもり少女、ルービックキューブで国を救う 〜回転速度はステータス依存!?〜 (AI小説)
ChatGPTのo1モデルでこんな風なプロンプトを入れて、実際には1万文字以上の小説を生成してもらいました。すぐるさんの投稿とIT naviさんの記事を参考にしました(そのまま流用させていただいております)。タイトルについても、もちろんChatGPTのo1モデルに考えてもらいました。それでは物語を、お楽しみください。
【タイトル】
ひきこもり少女、ルービックキューブで国を救う 〜回転速度はステータス依存!?〜
第一章:引きこもり少女、召喚される
部屋のカーテンは閉め切られ、薄暗い室内には散乱した漫画本とゲームのパッケージが山を築いている。その中心で、佐伯(さえき)ユリカは布団にくるまってスマホ画面を睨みつけていた。高校生になってから既に半年以上、彼女は学校へ行っていない。成績は悪くないし、いじめに遭ったわけでもない。ただ、彼女は外の世界と関わることをひどく億劫に感じ、いつの間にか引きこもりになっていたのだ。親は最初こそ心配していたが、今や半ば放棄気味で、ユリカには広い一軒家の二階でひたすら消費されない時間があった。
ユリカには一つだけ特技があった。それはルービックキューブである。人見知りな彼女が中学生の頃、たまたま買い与えられたルービックキューブを、ただひたすらネット動画で解法を学び、指先でカチカチと回転させることで、ユリカは幾許かの心の安定を得ていた。最初は面を揃えるのに数分かかっていたが、気づけば世界記録並みの数秒単位で揃えてしまうほどの手際になった。もっとも、彼女はその才能を世に示そうなどとは思わず、ひたすら薄暗い部屋で回し続けているだけだ。
そして、その日もいつものように布団の中で空回りしているような日常だった。
「……今日も特に何もないな」
ユリカはルービックキューブを手に取り、軽く回してみる。ピタリ、と回転したカラフルな面が揃う。その刹那、窓の外で奇妙な光が瞬いた。気のせいだと思い、彼女はもう一度ルービックキューブをカチリ。すると、今度は部屋全体が淡い緑色の光に包まれたではないか。
「な、なに?」
慌てて目を凝らすと、部屋の中心に奇妙な魔法陣のような紋様が浮かんでいる。目を疑うユリカだが、確かに床の上に発光する魔法陣があり、その光はルービックキューブを揃えた瞬間とシンクロするかのように強くなっている。
「夢、かな……?」
彼女は頬をつねる。痛い。夢ではなさそうだ。
突然、魔法陣から伸びる緑色の線がユリカの手首を掴み、強引に彼女を中心へと引きずり込む。抵抗する間もなく、ユリカの視界はぐるりと歪んだ。
次にユリカが目を覚ましたのは、広大な草原の上だった。見渡す限りの青空、そして草むら。風が心地よい。いつもの湿っぽい部屋の空気とは全く違う。彼女は戸惑い、そして自分が手に持っていたルービックキューブを確認する。確かに、さっき自室で持っていたものだ。次に自身の身体に触れる。パジャマ姿だが、少なくとも裸足ではない。まるで異世界転移したみたい――そう思った瞬間、彼女の目の前に半透明の小さなウィンドウが出現した。
【ようこそ『アルタ=リベリオン』の大地へ!
あなたは召喚によって招かれました。
召喚者:王国魔術師ギルド
役割:国難を救う救世主】
「きゅ、救世主……?」
引きこもりの自分が、国を救う? 冗談だろう。だが、目の前の情報ウィンドウは確かにそう告げている。ユリカは混乱と恐怖、そして少しの好奇心を抱きながら立ち上がる。すると遠方から一行が馬に乗って駆け寄ってくるのが見えた。鎧をまとった兵士らしき人たちと、ローブを羽織った魔術師らしき人物が先頭にいる。
「そこの娘! そなたが召喚に応じたのか?」
先頭の魔術師が興奮気味に声を張り上げる。ユリカは言葉に詰まるが、どうやら自分は本当にこの世界へ呼び出されたらしい。
「え、えっと……私が?」
魔術師たちは頷き、ユリカが手に持つルービックキューブに目を奪われた。
「その神具……『六面彩回転方陣(ろくめんさいかいてんほうじん)』! それこそが、伝承にある救世主の証!」
まさかルービックキューブがここで『神具』扱い? ユリカは更に混乱する。
こうして、引きこもり少女・佐伯ユリカは訳もわからぬまま異世界へと転移し、国を救う使命を負わされた。
彼女はまだ知らない。あのルービックキューブが、この異世界において彼女のステータス、ひいてはこの大地の運命を左右する鍵となることを――。
第二章:ルービックキューブとステータス異世界
王都へと通じる道中、ユリカは馬車に揺られながら、半透明のステータスウィンドウをじっと眺めていた。緑色の文字で、彼女の名前やレベル、謎めいたパラメータが記されている。
【名前:佐伯ユリカ
職業:召喚者(キューブハンドラー)
レベル:1
STR:5
DEX:12
INT:14
AGI:10
LUK:2】
どうやら彼女には「キューブハンドラー」という職業が与えられているらしい。聞きなれない言葉だが、この異世界にはさまざまなジョブが存在するのだろう。戦士、魔法使い、僧侶、盗賊……といった定番があるかもしれないが、ユリカのものは特殊であり、その能力はルービックキューブ――いや、「六面彩回転方陣」に依存するようだ。
「ユリカ様、私が王国魔術師ギルドの副長、マリルと申します。」
隣で揺られるローブ姿の女性が丁寧に頭を下げる。年は二十代半ばほどか、知的な雰囲気だ。
「この度は急な召喚に応じてくださり、本当にありがとうございます。この国は今、魔族の脅威に晒されており、救世主を求める儀式を行った結果、貴女をお招きすることになりました。」
マリルは申し訳なさそうに語るが、ユリカ自身は勝手に召喚された立場である。感謝されても困惑するばかりだ。
「え、でも私はただの……」
「いいえ、その神具を扱えるのは伝説の『立体彩回転士』のみ。その能力は、魔族に対抗するための最後の切り札になると信じられています。」
ユリカはルービックキューブを見つめる。確かに、ただの玩具としか思えないが、この世界では特別な意味を持つらしい。彼女が立体彩回転士――つまりは、キューブハンドラーとして認識されているなら、その力を試す場面もあるに違いない。
王都に到着すると、石畳の道が続き、白亜の城壁が陽光を反射して美しく輝いていた。市井の人々は混乱と不安を抱えているらしく、彼らの表情には影があった。噂話によれば、近くの森には魔物が増え、農地を荒らしているらしい。
まずは王城へと案内されるユリカ。豪華なホールには騎士団長や大臣、魔術師長などが並び、玉座にはまだ若い王が座っている。王は苦渋の面持ちでユリカを見つめ、軽く頷いた。
「そなたが救世主か。すまないが、今の我が国には頼れる存在が必要なのだ。」
ユリカは緊張で声が出ない。だが、周囲は彼女に期待を寄せている。
「わ、私に何ができるんでしょう……」
おずおずと問いかける。
「そなたの手にある神具は、回転させることで使用者のパラメータを増減させ、さらには特殊な魔術的効果を発揮すると伝えられている。我々はその効果を研究してきたが、真の使い手がいなければ発動しなかった。」
魔術師長が説明する。どうやら、キューブの面を揃えることで、何らかの恩恵が得られるようだ。
ユリカは試しにキューブを軽く回してみる。カチリ、カチリと面を揃え、ひとつの面を統一する。すると、ウィンドウに変化が起こった。
【AGIが+3されました】
【LUKが+1されました】
「な、なにこれ?」
驚きの声を上げるユリカに周囲がどよめく。やはり伝承は本当だったのか。
「すごい……! やはり本物だ!」
「これで魔物に対抗する力が得られる!」
しかし、キューブの面を揃えるだけでステータスが変わるとは奇妙だ。さらに、このキューブには複数の揃え方があり、そのパターンによって上がる能力が変わるらしい。ユリカは元来、引きこもってはいたが、ルービックキューブに関しては天才的な速度と多彩な解法を身につけていた。もしそのセンスを活かせるならば、この国を救う鍵となるだろう。
だが、ユリカには戸惑いも大きい。なぜ自分がこんなところに? 学校も行っていない平凡な高校生が、いきなり国を救えなんて言われても困る。だが、彼女の不安をよそに、周囲は盛り上がっている。
「まずは訓練所でそのキューブを使いこなしてもらいましょう。」
王はそう命じ、ユリカは魔術師ギルドへの居住と訓練が許された。与えられた部屋は清潔で明るく、窓の外には中庭が広がっている。
――そう、ここはもうあの暗い部屋ではない。ユリカはまだ心が追いつかないが、この異世界で何ができるのか、試してみるしかなかった。
第三章:回転速度を鍛える日々
魔術師ギルドに用意された部屋には、簡素な机とベッド、そしてルービックキューブ研究用の立派な棚があった。ユリカはその棚にいくつかの参考資料を見つける。古びた巻物や書物が積まれ、そこには「六面彩回転方陣」に関する伝説や、使用例が記されていた。
「ええと……どうやら、揃える面の色や回転パターンで上がるステータスが違うのか。」
ユリカは独りごちる。たとえば赤面を揃えると攻撃力(STR)が上がり、青面は素早さ(AGI)、緑面は魔力(INT)、黄色面は幸運(LUK)、オレンジ面は器用さ(DEX)、白面は耐久力(VIT)といった具合に、それぞれの色に対応したパラメータがあるらしい。もっともユリカが現在持つキューブは通常の6色と同じように見えるが、この世界ではその色配置に魔力が込められているのだろう。
訓練場ではマリルが指導役を務めた。丸太を積んだ的や、魔力測定用のクリスタルが並ぶ。ユリカは何度もキューブを回し、最適な揃え方を追求していく。
「……ここをこう回せば3手で青面揃い、AGI上昇が狙えるか……」
カチカチカチ、ユリカの指先が走る。その回転は、元の世界で世界記録級の素早さだったが、この世界の魔力干渉でさらに感覚が研ぎ澄まされている気がする。
「ユリカ様、とても器用ですね。普通は面を揃えるのに時間がかかるのですが……」
マリルが感心する。まるで呼吸をするように当たり前に面を揃えるユリカは、やはり特別な才能を持っているようだ。
ステータスが上昇すれば、ユリカ自身も体感できるほど身体が軽くなる。訓練場で木剣を振ってみると、以前より素早く、正確に動ける気がする。魔力を測るクリスタルに手をかざせば、キューブで緑面を揃えた後には淡い輝きが増す。つまり、キューブが彼女の潜在能力を一時的に引き出しているようなのだ。
しかし、持続時間があるらしく、一定時間が経過すると元のステータスに戻ってしまう。どうやら常時強化とはいかないようで、戦闘のたびに瞬時に揃え直し、必要な能力を引き出す必要があるらしい。これは実戦では大きな試練だ。高速で揃えるだけでなく、その場に応じた色の面を選び、最小手数で完成させなければならない。
「難しい……でも、私ならできるかも……」
ユリカは不思議な自信を感じていた。現実世界では何にも活かせなかったルービックキューブの才能が、ここでは国を救う力になりうる。そう思うと不思議と力が湧いてくる。
訓練は数日続いた。その間にユリカは微妙な手順や手筋を覚え、「素早く揃えるだけ」でなく「目的の色面を最短手数で作り出す」テクニックを磨いていく。戦士たちや魔術師が見守る中、彼女の指は日のごとに洗練され、呼吸のリズムで面が揃うようになった。
ある日の夕刻、ユリカは中庭で休憩していた。ふと空を見上げれば、遠方には不穏な黒雲がかかっている。あれは魔族が潜む森の方向だろうか。住民たちが怯えるのも無理はない。魔物の襲来は増え、近隣の村では被害が出始めていると聞く。近々、ユリカも実戦に駆り出されるに違いない。
「私は、ちゃんと戦えるのかな……」
不安な気持ちが胸を突く。いくらキューブでステータスを上げられても、彼女は素人だ。剣も振ったことがないし、魔法もまともに使えない。ただキューブを回すだけで戦場を渡り歩けるものなのか。
「ユリカ様。」
マリルが声をかける。
「近々、小規模な魔物討伐が行われます。訓練の成果を試すいい機会かもしれません。よろしければ、ご同行を。」
恐らくこれが最初のテストだ。ユリカは唾を飲み、震える声で頷いた。
「わかりました……行きます。」
そう、逃げ出すことはできない。ここは異世界で、彼女は救世主として召喚されたのだ。自分を召喚した人々を裏切って、また引きこもっても何にもならない。
彼女は握りしめたキューブを見つめ、ゆっくりと息を吐いた。
「やってみるしかない。」
ルービックキューブで世界を救う――その途方もない使命に、彼女は小さな決意を抱く。
第四章:王都の動乱とルービックキューブ選手権
ユリカが初めての実戦に臨むため、王城の一角に集まったのは戦士と魔術師、それに騎士団からの少数精鋭だった。森の入り口付近には下級魔物がうろついており、農民たちを脅かしている。彼女は腰には訓練で支給された短剣を差し、手にはもちろんキューブを持っている。
いざ戦闘が始まると、前衛の戦士と騎士が魔物を引きつけ、魔術師たちが火球や風刃で牽制する。ユリカは後衛からキューブを高速回転させ、まずは青面を揃えてAGIを上げ、素早く動き回る。次に赤面を揃えてSTRを底上げし、弱った魔物に短剣で一撃を加える。動きはまだぎこちないが、確かにキューブによる能力強化は有効で、普段ならとても敵わない魔物を倒すことができた。
「やりましたね、ユリカ様!」
マリルが声をかける。ユリカはほっと胸を撫で下ろした。しかし、いくつかの魔物を倒した後、森の奥から奇妙なうなり声が響く。次の瞬間、巨大なオーガが姿を現したのだ。赤い目をギラつかせ、手にした棍棒を振りかざす。
「嘘っ……大物が出てきた!」
周囲が動揺する中、ユリカは即座にオレンジ面を狙って揃える。器用さ(DEX)を上げ、正確なコンボを狙う。さらに緑面で魔力(INT)を強化し、マリルが渡してくれた簡易魔法道具を使い、風魔法でオーガの足下を狙う。足を取られたオーガがバランスを崩したところで、騎士たちが突撃し、弱点を貫く。
戦いは激しかったが、ユリカはキューブを巧みに回すことで状況に合わせた強化を与え、パーティ全体の戦力を底上げした。何とかオーガを撃退することに成功する。
「ユリカ様のおかげで助かりました!」
戦士が歓声を上げる。マリルも安堵の笑みを浮かべる。初陣は上々だ。ユリカは疲労で足下がふらつきながらも、確かな手応えを感じていた。自分にも人の役に立てる力がある。そう思うと、心に光が差したようだった。
王都に戻ると、人々からはユリカに対する期待の声が高まっていた。あの奇妙な立体パズルを自在に操り、魔物を退ける召喚者――彼女は瞬く間に話題となった。商人たちはこぞってキューブのお守りを模倣して売り出し、子供たちは紙で作った偽物のキューブを回して遊ぶ。ユリカが知らないうちに、彼女は人気者になりつつあった。
そんな中、王城にて不穏な動きがあった。王都では半ば余興のように「ルービックキューブ選手権」なる催しが計画されていると聞く。どうやら魔術師ギルドがユリカの才能を改めて検証し、国内の潜在的なキューブ使いを探すために企画したらしいが、その裏には闇の勢力が潜んでいるという噂が立っていた。
ユリカは今や国民の希望の星。しかし、彼女が特別であることに嫉妬や不信感を抱く者もいる。貴族の中には「異世界人」による支配を危惧し、ユリカを抹殺しようと企む陰謀家もいるとマリルは耳打ちしてくれた。
「くれぐれもお気をつけください、ユリカ様。」
マリルの目には懸念が浮かぶ。
ユリカは複雑な気持ちだった。人々の役に立てるのは嬉しいが、注目を浴びることで敵も増える。自分のような引きこもりが、こんなにも人々の思惑に翻弄されるとは……。
しかし、その「選手権」で新たなキューブパターンや強化技術が習得できるかもしれない。ユリカは参加を決意する。自分がここで認められれば、陰謀に対抗する後ろ盾が増えるかもしれない。
王都の中心広場に特設会場が設けられる。当日は人で溢れ返り、華やかな旗が翻る中、ユリカは控室でキューブを握っていた。彼女に挑むのは、国内外から集まった「立体回転使い」を名乗る者たち。中には魔法でキューブを浮かせて揃える者や、分身魔術で同時に二つのキューブを揃える者もいるという。
「異世界から来た救世主……どれほどの腕前か、見物だな。」
控室で聞こえる野次にユリカは身を竦める。だが、ここで萎縮していては何にもならない。自分には現実世界で培った高速解法がある。ステータス画面で回転速度がAGI依存だという噂もあったが、結局は指先の技術が物を言う。
そして、選手権が始まる――。ユリカは観衆の声援を背に、舞台上に立った。緊張で手が震えるが、深呼吸をしてキューブを手に取る。
「負けない……私には、この手がある。」
ここで結果を出せば、さらなる力を得て、国を救う道が開けるはずだ。
第五章:闇の魔術師との対峙、そして勇者の条件
ルービックキューブ選手権は、ラウンドを重ねるごとに難易度が増していく。最初は単純な揃え方でスピードを競うだけだったが、次第に複雑なパターンを要求され、さらには魔法による妨害や、足下が揺れる舞台上で揃えなければならないなど、異世界ならではのトリッキーな条件が付いてくる。
だが、ユリカは持ち前の集中力を発揮した。生来、周囲に溶け込むのが苦手だった彼女は、自室で一人没頭することで、どんな状況でもキューブに集中する技を身につけていた。たとえ周りで火花が散ろうとも、足下が揺れようとも、彼女の指先は正確に動く。次々と面を揃え、高速で回転させ、最短手数で目標を達成する。観客は熱狂し、対戦相手は驚愕した。
「なんだ、あの速度は……」
「まるでキューブと一体化しているようだ……!」
順調に勝ち進んでいたユリカだが、準決勝に差し掛かったとき、会場全体が奇妙な薄暗い靄に包まれた。観客席がざわつき、審判たちは困惑する。すると、舞台上に黒いローブを纏った魔術師が出現した。その瞳には赤い炎が揺らめいている。
「フフフ……これ以上好きにはさせんぞ、救世主。」
低い声が響く。周囲の魔術師たちが防御障壁を張るが、一瞬で打ち砕かれる。闇の魔力が蠢き、会場を恐怖が支配する。
「闇の魔術師……!」
マリルが叫ぶ。どうやら以前からこの国を狙っていた闇の勢力の一員らしい。
「貴様がルービックキューブの使い手か……この世界には不要だ!」
闇の魔術師は呪文を唱え、黒い球体をユリカに向けて放つ。ユリカはとっさにキューブを回し、AGIを上げて回避する。ぎりぎりで黒球をかわしたが、次々と闇の魔弾が襲う。
「くっ……!」
ユリカは立ち尽くすしかない。だが、ここで退くわけにはいかない。何とか反撃手段はないものか。INTを上げて魔力を得ても、ユリカは魔法を使いこなせない。STRを上げて物理攻撃をしても、闇の魔術師は簡単には倒せそうにない。
「ユリカ様、これを!」
マリルが舞台脇から投げ渡したのは、特殊な魔晶石。これを使えば、一時的に魔法を放てるという代物だ。ユリカはキューブでINTとDEXを上げ、魔晶石に魔力を注ぎ込む。狙うは魔術師の懐。
「えいっ!」
不可思議な風刃が放たれ、闇の魔術師はたじろぐ。
しかし、それだけでは倒せない。そこでユリカは策略を練る。キューブでLUKを底上げすれば幸運が上がる。運任せだが、何か好機が訪れるかもしれない。そう考え、黄色面を揃える。
すると、突如として舞台の照明が揺らめき、上部に吊られていた巨大な装飾が鎖から外れ、闇の魔術師の頭上へ落下する。彼は驚き、回避するがバランスを崩した。その一瞬を見逃さず、ユリカはINT強化状態で魔晶石に再度魔力を込める。
「これでっ!」
放たれた光の槍が魔術師の胸元を貫く。悲鳴とともに闇の気配は消え、舞台には静寂が戻った。
観客が息を飲む中、ユリカは膝から崩れ落ちた。魔力と気力を使い果たしたためだ。だが、彼女は闇の魔術師を退けた。会場には驚きと歓声が同時に湧き上がる。
「救世主だ!」
「闇を払った!」
皆が囃し立てる。ユリカは戸惑いつつも、確かに自分はここで一つの壁を乗り越えた。
選手権は中断されたが、ユリカは事実上の勝者として認められた。王は彼女に特別な称号「勇者の伴星(ばんせい)」を与え、さらなる挑戦を要請する。
「ユリカよ、そなたは勇気と機転を示した。だが、真に国を救うには、魔王軍の本拠地を討ち滅ぼす必要がある。そなたにはその力があると信じよう。」
王の言葉に、ユリカは答える。
「私でよければ……やってみます。」
引きこもりだった少女が、人前で堂々と決意を語るまでに成長した。その裏には、彼女が異世界で得た仲間との絆と、己の内に芽生えた誇りがあった。
第六章:最後の回転、国を救う一手
闇の魔術師との戦いから数日が経過した。王国は決戦に向けて準備を進めている。魔王軍は東方の火山地帯に根拠地を構え、配下の魔族たちが周辺を脅かしていた。ユリカたちは精鋭部隊を率い、そこへ向かうことになった。
出発の朝、ユリカは魔術師ギルドの部屋でキューブを見つめる。
「最初はただの引きこもりだった私が、こんな場所で国を救おうとしているなんて……。」
信じがたい変化だ。しかし、ここまで来たなら、やり遂げたい。自分を信じてくれた人たちのためにも。
道中、彼女は何度もキューブを回し、最適な手順を確かめる。魔王との戦いは生半可な力では勝てないだろう。幸運と力、知恵と素早さ、全てのステータスを最大限引き出す高度な揃え方が必要になる。
火山地帯は荒涼とした大地が広がり、噴出するガスが視界を妨げる。大地が赤熱し、足下が焼けるような熱気が襲う。ユリカはVIT上昇(白面揃え)を試み、体の耐久力を高めながら前進した。周囲には魔物が散在しているが、精鋭部隊が撃退する。ユリカもキューブで素早くAGIとSTRを切り替え、小型の魔族を仕留めていく。
やがて、魔王の居城へと続く黒い門が姿を現す。その前には、再びあの闇の魔術師……いや、より強力な闇の眷属が立ちはだかった。彼らは邪悪な結界を張り、部隊の進行を阻む。強固なバリアに対して、ユリカはINT上昇パターンを連続で組み、魔晶石を用いて光属性魔法を連射する。結界が揺らぐが、まだ破れない。
「しまった、間に合わない!」
焦る仲間たち。結界を破れなければ先へ進めず、魔王軍の主力が押し寄せてくる。時間がない。
ユリカは新たなパターンを試みる。今まで狙ったことのない、複数色を同時に揃える複雑な解法だ。通常、ルービックキューブを揃える際、全面を揃えるが、この世界では一時的に複数色面のステータス上昇を重複させる裏技があるかもしれない、と彼女は考えた。
「こう回して……次にこっちを180度……そしてもう一度……」
指先は信じられない速さで動き、カチカチと音が響く。キューブの面は目まぐるしく変化し、一瞬、全ての色が揃いかけたように見えた。すると、ウィンドウに信じられないメッセージが表示される。
【特殊効果『レインボーコネクト』発動!
全パラメータ+10
追加効果:光属性魔力増幅】
「なっ……!?」
ユリカ自身も驚く。こんな隠しパターンがあったなんて! 彼女は増幅された魔力で魔晶石を放ち、光の大砲のような魔法を結界に叩き込む。凄まじい閃光と爆音が響き、結界は砕け散った。
驚愕する闇の眷属たちもろとも、精鋭部隊が突撃し、魔王の居城へと踏み込む。内部は暗く、不気味な気配が漂うが、ユリカは躊躇しない。キューブを手に、必要な能力を常に引き出し続ける。
最深部で待ち受ける魔王は、黒い甲冑を纏い、咆哮を上げる。圧倒的な魔力が宙を震わせ、仲間たちがひるむ。だが、ユリカは逃げない。ここで退けば、全てが無駄になる。
彼女は素早くINTとAGIを高め、魔王の巨大な魔力弾を紙一重で回避する。次にSTRとDEXを上げ、仲間の戦士たちに攻撃の好機を与える。だが、魔王は硬く、容易には倒せない。
「もう一度、あのパターン……!」
ユリカは先ほど見つけた「レインボーコネクト」を再現しようとする。指先が焦る。魔王は闇の波動を放つ。頬をかすめる一撃で血が滲む。しかし、ユリカは諦めない。
「あともう少し……!」
カチリ、カチリ、カチ。最後の手順を終えると、再び全パラメータが跳ね上がった。ユリカは魔晶石に最大限の魔力を注ぎ、光の槍を放つ。仲間たちも一斉攻撃を仕掛け、魔王は吼えながら膝を屈する。
「ぐおおおお……!」
悲鳴を上げ、魔王の身体は崩壊する。闇が消え、静寂が訪れた。
戦いは終わった。ユリカは膝をつき、荒い息を吐く。仲間たちが駆け寄り、彼女を支える。
「ユリカ様、勝ちました……!」
マリルの瞳には涙が浮かぶ。騎士団長も誇らしげに剣を掲げる。
国を救うという偉業を、引きこもりだった少女が成し遂げた。ルービックキューブという得体の知れない道具で、彼女はステータスを操り、敵を打ち破った。それは単なるパズルではなく、彼女自身を表す象徴だった。何度混乱しても、何度バラバラになっても、正しい手順を踏めば整い、完全な形になる。それはユリカ自身の人生のように、困難な状況でも次の一手を探せば道が開けることを示していた。
王都に戻ると、ユリカは英雄として迎えられた。王は彼女に勲章と土地を与え、国民は感謝の花束を贈る。ユリカは戸惑いながらも笑顔を浮かべた。ここでなら、もう自分は臆病な引きこもりではない。彼女は自分の力で世界を救うことができたのだ。
しばらくこの世界で暮らすか、それとも元の世界に戻るか。選択肢はあったが、ユリカは当面この国で暮らすことを選んだ。ルービックキューブを愛する子供たちに解法を教え、国が立ち直るのを見届けたいと思った。
いつか、元の部屋に戻る日が来るかもしれない。でも、その時はもう引きこもりではない自分になっているだろう。
「世界は、こんなにも広く、美しい……。」
窓辺から見る青空は、あの日よりずっと輝いていた。
こうして、ひきこもり少女・佐伯ユリカは、ルービックキューブで国を救い、自分自身の生き方をも塗り替えたのだった。
(了)
ここまでお読みいただきありがとうございました。(え、本当にここまで読んでくれたの?!)
今回の物語のタイトルについてですが、ChatGPTのo1モデルに「スピードキューブに打ち込む女の子が主人公の、なろう小説のタイトルをいくつか考えてください」と訊いて、面白そうだと思ったものを一つピックアップして小説化してもらった感じになります。
下記がタイトルを考えてもらったときに出力されたものですが、他に面白そうなタイトルがあれば、リプライやDMをください。今回と同様にChatGPTに小説を書いてもらおうと思います。
あ、いや本当にここまで読んでくれるのって、1人か2人くらいだと想定してて、でも、もしよければ、感想のコメントを引用とかでTLに流してくれると、筆者が喜ぶかもしれません!
…まあ物語の筆者はAIなんですけどね(笑)