イギリス大学院 期末課題のすゝめ
みなさん、こんにちは!イギリスの大学院で平和学と紛争学を専攻しているTakuです。
昨年の9月に進学してから、予習・授業・課題と日々の勉強に追われ気づいた時には1学期が終わってしまっていました。あー😫あんなに憧れたイギリスの大学院。。。1年あっという間に終わりそうです😭
さて、今回は1ヶ月にも及ぶ期末課題との格闘がようやく終了したので、そこで得られたコツをまとめたいと思います。同じく海外の大学院に進学されている方や、これから進学しようと考えている方の参考になれば幸いです。
1学期期末課題終了!見つけたコツとは?
今回執筆したレポートは3つ。紛争分析・アフリカ政治・脆弱国家の治安改革に関するレポートです。どれも3000〜4000ワードくらいの文量で、それぞれのレポート執筆に当てた期間は概して8日〜10日でした。これはヨーロッパ特有からも知れませんが、クリスマス休暇(12月21日〜1月5日)に入ると、大学が閉まり教授からのフィードバックをもらえなくなるため、できるだけ早い段階でアウトラインをたて疑問点・引っかかる要素を相談し解消しておくことを強くお勧めします!(今回はアフリカ政治のoutlineに対してのみフィードバックをいただきました)
レポートの構成は、授業でお薦めされた下図の構成で行いました。
完成版のレポートの構成は下記の通りですが、
Introduction(そのレポートで明らかにしたい問・そのケーススタディを選んだ理由・レポート全体の構成)
Background (Discussionを展開するために必要な歴史的背景や要点)
Theory(Discussionでレポートの問いを検証するための理論的枠組み)
Discussion(レポートの問いに対する回答)
Conclusion(全体を踏まえた結論・問いへの端的な回答・得られた示唆)
執筆は下記の順番で行いました。
Theory
Back ground
Discussion
Conclusion
Introduction
TheoryとBackgroundはDiscussionの前提を揃えるものとして基盤の役割を果たすため、最初に執筆すると一貫性のあるレポートになります。ただし、その後のDiscussion、Conclsionとの関係で最終的に修正を加えるため、この段階で完璧なものを作る必要はありません。かけた時間の割にこの段階では精度はそこまで高くならないので、ある程度書けたらすぐにDiscussion パートに行くことをお勧めします。
また、文字数にもよりますがDiscussionには3日ほど用意しておくと良いと思います(今回の執筆ではDiscussion パートは3000~4000 ワードのレポートに対して1600 ワードほどでした)。レポートの中核をなすパートであるため、多くの参考文献の参照・引用が必要になります。Discussionの後半には、章全体の分析とそこから得られた示唆を記述します。ここまで完成すれば、ConclusionとIntroductionは1日でまとめ切ることができます。重要なことはそれぞれの章で何を証明したいのか、全体の中でどのような役割を果たすのかを明確化すること。各章の冒頭には、その章の構成を書き、章末にはその章で証明した要点をまとめるといいと思います。執筆前の構成の立て方は、最初に複数の文献(できる限り証明したい内容を広くカバーしているもの)を参照し、論旨の骨格を形成。その上で、より詳細な資料を読むことで骨格に肉付けをし、議論の奥行きを確保します。
また、これは個人のタイプによると思いますが、本当に集中したい時は図書館ではなく自室にこもってやると良いのではないかと思います。周りの環境を気にせず、自分の一番集中しやすい環境(資料の展開スペースの確保や室温調整、独り言を言っても大丈夫な環境)で時間を気にすることなく課題に没頭することができます。
いかがでしたでしょうか?理系のレポートとは大きく異なると思いますが、社会科学系の学部であれば、上記の流れで執筆できるのではないかと思います。
少しでも皆様の参考になれば幸いです!
筆者について
学部中にシリアの教育支援・アジアの紛争解決/平和構築に関わる2つのNGOで活動。2022年〜23年には、スウェーデンウプサラ大学に留学し、平和と紛争について学ぶ。帰国後は、カンボジアでの選挙監視活動及び能登半島の復興支援に従事。現在は、イギリスのブラッドフォード大学修士課程に在籍し、紛争後国家の治安改革/国家建設について勉強中。夢は紛争後の国家で人々が安心して暮らすことのできる社会を作ること。