2000年の洋楽ベストテン
年代企画は続きます。一応過去ログ…「1970年の洋楽ベストテン」、「1980年の洋楽ベストテン」「1990年の洋楽ベストテン」。
今後、こんな感じで各年代の空いている溝を埋めていき、1970年~2010年までやってみたいです(2010年以降やる予定が無いのは、イロイロ本気で追っかけなくなっちゃってるので)。
この調子だと、あと3年くらいかかりそうだけどw
ちなみに、並行して邦楽編もやってるので、興味のある人は過去の記事を追ってみてください。
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今思えば、2000年という年は、料理人としてブラック的に汗水たらしていた修業時代…ロクな思い出がありません。かといって貧乏だった学生時代よりはましだったのかな。
実際のところ、私生活では音楽聴くというよりはギャルゲーに現実逃避していたという方が正確かもしれませんw
とはいえ、ちょうど同年に出た書籍「デリシャス・R&B・レップ」というCDガイドには多くの思慮をいただきまして、俗にいうニューソウルという概念に触れていく礎となりました。そもそもこの本が出たのもD'Angeloという存在が大きく、以降現代ブラックミュージックにおける最重要人物として捉えていかねばいけませんね。
また、あくまで全盛期とされるアルバムと比べると若干落ちる…という意味合いからOASISやGREEN DAY、STEELY DAN、AC/DCといった大物の諸作がノミネート欄外になっちゃいました。決して悪い作品とは思わないですけどね。
…というわけで、以下ベストテンに入らなかったノミネート作になります。
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The Avalanches 『Since I Left You』
BADLY DRAWN BOY 『The Hour of Bewilderbeast』
CROSS MY HEART 『Temporary Contemporary』
THE CURE 『BLOODFLOWERS』▲
DEFTONES 『White Pony』
DOVES 『Lost Souls』
EMINEM 『The Slim Shady LP』△
Ghostface Killah 『Supreme Clientele』
GLASS HAMMER 『Chronometree』△
IN FLAMES 『CLAYMAN』★
KING CRIMSON 『THE CONSTRUKCTION OF LIGHT』☆
LINKIN PARK 『Hybrid Theory』◎
PHOENIX 『UNITED』
PJ Harvey 『Stories from the City, Stories from the Sea』
Ryan Adams 『Heartbreaker』○
THE SEA AND CAKE 『Oui』
THRONE OF CHAOS 『MENACE AND PRAYER』
U2 『All That You Can't Leave Behind』
Yo La Tengo 『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』○
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次点:RADIOHEAD 『Kid A』
誰もが選ぶだろう絶対的傑作なんですけどね…「新世代のプログレ」というのもわからなくもないし、実に前衛的かつ先鋭的だと思う。個人的感想ではありますが、つまるところ次点にしてしまったのは、こっちが期待してた“音”との乖離が問題だったのかもしれません。
10位:BON JOVI 『Crush』
普通に良いアルバム…90年代のヘアメタルの否定や、メロディアスロックの衰退に対して真っ向から対峙し、王道の姿勢を示しました。この古典的ハードロックに厳しい時期に全英1位全米9位に返り咲いたのも凄い!当時は解散説も濃厚だっただけに、復活は非常にうれしかったです。
9位:Erykah Badu 『Mama's Gun』
非常にスムースでリラックスできるスキのない一枚。自分は、ブラック系は弱いと言いつつ、このようにジャージーでAOR的感性が感じられるとぐっと惹かれます。そして生命力あふれる、スピリチュアルなその“声”!
8位:THE OFFSPRING 『Conspiracy Of One』
先に名前を出したGREEN DAYはパンクを“進化”させようとしましたが、彼らはあくまで“深化”させようとしました。コアなファンはキャッチャーになったというけど、メロディセンスは最高だし、魂は健在。名作です。
7位:IRON MAIDEN 『Brave New World』
これは私情が入ってるかもです…Vo. ブルース・ディッキンソンの復帰は、低迷していた正統派メタルの復活の狼煙でもあり、個人的にもメタル熱が再び火が付くきっかけだったからです。G. が3人体制になりますが、それぞれ個性的でその対比も面白いです。
6位:PRIMAL SCREAM 『XTRMNTR』
音遊びを含めてとにかくカッコよい。アルバムごとに音楽性が違うと揶揄されますが、もっともヘヴィでメタリックでインダストリアルな感触です。もともとのヘロヘロしたサイケ感も、もちろん健在ですから、実に“飛べる”音だと思います。
5位:AT THE DRIVE-IN 『Relationship Of Command』
ある種、新しい時代におけるプログレッシヴかつオルタナティブなスタイルを模索しつつ、ジャンルを切り開いていった一枚。過去の“音”の搾取に余念がないうえ、展開も複雑なのにヘヴィロックとしての迫力や勢いがそがれてないのが素晴らしい。空耳でもおなじみですねw
4位:Tahiti 80 『PUZZLE』
フランスから登場した、これぞまさに「21世紀の進化系ネオアコ」です。音響系の音遊びや、時代的なオルタナティブな感性をうまく取り入れてます。これでデビュー作なので恐れ入りますね。THE BYRDSのカヴァーも○。
3位:PORCUPINE TREE 『Lightbulb Sun』
大物プログレバンドのリマスター・エンジニアとして名を馳せたスティーヴン・ウィルソンのプログレッシヴな感性と、元JAPANのリチャード・バルビエリのNW的思考が融合、奇跡的な美しさを醸し出す一枚です。現代プログレの嚆矢といえる存在。
2位:D'Angelo 『Voodoo』
俗にいうニューソウル、ネオソウルの最重要作にして、以降21世紀のブラック・ミュージックを照らし出す名盤ですな。ソウルといいつつ、ファンクもジャズもR&Bもヒップホップもゴスペルもこなす“天才”。たしかに今上PRINCEと言っても遜色ないですね♪
1位:Elliott Smith 『Figure 8』
全盛期における衝撃的な死、ゆえに結果的に遺作になってしまったこともあるのですが、それを差し置いても、このアルバムは傑出しています。メロディメイカーとして有能なのはもちろん、佇まいから“声”まで非常に説得力にあふれた方です。
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…という感じになりました。ボンジョヴィや、オフスプ、メイデンはともかく、聴きこまないとよくわかんない初見殺しの“スルメ盤”ばっかになっちゃいましたなw
先にも書きましたが、全体的にあんまり聞いてない年度です。ですから後になってから、まだまだ素晴らしい作品に遭遇する可能性を秘めた年でもあります。何かオススメあれば教えてくださると助かります!