見出し画像

【仮面ライダーリバイス考察】第39話:牛島光は物語の中心たり得るのか?

本日第39話が放送された仮面ライダーリバイス。

ついに直接対決する事となってしまった一輝・さくらと大二。
賛否両論ありながらも平成2期以降のライダーシリーズには毎回取り入れられてきた「デバイスのボイス」要素だが、ホーリーライブが家族に向けて必殺技を放った後、皮肉のごとく「ホーリー・ジャスティス・フィニッシュ」というボイスが流れたのは非常に良い演出だったと思う。

さて、それでは今週も明かされた情報をもとに仮面ライダーリバイスのこれからについて考えていきたい。


牛島光は物語の中心たり得るのか?

五十嵐兄妹決別の裏で、今週はウィークエンド、特に牛島一家に多くの時間が割かれた印象がある。

「家族」をメインテーマとする仮面ライダーリバイスでは、これまで様々な家族が描かれており、その中には必ずしも幸せとは言えない家族もいた。「血の繋がり」がある種「呪い」ともなり得る構図はギフと五十嵐家の関係にも当てはめる事ができる。

そして今回、ついに「血の繋がりの無い家族」牛島家にスポットが当てられた。

彼らはもともと家族ではなく、ウィークエンドの目的達成の為に家族を演じていたに過ぎない。しあわせ湯に潜入し五十嵐家を監視する上ではその方が都合が良かったからだ。
しかしその息子役を演じていた牛島光は、偽装の必要がなくなった今でも親役の2人を「父さん」「母さん」と呼び慕っているようだった。

そして今週、
公子は光を守る為に命を賭けた。
冷徹な判断を下したかに見えた太助もまた、部屋の荒れ具合からその葛藤が読み取れる。
「これでも甘くなった方です」とこぼす太助に真澄が共感するシーンはまるでパパ友同士の会話を聞いているかのようだった。

それぞれがそれぞれを思い行動する。
「血の繋がり」などとは無関係に「家族」の姿そのものと言えるだろう。

公子の死に涙を流す光には、小川を流れる青葉のカットが重なる。まだ青々とした状態で木(親元)を離れた若葉は、川に流され一度は壁にぶつかるも、いずれまた流れて次の場所へと命を繋いでいく。

光は前を向いている。
彼の悪魔が暴走する心配は今のところ無さそうだ。



大二を喧嘩で救う事は正しいのか

誰が見ても明らかに暴走している五十嵐大二であるが、いくらなんでも朝の子供向け番組でここまで丁寧に闇堕ちの過程が描かれてしまうとは思いもしなかった。
魔法少女まどか⭐︎マギカの美樹さやかを彷彿とさせる「そもそも人間に守る価値はあるのか」問題をじわじわと感じさせる(いい意味で)悪趣味な演出で完全に大二を闇に堕としてみせた。

もはやギフジュニア達のリーダーにしか見えないフェニックス制服を身に纏い、ウィークエンドを急襲しに現れた大二。
そこで民衆から発せられる「私たちには仮面ライダーがいる」という言葉と、投げられた石には大二を絶望させるには充分すぎる程の威力があった。

自分こそが正義であると考えている大二にとって、「お前は仮面ライダー(ヒーロー)じゃない」と言われる事は人格の否定に等しく、投げられた石は差し伸べた手を弾かれたと同義だ。

では、そんな大二の目を覚まさせるのに必要なのは本当に一輝との兄弟喧嘩なのだろうか?

大二の闇堕ちは大きく分けて
①カゲロウを生み出した時(幼少期〜リバイス初期)
②五十嵐家との決別(リバイス中盤〜今週)
の二度ある事になるわけだが、①の原因が一輝である事は明らかで、②についても直接的な原因こそ赤石やギフだが最終的なトリガーとなったのは一輝との方向性の違いであるように見える。

「だからこそ一輝が決着をつけなければならない」という理屈も確かに分かる。

だが、仮に一輝が大二を殴り倒したところで、それは結局①に逆戻りするだけではないか。
とは言え、アルティメットリバイの力を手に入れた一輝が一対一でホーリーライブに敗れるとも考えにくい。

個人的にはヒロミがここに絡んできてほしい。願わくばデモンズとしてではなく、生身のヒロミとして。


加速する記憶喪失

忘れかけていた一輝の「変身する度に記憶が消えていく」という件。バイスが言うには、闘いが激しさを増した事で記憶喪失のスピードも上がっているらしい。
これは非常に厄介で、どうしても完全なハッピーエンドになりにくい設定と言える。

一輝が記憶を犠牲にして闘っている事は現状バイスしか知らないわけだが、写真からも姿が消えていっている以上、今後も隠し通す事は難しいのではないだろうか。

今のところ消えているのは「行動」に関する記憶だけであり、「人物」そのものを忘れるようなケースはないようだが、今後も記憶が次々消えていくならばいつかは家族の事すら忘れてしまうかもしれない。

一輝が家族の記憶を失う事で初めて大二が戻ってくる。もしくは記憶が消えていく事を大二にだけ打ち明け、それにより和解するという展開も期待したいところではあるが、やや暗すぎる感は否めない。



その他にも今週はベイルが大二を勧誘したり、ようやくジョージ・狩崎とヒロミが和解したり忙しい30分間となった。
恐らくヒロミ自らの変身は無いとは思うが、再登場以降の有能ぶりから考えて今後も活躍の機会はまだまだありそうだ。

ともかく来週は、最近ノリノリの赤石長官がついに変身する等楽しみな要素が多い。
今はひとまず兄弟喧嘩の結末に思いを馳せつつ、次回の放送を待ちたいところだ。


(仮面ライダーリバイス公式サイト リンク)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?