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【仮面ライダーリバイス考察】第42話:大二は結局家には戻らない?

本日第42話が放送された仮面ライダーリバイス。

今週は、OP映像を省いたあたりからも製作陣の意気込みが感じられ、映像や殺陣にもいつも以上の緊迫感があった。
"父"を主人公とした物語には今週で一旦幕が下ろされ、これからはバトンを受け取った"子供たち"の物語が始まる。

個人的には元太とベイルの生身バトルや、狩崎親子のサムズアップなど要所要所にクウガ感が見られたのも熱かった。

それでは、今週も明かされた情報をもとに仮面ライダーリバイスの今後について考えていきたい。


許すという選択肢

父の物語の最後を担ったのは、やはり五十嵐元太だった。

幸実は「パパさんは仮面ライダーじゃなくなったのにここへ来てから3回も変身している」と話した。
これは、一輝、大二、さくらが生まれる度に彼が父親として成長した事を表すだけでなく、「ベイルと別れ普通の人間になる」「幸実の夫になる」「父になる」という意味での3回とも取れる。

今までは便宜上ベイルと共に行動していた時を白波純平、ベイルと別れて以降を五十嵐元太と定義してきたが、今回彼は五十嵐元太のままベイルを受け入れ、共に生きる道を選んだ。

この時、元太はベイルに「許す」という表現を使った。

これはもちろん、ベイルが元太から家族を奪おうとした事に対してだが、ベイルが元太の生み出した悪魔である以上「自分を許す」事と同義だ。

元太は自分を許し、その背中を大二に見せた。
自分を許す事、それには痛みが伴う事、たくさんの人を巻き込んでしまう事、そして何より、それがかっこいい事なんだと伝えたかったからだ。

ただ、元太は最後まで大二に「戻ってこい」とは言わなかった。
一輝なら言っただろう。ではなぜ元太はそのような言葉を大二にかけてあげなかったのか。

家に戻る事は大二にとって幸せなのか?

元太の言葉を聞いた後、一輝とさくらが伸ばした手を取ろうとした大二。
だが、果たしてこれを「大二の成長」と捉えても良いものだろうか。

これについて考える為には大二というキャラクターについてもう一度復習をしておく必要がある。

彼は幼少期から真面目な次男坊として自由奔放な兄・一輝の尻拭いをしてきた。
それによって一輝や家族から絶大な信頼を得る一方で、彼は常に「一番にはなれない」という不満を抱えていた。
一輝への嫉妬心や劣等感は悪魔・カゲロウを生み出した後も尚増え続け、ついにはカゲロウが大二の人格を乗っ取るまでに膨れ上がる。
カゲロウとの直接対決を制した事で大二の中の悪魔は消えたが、逆に今度は有り余る正義感にブレーキをかける者がいなくなり、結果的に大二はカゲロウ消失をトリガーとして暴走を始める。

こうやって振り返ってみると明確になるのは、大二にとって家族が「呪い」であるという事だ。

家族を幸せの象徴とし、一緒に暮らす事を"正しい"とするならば、その家族というコミュニティで息苦しさを感じている人はどう生きれば良いのだろう。

大二は五十嵐家に戻ったとしてもきっと幸せになれない。
一輝に新しい家族ができ、お役御免になるまでの間「真面目な次男坊」を演じ続けるだけだ。

そもそも、彼自身それを感じたから若くして家を離れフェニックスに入隊したのではないだろうか。
家族に馴染めなかった大二が家の外で新たなコミュニティを形成する事はむしろ支持されるべきであって「引き戻す」事が正解とはどうしても思えない。

だから元太は大二に「戻ってこい」とは言わない。
大二が戻って来るならいつでも受け入れるが、別に「戻らない」という選択肢があってもいいのだ。

そういう意味では、今回大二を見下ろしたまま手を差し伸べた一輝とさくらには少し違和感を覚えた。
なぜなら大二は「誰かに手を差し伸べる」側になりたくて家を出たのだから。


赤石が黒幕に相応しい理由

今回かなり唐突に死亡した赤石だったが、次週予告で早速復活したようでひとまず安心した。

正直、ここ最近の赤石の人間味と狂気性は明らかにギフを"喰って"しまっている。
ギフの力がいかに強大であっても、会話が通じない以上はただのモンスターでしかない。
物語においての優れた黒幕像、優れたライバル像の条件として「主人公の第二の側面/ifの姿」というものがあるが、赤石は「家族を大切にする」の対象を究極まで拡大し、「人類みな兄弟」という全体主義と結びつけてしまったという意味では一輝のifの姿と言えるし、家族以外のコミュニティを形成しその頂点に立ったという意味では大二の目指すべき姿でもある。

赤石がギフ以上に黒幕に相応しい事はもはや明らかだが、来週もしくは再来週あたりでリタイアしそうな匂いがしているのもまた事実だ。

ならばせめて赤石は大二に倒されてほしい。
できれば大二を目覚めさせる最後の鍵として。

そして、少しだけでも良いので赤石にも救いを与えてやってほしいと願うばかりだ。


ともあれ今週は、仮面ライダーデストリームとクリムゾンベイルの恐らく一回きりとなる登場にここまで力を入れてくれて、ライダーファンとしては大変幸せな日曜日となった。
アクションに関しても基本的に素手でのぶつかり合いで熱かったし、まさに今後も語り継がれる"神回"となったのではないだろうか。

来週からはもう一度若者達にフォーカスが当てられ、いよいよ最終局面となる。
しっかりと今までの回も見返しつつ、怒涛の展開に備えていきたい。


(仮面ライダーリバイス公式サイト リンク)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice

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