知っていて損はない〜建物の換気設計について〜
おつかれさまです。
建築不動産業界にいれば良く出てくるものではありますが、意外に一般の方はご存じではないかもと思いまして、これを機に展開できればと思いました。
ところで、部屋の状態が『正圧』『負圧』と言われてピンとくるでしょうか。
端的に言うと、部屋の空気が外に出ていくような状態か、中に入ってくるような状態かと言えばピンとくるかもしれません。
その空気の換気方法は、空間の用途に応じて設計されコントロールされています。
空間の用途とは:事務所・マンション・病院・トイレ・喫煙室など
では、さっそく見ていきましょう。
大きく分けて換気には3種類あります。
・第一種換気:ビルやオフィス
排気=機械 給気=機械
・第二種換気:クリーンルームなど
排気=自然 給気=機械 (正圧)
・第三種換気:便所・喫煙室
排気=機械 給気=自然 (負圧)
のような感じです。
**では第一種換気から **
これは、外気の新鮮な空気を外からファンで入れ、室内の空気をファンで吐き出します。もし比較的新しく大きめのオフィスで働かれている方ならわかるかと思いますが、窓などはあけられないつくりになっています(※一部換気用窓をBCP対応用でつけている建物もあります。)
窓が無いのに、換気されている。CO2がコントロールされているのも排気も給気もファンなどを使用して行っているためです。
**では、次は第二種換気です。 **
これは、主にクリーンルーム、研究所や手術室などの空気の清浄度を高くしなければならない用途の空間。
外の外気をファンで取り込んで、排気は自然に行います。そうするとどうなるか、外から強制的に空気を入れむわけですから部屋のなかの圧力は高まります。その圧力を使って自然に換気をする。つまり部屋内の圧力がプラスなので『正圧』と言います。
このメリットは、不純物や汚染のある空気を取り込むリスクが少ないということ。外の外気を取り入れる際に、クリーンルームなどは高密度のフィルター等をかませているため極めて清浄度の高い空気を常時供給できるというメリットがあります。
では、次は第三種換気です。
これは主にトイレの扉、喫煙室などで用いられます。ファンで排気を強制的にすることで、部屋の中の圧力を下げ、外から自然と空気が入ってくる仕組みです。中の圧力がマイナスなので『負圧』と言います。
この仕組みのメリットは、部屋内の臭いや空気が外に出てくるのを防ぎます。
この空間によく用いられているドアが下の画像のようなもの。
ドアの下にガラリという空気の取り入れ口を作って自然に外からの空気を取り入れられるようになっています。トイレのドアの下が空いているのもそのためです。
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病院の中でも、感染症などの患者さんの部屋は第三種換気で、『負圧』になっており廊下や別のエリアに空気がいく事を防いでいます。**
例えば世帯数が多くないマンションの換気はどうなっているのか、
恐らく24時間換気線で換気扇を回しているかと思います。窓の近くには、通気口があるはずですので
第三種換気 排気=機械 給気=自然 (負圧)
このように換気は、用途によって大きく3つに分けられます。
何気なく居るその空間も、人間の公衆衛生や快適性を考え抜かれて考えられています。
今日は、意外に知られていないかもしれない
換気について触れてみました。