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PE面接対策④ファンド別サーチ(カーライル編)

はじめに

 本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
 本シリーズではファンド各社の特徴について記載します。
 就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事があるものの限定的な状況です。ここではネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います

 今回は米国系グローバル大手PE(運用資産の世界ランキングでは4位)で、日本での投資実績も豊富なカーライルについて書きていきます。過去のAPポラリスの記事も併せてご覧ください。

外資Large Capファンド全体の特徴・論点

 ここでの外資Large Capの対象はざっくりファンドサイズ2,000億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々本国(米国、欧州又はアジア)で複数回ファンドを組成しており、日本国外でのトラックレコードが豊富
・ファンドの投資対象はグローバルか、アジアリージョンか、ジャパンファンドか
・ICの意思決定に際しどこまで日本チームが形式的/実質的な権限をもっているのか
・ファンドとしてオークションにどんどん出ていくのか、相対案件を目指していくのか
・インダストリーフォーカスがあるか
・大きくなればなるほど、ファンドサイズ自体で一定の差別化要素ができる&競争を減らせる。超大型案件となると実際にできるファンドは片手に限られる
・PEの中でも最もcompetitiveな報酬水準

自身とのフィットを確認すべきチェック項目

 チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
 ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)、日本のみで意思決定できるのか、グローバル、アジアでICを開くのか
 ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
 ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
 ー得意なアングル
2.報酬水準
 ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
 ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド

記事の対象として想定する外資Large Capファンド

・カーライル
・ベイン
・KKR
・MBK
・CVC
・EQT/ベアリング
・ブラックストーン

それでは本記事ではカーライルについて書いていきます。

カーライル・ジャパン:概略

 カーライル・ジャパンは2000年に設立。AP創業の1997年から遅れることわずか3年と日本で事業を行うグローバルPEの中で最も長い歴史を有する。グローバルPEとしては珍しく、日本企業に対する投資に特化した円建てのジャパンバイアウト・ファンドを運営。最も日本市場へのコミットが深いグローバルPEの1社であり、投資の意思決定においても日本側で強い権限を持つとされている。 東京を拠点とするカーライルジャパンには約23名の投資プロフェッショナル全てが本国からの派遣ではなく、日本採用で占められているのが特徴。「カーライル・ジャパン・パートナーズ」は、これまでに33件、総額3,500億円以上の投資実績があり、IPOは8件、エグジットは21件。オークションで名前を聞くことも多いものの、基本的にはシニアのソーシング活動が活発で、相対での案件獲得に向けた動きが活発な印象。足元は2020年3月に、日本向けバイアウト第4号ファンドを2,580億円でクローズ。これは、その前の第3号ファンドより2倍以上大きいファンド規模となっている。
 カーライルジャパンの投資の流れとしては、「1号は初号ファンドで大成功」→「2号は大きく資金調達したが、リーマンで苦しんだ」→「3号は2号を受けてお金が集まらなかった。ただし、現在回収中も調子は恐らくよさそう」→「4号は3号の好調を受けた大型調達と想定、現在投資進捗中。」と推察される。2号ファンドで苦しんだものの、全体としては堅調・好調なパフォーマンスを出しているのではないか

カーライル:これまでの設立ファンド(日本バイアウト)

・1号ファンド(2021年)500億円

7件

・2号ファンド(2006年7月)2,156億円
 -シンプレックス
 -チムニー
 -AVANSTRATE株式会社
 -WALBRO
 -東芝セラミックス 等

・3号ファンド(2015年9月)1,195億円(約10億ドル)
 -株式会社おやつカンパニー
 -三生医薬株式会社
 -アルヒ株式会社(旧SBIモーゲージ株式会社)
 -日立機材株式会社
 -ウィングアーク1st
 -ソラスト
 -オリオンビール株式会社
 -トキワ 等

・4号ファンド(2020年3月)2,580億円

PE Fund.jpより引用

 ここからはカーライルの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)+6.余談と噂話から考察していきます

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