PE面接対策14:ファンド別サーチ(PAG編)
はじめに
本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
本シリーズではファンド各社の特徴について記載します。
就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事があるものの限定的な状況です。ここではネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います
今回はMid CapファンドのPAGについて書いていきます。過去のAP、ポラリス、カーライル、CVC、丸の内キャピタル、JIP、NIC、D Capital、ロングリーチ、CITIC、CLSA、Lキャタルトンの記事も併せてご覧ください。
外資Large Capファンド全体の特徴・論点
ここでの外資Large Capの対象はざっくりファンドサイズ2,000億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々本国(米国、欧州又はアジア)で複数回ファンドを組成しており、日本国外でのトラックレコードが豊富
・ファンドの投資対象はグローバルか、アジアリージョンか、ジャパンファンドか
・ICの意思決定に際しどこまで日本チームが形式的/実質的な権限をもっているのか
・ファンドとしてオークションにどんどん出ていくのか、相対案件を目指していくのか
・インダストリーフォーカスがあるか
・大きくなればなるほど、ファンドサイズ自体で一定の差別化要素ができる&競争を減らせる。超大型案件となると実際にできるファンドは片手に限られる
・PEの中でも最もcompetitiveな報酬水準
自身とのフィットを確認すべきチェック項目
チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)、日本のみで意思決定できるのか、グローバル、アジアでICを開くのか
ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
ー得意なアングル
2.報酬水準
ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド
記事の対象として想定する外資Large Capファンド
・カーライル
・ベイン
・KKR
・MBK
・CVC
・EQT/ベアリング
・ブラックストーン
・PAG
それでは本記事ではPAGについて書いていきます。
PAG:概略
PAGは、アジア太平洋地域に焦点を当てたオルタナティブ投資企業。プライベート・エクイティ、不動産、およびクレジット&マーケットに注力するマルチストラテジーの投資会社。PAGのルーツをだどると、クレジット&マーケット部門はクリス・グレーデルがマルチストラテジーのファンドマネージャーとして2002年に共同設立したパシフィック・アライアンス・グループが母体となっている。PAGの不動産部門は、日本における不動産およびディストレスト資産投資のパイオニアとして、ジョン=ポール・トッピノが1997年に共同設立したセキュアード・キャピタル・ジャパンが母体。またPAGのプライベート・エクイティ部門は、ウェイジエン・シャンが2010年に、プライベート・エクイティ企業であるTPGおよびニューブリッジ・キャピタルとの間でキャリアを飛躍させる取引を実現した後に設立。グレーデル、シャン、およびトッピノの3名は、アジアにおける分散型のオルタナティブ投資のリーディング企業を設立することを目指し、2010年に、各自の実績ある投資戦略をPAGのブランドとして統合。共同創立者3名はいずれも、引き続きそれぞれの投資戦略部門を率いている。
日本においては2013年にUSJへ、2018年タカタの再生案件へ投資実績がある。PAGの日本におけるPEチームは2020年に元CS投資銀行本部長の伊藤氏と丸の内キャピタル元MDの玉川氏を共同代表としてアポイントし体制を再構築しており、2021年にGYRO HOLDINGSへ投資実績がある。また、報道によるとハウステンボスへの投資も決定している模様
PAG:これまでの設立ファンド
PAG Asia I, which closed in September 2012 at $2.5 billion.
PAG Asia II, which closed in December 2015 at US$3.6 billion,
PAG Asia III, which closed in November 2018 at US$6.0 billion
上記に続き4号ファンドを2022年中に9 billion目標に動いているとのニュースもあり。
過去投資先(日本)
グローバルでの投資先
ここからはPAGの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)+余談・噂から考察していきます。
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