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パーキンソン病患者の「足の指の筋力」について ~論文紹介~

みなさんこんにちは!

PDcafe鹿児島の新田です。普段は理学療法士として病院で勤務しています。

PDcefeとはパーキンソン病の方のための運動を軸としたコミュニティです。

詳しく知りたい方は下記のホームページを是非ご覧ください!

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本日はパーキンソン病患者の足の指の筋力に関する研究を紹介したいと思います。

みなさん、「足の筋力をつけることは大事ですよ!!運動してくださいね!!」と言われて、足の指の筋力に注目する方は意外と少ないのではないでしょうか!?(中には、普段から指の運動までしている方もいらっしゃるかもしれませんが!)

実は、足の指を曲げる筋力って"バランスの安定性(特に前後方向のバランス)"や"歩行の安定性"を高めるために大切なのです!

さっそく研究を紹介していきたいと思います!結果だけ気になる方は、途中はすっ飛ばして最後の【まとめ】をご覧ください!



この研究では、パーキンソン病患者と健常者の足の指を曲げる筋力の違いを調べたものです。

その結果、分かったことは主に2つ

①パーキンソン病患者では健常者と比較して足の指の筋力が弱くなっている

病期の進行に伴い(特にホーエンヤール分類3以降)足の指を曲げる筋力が弱くなっていく方が多い



もう一つ、この研究ではパーキンソン病患者の足の指を曲げる筋力歩行能力に関係性があるのかを調べています。

結果として、

①足の指の筋力が強いパーキンソン患者ほど歩幅を小さくゆっくり歩くことができた。

→普段の歩行スピードより意図的にゆっくりと歩くことはバランス能力が必  要となる。



パーキンソン患者の足の指の筋力が弱くなる原因としては、

・腰曲がりにより体が後重心になり足の指に体重が乗りにくくなる...

・足の指のジストニア...

・健常者と比べて活動性が低くなりやすい(運動量の減少)...

その他、様々なことが考えられます。


【まとめ】

①パーキンソン病患は健常者と比べて足の指を曲げる力が弱くなりやすい。

②パーキンソン病の進行に伴い足の指を曲げる力が弱くなりやすい。

③パーキンソン病患者の中でも、足の指を曲げる力が保たれている人は、歩行バランスが良い(バランスを保ちながらゆっくり歩ける)


これらの研究結果を踏まえると、発症早期から足の指を曲げる力をつけるような運動も取り入れることで、立っているとき・歩いているときのバランス維持・向上が期待できるのではないでしょうか!?

今後、足の指の運動も紹介していきたいと思います!

今回の記事は以上になります!



最後にお知らせをさせてください!

3月のPDcafe活動の予定です。

◎PDcafe鹿児島の座談会 3月16日(火) 20時~21時                (zoomというテレビ電話アプリを使って当事者の皆さんで語り合います!)

◎PDcafeオンライン運動教室 3月28日(日) 10時~12時            (zoomを使って皆さんで意見交換したり、パーキンソン病に対する運動をしたりします!)

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興味のある方、参加希望の方はPDcafe鹿児島のメールアドレスに気軽にご連絡ください!

メールアドレス: kagoshima.pdcafe@gmail.com

それではまた次回!!!

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