箱根駅伝と私〜⑤一期一会を大切に〜
みなさんおはようございます、まつです。
普段は通勤電車の中でnoteを書いているのですが、先々週からテレワークが導入されて通勤時間がなくなってしまいました。
その結果、noteを書く時間もなくなり、約2週間振りの更新となってしまいました(スマホでポチポチできる作業を、わざわざ家でPC開いてまでやりたくないのであります)。
さて、私が箱根駅伝にはまって法政大学と中央学院大学を応援するに至るまでの過程を辿る「箱根駅伝と私」シリーズの最終回です。
前回までの投稿はこちら
第1回→箱根駅伝恐怖症
第2回→山下りの神様
第3回→ラスト200mは運命を変える
第4回→魅惑の投げキッス
私にとっての箱根駅伝は「怖いもの」というイメージから始まりますが、数年後にそのイメージを覆す、東洋大学の山下りの神様と出会い、次第に箱根駅伝にはまります。
そして、現地観戦に足を運ぶようになって中央学院大学や法政大学の選手の魅力に気づく ーーというのが、ここまでの流れでした。
最終回となる今回は、ここまで応援してきた東洋大学から離れ、中央学院大学と法政大学の2校を応援する現在のスタイルが確立されるまでをお話しします。
東洋大学 vs 中央学院大学
全日本大学駅伝予選会以降の私は、東洋を中心に中央学院と法政も応援する、というスタンスのファンになっていました。
ときは流れて2013年10月。
現地観戦を始めてからは初となる、出雲駅伝を迎えます。
東洋、法政、中央学院。
3校すべてが出るとあって、私は迷わず現地観戦を選びました。
しかし、当時は今のように全区間を回るようなノウハウを持ち合わせておらず、スタート直後で1区を見て、電車でゴール地点へ移動するのが精一杯。
4区にエントリーされていた中央学院の岡本選手の走りは、現地まで行ったにも関わらず、ゴール前に設置されたモニター越しにみることになりました。
その4区。
前半区間の選手たちが快走を見せた中央学院は、大学最高順位を大幅に更新する3位で4区の岡本選手へ襷が渡ります。
優勝候補として挙げられていた東洋は、対照的に前半区間の遅れが響き、6位で4区の延藤潤選手へ襷が渡りました。
とはいえ、3位中央学院と6位東洋までの差は僅か3秒(この間に同着の4位で青山学院と法政がいました)。
4区が始まってすぐ、延藤選手が岡本選手に追いつき、並走が始まります。
ずっと応援してきた東洋大学と、今年から応援し始めた中央学院大学の並走。並んだ瞬間は「2人で一緒に追い上げてくれたら」と思っていました。
しかし、テレビ中継は2人が並走しているにも関わらず、優勝候補である東洋の延藤選手をアップにして、岡本選手を意図的に画面から外すような映し方をしていました。
それがなんだか悔しくて、私の気持ちは次第に「岡本さん頑張れ!」になっていました。
4区後半。スパートをかけた岡本選手が延藤選手を引き離していきます。
(「やった! さすが岡本さん!!」)
岡本選手は襷が渡った時点でたった3秒しかなかった東洋との差を、22秒まで広げて5区へと襷を繋ぎました。
岡本選手の凄さをツイートしたくてTwitterを開くと、驚きの情報が。
なんと岡本選手は区間新記録を叩き出していたのです(なおテレビでは全く触れられていませんでした)。
(「ああ、もうほんとになんて凄い人なんだろう」)
中央学院はその後順位を落とすものの、それでも大学最高順位の6位(当時)でゴール。
ここまで中央学院を中心に書きましたが、この大会では実は法政も5区終了時点で5位と健闘し、最終的に8位でゴールし入賞を果たしています。
東洋は2位でまたも涙を飲むこととなりますが、それ以上に中央学院と法政の躍進をうれしく思っていました。
しかし、東洋大学そっちのけで中央学院と法政を応援していた事実を、このときはまだ自分の中で認めていませんでした。
自覚のとき
出雲駅伝の観戦以降も、全日本大学駅伝や、上尾シティハーフマラソン、10000m記録挑戦会といった試合の観戦を挟み、遂に箱根駅伝を迎えます。
出雲駅伝での出来事があっても、この時点では「あくまで東洋が中心で、その次に中央学院と法政も応援している」と自分自身では認識していました。
箱根駅伝第90回記念大会。
3区でトップに躍り出た設楽悠太選手、チームのために最初で最後の5区山上りに挑んだ設楽啓太選手をはじめ、各区間の選手たちが十二分に実力を発揮した東洋大学が王座奪還を果たします。
一方で法政大学は、シード圏内の10位で襷が渡った最終10区で大東文化大学に逆転を許し、僅か50秒差の11位でシードを逃してしまいます。
中央学院大学も、往路13位からスタートした復路で追い上げを見せたものの及ばず、10位と57秒差の12位でシード獲得はなりませんでした。
1月3日の復路は、朝早くから場所を取ってゴール地点にいました。
東洋大学の10区・大津顕杜選手がフィニッシュし歓喜に沸く東洋大学の面々。
最後の最後で抜かれてしまい、泣き崩れる法政大学の10区・高梨寛隆選手と、高梨選手を支えながら歩く田子祐輝選手と田井慎一郎選手。
すべてのチームがフィニッシュし大手町を歩き回っていると、険しい表情でバスへと乗り込む中央学院大学の岡本選手の姿も見かけました。
歓喜に沸いた東洋大学。昨年のシード獲得から一転、再びシードを落とすこととなった2校。明暗がはっきりと分かれました。
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東洋大学の王座奪還に、私のTwitterのタイムラインは数日間、お祭り状態でした。
私はその輪の中に入れず、ぼんやりと眺める日々が続きました。
法政大学や中央学院大学のことを話している人は、当時の自分のタイムラインには、ほとんどいません。
(「法政も中央学院も頑張ったのにな」)
優勝した東洋のことよりも、法政や中央学院のことばかり考えては、この2校に関する記事などが出回っていないか漁っている私がいました。
このときになってようやく、東洋よりも法政と中央学院を応援したい気持ちのほうが圧倒的に強くなっていることを自覚したのです。
それから
ここまで東洋ファンを自称していた私は、私のことを東洋ファンだと思っているフォロワーさんがほとんどのTwitterの居心地が悪くなり、新しいTwitterのアカウントを作ります。
2014年、春。
一眼レフを使って陸上競技の写真を撮り、Twitter上に写真を載せるユーザーが一気に増えた時期でした。
初めは一眼レフなんて難しそうなモノは私には縁がないと思い、凄いなーと思って眺めているだけでした。
しかし、写真を撮る人がいくら増えても、法政や中央学院の選手の写真を撮る人は1人もいません。
(「自分も写真を撮って載せたら、きっとどこかにいる法政や中央学院のファンの人に届いて繋がれるかもしれない)」
そんな思いから、2014年6月、私も一眼レフに手を出しました。
現地観戦を始めて1年3か月。
こうして遂に、今の私のベースが出来上がりました。
偶然の積み重ね
駅伝にはまったきっかけは東洋だったのに、いつの間にか法政と中央学院を好きになって、その2校を追うようになった私。
2校を本格的に追うようになってからも「私はもし他に魅力的なチームが現れたら、今度はそちらのファンになるのかもしれない」と思うこともありました。
しかし皆さんが知ってのとおり(?)、それ以来ずっと浮気することなく2校の応援を続けています。
それだけこの2校は、私にとって魅力的なチームなのです(もちろん東洋大学が魅力的でないと言いたいわけではありません! ただ自分には合わなかったようです)。
初回から改めて振り返ってみると、私が中央学院大学と法政大学を応援していることは、偶然に偶然が積み重なった、奇跡のようだと思ったりもします。
例えば、もし小さい頃の私が徳本選手の途中棄権を見ていなくて、箱根駅伝を怖いと思っていなかったら。
今井正人選手の圧倒的な山上りを現地で見て、順天堂大学のファンになっていかも知れない。
兄が駒澤大学に入学するのをきっかけに、駒澤大学のファンになっていたかもしれない(この理由で母は兄が卒業した今でも駒澤推しだったりします)。
なにより、市川選手が小涌園前を笑顔で駆け抜ける姿に、惹かれなかったかもしれない。
市川選手の走りに惹かれて箱根駅伝に興味をもたなかったら、現地に足を運ぶこともなく、中央学院大学の岡本選手を知ることもなかったかもしれない。
岡本選手を見たくて全日本予選に行かなかったら、法政大学の西池選手の魅力に気づくこともなかったかもしれない。。。
今回、好きになったきっかけを改めて言葉にしてみて、私の今は様々な偶然が積み重なってできたものだと再確認しました。
一期一会を大切に
Twitterを使い始めて丸7年が経ちました。
その中で、駅伝が強い大学や結果を出している選手を転々と応援するようなファンを、たびたび目にしてきました。
年々ファンが増えている(気がする)駅伝界隈ですが、野球やサッカーといったメジャーなスポーツと比べれば、世間一般からすればまだまだマイナーです。
そんな駅伝にはまったファンの皆さんは、それぞれの胸の内に素敵なきっかけを抱えていると思っています。
応援のスタンスは人それぞれで良いと思いますし、好きになるきっかけとして「強いから」というのは全然ありだと思います。
ただ、「今応援しているチームや選手が弱くなったから、ほかの強いチームや選手を応援する」ことだけはちょっと待ったと思うのです。
(私も一度鞍替えしているのでそう強くは言えないのですが)特定のチームや選手を追い続けていると、もちろんいい結果が出ることばかりではありません。
ですが、結果が出ない時期も応援し続けて、いい結果が出た瞬間に立ち会えたら、そのときの喜びは格別です。
また、以前の中央学院の4年生たちについての投稿でも書いたつもりなのですが、追い続けることでしか気づけないチームや選手たちの魅力も、きっとあるはずと思っています。
「強い」「弱い」の上辺だけでなく少し深いところまで目を向けて、一度好きになったチームを大切に応援してほしいな、というのが私の勝手な願いだったりします。
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こうして出会えたことをしっかり噛み締めて、これからも法政と中央学院の応援をしていきたいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!