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陸上競技を撮るときの設定の話〜ロードレース編・後編〜


みなさんおはようございます、まつです。

いよいよロードレース祭り当日がやってまいりました!

前回に引き続き、ロードレースを撮るときのカメラの設定などについてお話しします。

前回の投稿はこちら↓

陸上競技を撮るときの設定の話~ロードレース編・前編~

それでは早速始めます!


陸上競技撮りで「マニュアル」はおすすめしない

シャッタースピードや絞りを自分で変えたいなら、マニュアルで全部決めればよくない? なんでISOだけカメラ任せなの? と思う方がいるかも知れません。
陸上競技の撮影、とりわけロードに関して言うと、

個人的にマニュアルはおすすめしません。

カメラは人間の眼よりも明るさを敏感に検知します。少し場所を移動したり、少し画角を変えたりといった状況の変化は撮影に影響します。
また、さっきまで太陽が出ていたけど急に陰った、といった空模様の変化も気をつけたいポイントです。このような諸条件で明るさの適正値は変わります。

どんなに選手の通過前に試し撮りして設定を整えたところで、知らず知らずのうちにこういった変化が生じるため、マニュアルだと明るすぎたり暗すぎたりする写真が撮れがちです。

先日のカメラ初心者あるあるに入れようか迷ったんですけど、初心者の頃は、

カメラに慣れたらマニュアルで撮らなきゃいけない

と思っていました。笑

2014年11月2日 全日本大学駅伝
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body:PENTAX K-50
lens:PENTAX DAL50-200mm F4-5.6ED
SS:1/200 F:5.6 ISO:100
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露出設定のことを全然理解せずマニュアルで撮ってた頃に撮影した貴重な村山兄弟の並走シーン。シャッタースピードが遅すぎる故の露出オーバー気味で全体的にぼんやりと白いです。


カメラ上級者の中には「マニュアルのほうが綺麗に撮れる」という意見もあるようですが、個人的には余程自信がつくまでは避けたほうが無難だと思います。


逆光でも綺麗に撮るには?


ロードレース撮影特有の悩みは「逆光」だと思います。選手の顔が暗く写ってしまうのは、陸上撮ってる人なら誰もが通る道ではないでしょうか。

逆光で選手の顔が暗くなってしまう理由は長くなるので割愛します(書こうとするとカメラが光をどう検知して〜辺りから始めないと気が済まないので。笑)↓の記事とか参考にするといいと思います。

https://papacame.com/backlight-photography

逆光の1番の解決策は

そもそも逆光になるポジションで撮らない

これに尽きます。

設定云々よりも、各大会のコースマップを見ながらグーグルマップなどで照らし合わせて、なるべく選手が北から南(※季節や時間帯によって方角は異なる)に向かって走るポイントを探す下準備が大切です。

北から南に向かって走る選手を撮る=カメラマンは太陽の昇る南に背を向け北に向かってカメラを構えることになり、順光で撮影することができます。
ロードの撮影ではぜひ、太陽の方向を意識してみてください。

ただもちろん、どうしても逆光になるポジションで撮らざるを得ないシーンもあります。

例えば例年11月開催の東日本実業団駅伝は、1〜5区までひたすら南から北に向かって走るコースです。これらの区間を撮る場合、南に向かってカメラを構えるため確実に逆光になってしまいます。
こういったシーンでは「露出補正」の出番です。

オレンジで囲われた-3〜+3のバーが露出補正。恐らくデジタル一眼レフなら、どの機種にもついている機能のはず。


±0.3刻みに調整することができ、逆光なら+0.3〜1.0程度上げると選手が明るく撮れるはずです。

2016年11月3日 東日本実業団駅伝
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body:PENTAX K-3Ⅱ
lens:smc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED
SS:1/500 F:4.5 ISO:400 ================================
露出補正で選手は明るく写る分、背景も明るくなるので背景は飛んじゃいます。

この背景真っ白現象を避けるためにも、私はまず「そもそも逆光になるポジションで撮らない」ことを意識しています。

ロードレースはポジショニングが9割

ここまで設定回りの話をしてきましたが、どんなに条件に合った設定をしても、「いい撮影ポジションを取れるかどうか」で写真の出来が全く変わります。

これに関しては撮りたい写真のテイストは人それぞれ違いますので、絶対にここがいい! とは言いません。
ただ、「どんな写真を撮りたいか」を意識してポジションを選ぶのは非常に大事だと思っています。


参考までに、私は「選手が走ってくるのを正面から見られるコーナー」が最もいいポジションだと思っています。が、ポジショニングは私もまだまだ下手くそです……。

2019年1月3日 箱根駅伝6区
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body:PENTAX K-3Ⅱ
lens:smc PENTAX-DA★60-250mmF4ED[IF] SDM
SS:1/640 F:5.0 ISO:500
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場所取りが大変な箱根駅伝において唯一、場所取りが楽で且つ条件を満たす至高のポイント。来年混んだら嫌なので、どこなのかは教えません。笑


ロードレースの設定まとめ


情報量が多いので、前編後編の内容をまとめます。

・スポーツモードに慣れてきたら「シャッタースピード優先(Tv)」で撮ってみよう
・ロードレースは取り合えず1/500あればOK
・1/500で明るすぎたら1/640→1/800と、徐々に数値を上げてみよう
(このモードなら明るさに合わせてISOが自動で変わるので「暗すぎる」ことはないはず)

・選手の通過前に警備のおじさんで試し撮りをして設定しよう
・絞りも変えたかったら「シャッタースピード絞り優先モード」的な、シャッタースピードだけでなく絞りも変えられるモードを試してみよう

・マニュアルモードはおすすめしません
・逆光になるポジションは出来る限り避けましょう
・どうしても逆光で撮るなら露出補正で明るくしましょう
・どんな写真を撮りたいかを意識してポジショニングをしよう

こんなところでしょうか。

使っているボディやレンズによってベストな設定は違います。この投稿が設定を考える際の参考になれば幸いです。

おまけ

最後まで触れるタイミングがなかった、見出し画像を紹介させてください。

2019年2月17日 青梅マラソン
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body:PENTAX K-3Ⅱ
lens:smc PENTAX-DA★60-250mmF4ED[IF] SDM
SS:1/1600 F:5.0 ISO:400
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前編で「冬場は日差しが弱いから〜」的なことを書きましたが、1/1600で撮れてるので青梅マラソンは結構明るそうです。

前編の見出し画像が中央学院の集団走だったので、後編は法政の集団走にしてみました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!