Canon「EOS R」で陸上競技を撮ってみた話④暗さも遠さも怖くなくなった
みなさんこんばんは、まつです。
書き始めた当初、このシリーズは3回に分けて書こうとしていたんですが、まさかの4回目です。そして全6回になりそうです。もう少しお付き合いいただけたら踊って喜びます。たぶん。
前回までの投稿
第1回→フルサイズに惹かれた日のこと
第2回→なぜEOS Rを選んだのか
第3回→大惨敗のデビュー戦
前回は、EOS Rの陸上競技撮影デビューが非常に残念な結果に終わった話をしました。
今回はその続編です。
六大学対校戦のあと、改善策を色々考えた結果、ひとつの結論が出ました。
「とにかく枚数を撮って慣れるしかない」
次の観戦はそういった気持ちで向かいました。
暗い競技場こそフルサイズの良さが活きる@2019年4月28日 平成国際大学記録会
六大学の次の観戦となったのが、4月末の平成国際大学記録会でした。予備バッテリーも含めてバッテリーは3つ。
12時前から21時と(もちろん途中で間は空きますが)長時間の観戦でしたが、電池の残量を気にせず、ひたすらシャッターを切りまくりました。
スタンドからの撮影だった六大学と違い、間近で見れる記録会では300mmのレンズでも充分に撮影ができます。スタンドからの撮影は、この装備では相性が悪かったかも知れません。。。
撮影を重ねるうちに苦戦した電子ファインダーによる若干の時差にも慣れてきました。
空の青さが綺麗だから背景に入れようとか、少しずつ余裕が出始めます。平国のマジックアワーほんと綺麗。(といいつつ、それが際立つ写真がなかった)
日が沈む頃には、それなりに思い通りの写真が撮れるようになってきました。
そして、ナイター照明が点いてからが、フルサイズ機であるEOS Rの本領発揮です。
平成国際大学記録会が行われる鴻巣市立陸上競技場は、特にバックストレートの出口(第3コーナーあたり)が私の中で1番明るいポイントと思っています。
一方で、毎回このあたりで撮影するため、撮れる写真の構図が似たものになりがちという問題もありました。
まずは、いつも通り第3コーナー付近で撮影。夜でもシャープに撮れています。
SS:1/400 F:5.6 ISO:10000
ISO10000でもノイズ感は気にならず、1/400のシャッタースピードを確保できました。長距離種目は1/400もあればブレません。
これくらい撮れるのであれば、もう少し暗い場所でも撮れるのではと思い、競技場内を移動して色んな場所で試してみました。
SS:1/400 F:5.6 ISO:12800
スタート。オートにしているISOが12800まで上がったので、第3コーナーより暗いようです(肉眼では違いが分かりません)。
SS:1/400 F:5.6 ISO:12800
今まで暗いと思って夜になると避けていた第2コーナー。スタートと同じ設定で撮れました。
SS:1/320 F:5.6 ISO:12800
第4コーナー。SS1/400だとちょっと暗かったので1/320まで下げました。EXIFの数値上は、ここか1番暗いようです。
夜間でも、競技場の割とどこでも満足いくくらいに撮れました!
こうしてEOS Rで撮る感覚を身につけ、この日の観戦は無事に終了しました。
(この日撮影した写真はこちらから見れますのでお時間ある方はぜひ!)
潔く「クロップ」することで撮影の幅が広がった@2019年5月25日、26日 関東インカレ
暗い競技場で撮れることには満足したものの、まだまだ課題があります。その最たるものが、六大学で痛感した「フルサイズ300mmでは望遠が全然足りない問題」です。
それを解決するべくEOS Rに搭載されたある機能を使うことにしました。
「クロップ」です。
クロップを簡単に説明すると、フルサイズセンサーをAPS-Cサイズで使用する機能のこと。APS-C用に設計されたレンズをフルサイズ機でも問題なく使用するためのもので、最近ではEOS Rに限らず、多くのフルサイズ機種に搭載されています。
私が使用しているレンズはAPS-Cでもフルサイズでも使える仕様のレンズですが、このレンズでもクロップは可能で、300mmのレンズだと484mm相当(キヤノン換算)になります。
そんな便利な機能がついているなら、何故六大学の時に使わなかったのかというと、
知らなかったから
ではなく(恐らく読んでいる皆さんはこの流れを想像したのではないでしょうか。笑)、
クロップをすると画質が低下すると思っていたから、です。
※クロップで低下するのは「画質」ではなく、「画素数」です。この話も詳しく書くとややこしいので割愛します。気になる方はお調べください!
「せっかくフルサイズ買ったんだから、クロップなんて勿体ない! フルサイズで撮りたい!」と思っていました。
この投稿を書くにあたってクロップについて改めて調べたら、とんでもない誤認識でした。恥ずかしい限り……。
そんな訳で関東インカレでは、
「400m以上の、トラックを1周走る種目やハーフマラソンなど、比較的近くで撮れる種目はフルサイズ」
「200m以下のスプリントやフィールドなどの遠い種目はクロップ」というように、フルサイズとクロップを使い分けることにしました。
そんな訳で撮れた写真を幾つか紹介します。
水濠脇の良ポジションが撮れなかった3000mSCは、スタンドの上から撮影。クロップすればギリギリ届きました。
サイドの芝生で撮影できる4×400mRのスタートは、近くからフルサイズで撮影。背景が綺麗にぼけます。
沿道で間近で見れるハーフマラソンも、フルサイズが活きる種目。
スタートもハードリングもゴールも見たかった400mH。スタンドからクロップで10台目を狙いましたが、これは流石に厳しい距離。
こうして広角側は70mm、望遠側は最長484mm相当まで撮れるようになりました。
また、関東インカレを土日2日間撮り続けても、以前のPENTAXの機種で悩まされていた手の痺れが起きず、楽に持ち運べていることにも気づきました。この気づきが後に「あること」に挑戦するきっかけになります。
長くなったので今回はここまで。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
※補足
今回掲載した露出設定は、フルサイズ機で撮影したときのものです。もしAPS-C機で同様の設定で撮影すると、(特に平国のナイター写真は)暗い写真になってしまうと思いますのでご注意ください。