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グレースケールから学ぶ「模写」①

イラスト関係の記事では初めまして!
音楽のほうのブログを見ている方はこんにちは!
東雲冬夏(シノノメトウカ)です!

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さて、今回は事業所で行っている作業のうちの1つ「模写」を出そうかと思い、この記事を出しました。
この記事を見ている人の中で「模写」について詳しい方がどれだけいるか検討もつきませんが、まず模写が何か解説します。

模写とは?

Wikipediaではこのように解説されています。

”模写(もしゃ、英: reproduction, reproduce)とは、美術において、他者の作品を忠実に再現し、あるいはその作風を写し取ることでその作者の意図を体感・理解するための手段、方法。”

Wikipediaより引用)

模写は、イラストを描かれる方は若干の忌避感があったり、イラストを描いたことがない方は「トレース」「デッサン」「模写」の違いが分からないという意見を、私はこれまで耳にしてきました。

特にイラストを描かれる方ほど「トレース」「模写」は「ズルをしている感じがする」「自分の作品という感じではない」という意見を耳にする機会が多いです。

そりゃそうです。模写・トレース・デッサンは「あくまで最後に自分の作品を作り出すために必要な学び」であって「自分の作品」ではないからです。
ですが、この3つを無視してイラストを描くことは「基本的に」できません(ここでは解説しませんが、例外もあります)。

ジャンルは違いますが「1+1=2」という算数の当たり前の学びを、美術では「模写」「デッサン」「トレース」になっているだけで、決してズルではない(あるいはズルであってもいい)ことを念頭においてこの記事を見ていただけると幸いです。

もちろんトレースしたものを「自作発言」するなどはダメです。
算数で例を出すと「1+1=2」は自分で考えて作りましたって言ってるようなものです。それぐらい横暴な発言です。
引用したものへの敬意は必ず心に残してください。
この記事を見ている方と私の約束です!

今回の模写

さて、今回の模写は「地縛少年花子くん1巻」表紙に描かれている花子くんです。
※地縛少年花子くん画集①(42ページ)も参考資料として使用しました。

自宅で辛うじて撮っていた写真を編集しました

選んだ理由は色々ありますが…

・作品が好き(好きな作品ならモチベーションを維持しやすい)
・色合いや影のつけ方が好き(光と影の入れ方の学びになる)
・表紙の勉強になる(絵を描くのは好きだが表紙を描くことは慣れてない)

主にこの3点だと思っていただけると嬉しいです(ここでカットしないとたぶん3000文字以上この作品についての愛を語りそうだったので)。

さて、事業所の作業の一環として模写を選んだ私は、今回いくつかの縛りを入れています(事業所では、イラストを描き始めたばかりの方向けの講座や模写訓練もありますが、自分で難易度を上げました)。

縛りの内容

・事業所外では一切作業をしない(期間は1か月)
・休憩時間も作業をしない(1日の作業時間は4時間の中のみ)
・白・黒を使わない(グレーのみ)
・肌や服の素材の質感を考えながら描く
・レイヤー1枚で描く
・筆は一種類のみ(これだけで描く筆を採用)
・可能な限り「やり直し」をしない(アプリが変な挙動を起こした等除く)

1日で描ける時間は実質「1時間」ほどでした(イラスト以外の学びや講座等を受けている都合上もあります)。

実際にできた模写

※お試しで、ウォーターマークと禁止項目を貼っています。

こちらになります。グレーの範囲内で可能な限り忠実に再現したつもりですが、手の位置など違和感はあります(この記事を書いている間にもモリモリと違和感がっ…!)。
とはいえ、自分で決めた時間内、期間内の中では上手く出来た方かな?と思っています(自分で褒める事も大事)。

学べたこと

模写の目的はWikipediaにも書かれていたように「その作者の意図を体感・理解する」ことを含みます。今回は「観察」「体感」「理解」「立体視」を重点におきました。
結果、原作者である「あいだいろ先生」から学べる事はとても多くありました。

線はパキっとした印象を受けるけれど、瞳の揺らぎがあるから目が離せないこと。
本編の花子くんの瞳の瞳孔はほとんど上のほうを向いているにもかかわらず、登場人物にちゃんと向けられていること(恐ろしいことに、表紙はちゃんと「こちら」をみていました)。

「どうしたら『こちら』を向いているように描けるんだろう?」と考えながら、描いていました。目の瞳孔の位置って少し間違えるだけで違う場所を向いてしまうので、とても難しいのです…!

思った以上に影にグラデーションがかかっていることも勉強になりましたし、服の質感に関しては「そういえば制服って結構固いけれど、ちゃんと動きやすいようにも設計されているんだよね…」など。
服のデザインについては描きやすく、しかし制服というより軍服の印象が強いな…等の学びを得ました。

そして、月刊誌でこれだけの情報量を描いていくのに、道具は何を使っているのか?描くペースの配分やモデルにしたものなど、色々気になるところではあるのですが…(週刊誌で載せている方はもっとエグいなとも思うのですが…!)。
それは個人的に調べてみようかな~~~??と思っています。

結論として「あいだいろ先生すげぇ…」という語彙も何もない感想になってしまうのですが、本を読んだことがない方は是非本編を読んでみて(ry

コホン…

と、このように模写から得られるものは多くあるので、やってみたことがない方は是非やってみてくださいね!

次回へ続く…?


余談ですが、何故グレースケールで描いたのか?
理由を説明していませんでしたね。
主に「デッサン」ではリンゴを利用して鉛筆で描くことが多いです。

何故か?

物を立体的に捉える訓練のためです。

リンゴは曲線、奥行き、影、グラデーション等、様々な要素が組み込まれた果物です。芸術大学・デザインの専門学校では必ずと言っていいほど描きます。
独学の場合も、デッサンは避けて通れない道だと思うタイミングが来るほど、重要なものです。

そして、今回は「光と影の学び」を得るために、敢えてグレースケールで模写を行いました。描いたものはリンゴではありませんが、グレースケールで描くことによって「立体視」の訓練も兼ねています。

ただそれだけです。

さらに余談

~スタッフさんとの会話~

私「次何模写しましょうかねー?」
ス「どうしますかー?」

私・ス「「あっこれいいですねー」」

私「被りましたね」
ス「楽しみにしています♡」
私「ワァ…描きます…(^q^)」
ス「あ、これも描いてほし「次回に!次回に描きますから~~!」
ス「くひひ、楽しみにしています♡」

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