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LEONE #42 〜どうかレオネとお呼びください〜 一章 第8話 3/3
セロンは目を開けた。
近寄ってきたカウボーイたちは、足を止めた。
カルビンは顔をしかめ、壁の上をにらんだ。その上にいるものが誰なのか確認した後、カッと音を立てながら唾を吐いた。
それを見ていたセロンは、ゆっくりと後ろへ向かった。顔首を上げて壁の上を見た。
「もし余計なお世話だったら、どうかお許しください」
壁の上にギリギリな状態で立ったまま、ビル・クライドはたばこをくわえながら言った。
「しかしこの身は貧乏な懸賞金の狩人。君はこの身のための最後の資金源。2億GDがかかっている状況で、とても知らん振りしてそのまま帰るわけにはいかなかったのです」
「ビル・クライド」
セロンはぼんやりと彼の名前を呼んだ。
「…………ビル・クライド」
カルビンも、長いため息をつきながら彼の名前を呼んだ。
ビル・クライドはどちらにも答えなかった。彼はただ、静かにピストルを振りながら言った。
「残念だけど、そのお嬢様は俺が先に目をつけてたのだから」
ピストルの音とともに銃口が動いた。
ビル・クライドはその場で宣言した。
「もらっていく」
著者プロフィール チャン(CHYANG)。1990年、韓国、ソウル生まれ。大学在学中にこの作品を執筆。韓国ネット小説界で話題になる。
「公演、展示、フォーラムなど…忙しい人生を送りながら、暇を見つけて書いたのが『LEONE 〜どうか、レオネとお呼びください〜』です。私好みの想像の世界がこの中に込められています。読んでいただける皆様にも、どうか楽しい旅の時間にできたら嬉しいです。ありがとうございます」