LEONE #23 〜どうかレオネとお呼びください〜 外伝1 2/2
画面が消えた後も、エリオットと艦長はしばらく沈黙の中で消えたスクリーンを眺めていた。他の乗務員たちは、口を開くこともできずに、静かに二人を見ていた。
やがて、艦長が先に口を開いた。
「エリオット要員。あの者は誰なんだ」
「ビル・クライドです。賞金狩りですが、それなりに名前は知られているやつです」
艦長が首を横に振った。
「聞いたことがないんだが」
エリオットも首を横に振った。
「普通はあだ名で呼ばれています。多分、ご存知のはずですが…『エルカン空中戦』、『リベリア襲撃』、『アルシェイラ逮捕作戦』など…大規模の作戦に、いつもこっそり追いつき、自分の分け前だけ持って逃げるやつ」
「あ」
艦長は首を縦に振った。
「だったらあの男がその……?」
「そうです」
エリオットも首を縦に振った。
「『ハイエナ』です」
そしてまた、二人は沈黙した。
艦長やエリオットが沈黙から覚めて狂気に襲われ、「今すぐ突撃しろ」「あいつを痛い目に合わせてやる」と悪口を言い始めたのは、それから約1分後のことだった。
<外伝1:エリオット・ギルマーティンの場合 終わり>
著者プロフィール チャン(CHYANG)。1990年、韓国、ソウル生まれ。大学在学中にこの作品を執筆。韓国ネット小説界で話題になる。
「公演、展示、フォーラムなど…忙しい人生を送りながら、暇を見つけて書いたのが『LEONE 〜どうか、レオネとお呼びください〜』です。私好みの想像の世界がこの中に込められています。読んでいただける皆様にも、どうか楽しい旅の時間にできたら嬉しいです。ありがとうございます」
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