クマ民、ホットアイマスクを買う



現代の万能ツール、PCスマホiPad。
依存症の人も多いだろう。他はどうか知らないが私は依存症である。一日のうちの8割ほどの時間は画面を見ている気がする。

かつてはスマホが流行し始めた頃でも頑なにガラケーを愛用していた時代遅れ民であったが、今では立派な現代人である。
仕事をするにも液晶。あらゆる連絡を取るにも液晶。あらゆる娯楽に興じるにも液晶。生活の知恵を得るにも、地図を見るにも液晶、液晶、液晶。


目に良いわけがない。
慢性的な眼精疲労を感じているうちに、気づけば不健康さが顔に出ていた。


クマである。


もともと敏感肌ゆえ、美肌とは言えない顔をしているが、それにしても目元が暗い。
ヤバいと思った。
平素は己が健康であることに気づかないが、ふとした時に己の不健康を意識すると、痛烈に若さと健康の喪失を実感する。これは老けて見えるのではない。実際に老けているのだ。

まあ生物は例外なく老いるので、さほど恐れることではない。

しかし、若作りに興じる者たちは皆、きっと「無意識に若さを浪費していたかつての自分に負けたくねえ」という気持ちに燃えているのではなかろうか。少なくとも私はそう思った。
これが顔に染み付く前にケアをせねばなるまい。


というわけで、ホットアイマスクなるものを購入した。



時たま限界を迎えた時にレンチンしたホットタオルを顔に被せ、目元の血流の改善を図っていた。
しかしながら、目元が癒し切れる前に冷め切ってしまうし、簡単とはいえ毎日やるとなると手間のため、結局セルフネグレクトを発揮してしまう。

スマホと同様、最近は何かと電気である。

私のアイマスクも例に漏れず、USB接続で温まる仕様だ。
これがまあなかなか良かった。

目がすっぽりと覆われ、これをつけてしまうとベッドで横になる以外にやることがない。そのため就寝時に装着してスイッチオンするのだが、ほえー、じんわりあったかいなーと思っているうちに寝落ちする。


なかなか良いどころか、かなり良い。


私は寝つくのに時間がかかる人間で、1時間は眠れぬ時間を過ごし、ひどい時は3時間もゴロゴロしてるのに睡魔の気配が一切なくて焦るなんてこともあった。

某モンスターを収集して図鑑を完成させるゲームから派生した睡眠アプリでは常に「睡眠タイプがうとうとですね」と言われる私が、15分で寝落ちする。すげぇ。
ところで複数の睡眠アプリを入れて日毎の気分で起動させるアプリを変えているのだが、アプリによって睡眠傾向が変わるので果たして自分がちゃんと熟睡できているのかほとほと怪しい。


とにかく「なんか寝付けないな」と思った時でも、このホットアイマスクをつければ15分で寝れる。
ネット環境のない場所に旅をした時の、心地の良い諦めのような開放感のようなものがある。

私は寝る時に寂しさを紛らわせるためにYouTubeで何かしらの音声を流すのであるが、目が温められていると不思議と目のじんわり感に集中したくなり、音が不要になる。
意思とは裏腹に、体が「寝るぞ」と先陣を切って睡眠を欲しているようだ。


クマを気にして買ったアイマスクであるが、自分の顔を見慣れすぎてクマがどうなってるのかは実はいまいちわからない。しかし著しい目の疲労感は感じなくなった。
最近買って良かった買い物である。ちなみに3000円くらいだった。



ところで最近いきなり寒いと思う。ベッドから出られなくて困る。
今年はエアコンを使わずに電気毛布だけで乗り切れないものかと思っていたが、空気が冷たすぎて動く気が湧かないし、睡眠時の理想的な室温は23度前後らしいので(うろ覚え)、やはりエアコンに頼らざるを得ないのだろうかと思う。


クマになって冬眠したい。

いいなと思ったら応援しよう!