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精神科病棟に入院しました

(* 写真は石巻市門脇の風景で、記事とは無関係の画像です)

【1】入院事由 適応障害…と思ったら 鬱病の一種の急性期でした

 半年前、明確なストレス要因があった事により身体的な症状が出ていたことがわかり、これについて「適応障害」と診断を受けていました。これは精神版アレルギーのようなもので、特定の場面変化に対応できずに不安症状などの身体的な症状が出てきてしまう症状です。
 この症状は数日か数ヶ月で改善するかと思ったら、半年経っても入院直前に日常生活が難しいくらいに症状が悪化してしまい、通院頻度も上がっていくうちに、「仮面鬱病、双極性障害」と「身体表現性自律神経機能不全」を併発していることがわかりました。
 持病としては広汎性発達障害アスペルガー症候群タイプというものがありますが、発達障害を持つ方は心の調子を崩しやすく鬱病など気分の障がいの罹患率もそれなりに高いのだそうです。
 私の場合は、躁の症状があるため双極性障害の性質が高いものの、身体症状は鬱病そのものであることより仮面鬱病と呼ばれる身体症状の一種でした。
 その病気の急性期は何度もぶり返すため、寛解させる必要がありました。
 この状態を長時間にわたって放っておくと難治性のものとなり重症化するリスクが高くなるのでその前段階のうちに療養兼ねて治療を受けることになりました。

【2】開放病棟へ、治療から退院まで

日常生活のリズムを戻すためのリハビリ目的と、通院で治癒しきれずに急性期になってしまった部分を寛解させる目的で任意入院しました。私は病棟が開かれた病棟に入り、規制は緩いものの病棟から外出・外泊する場合はナースステーションに許可が必要だし、病棟にアルコールや紐付きのものなど危険物は持ち込むことはできません。患者さんの中には心の症状による危険があるのでそれらの防止の目的があります。
 いざその病棟に入ってみると、一般的な精神病棟に対するネガティブな偏見とはまるで違って、過ごし方は心の病気でない病棟とほぼ同じです。
 私の場合は処方薬カクテル療法と臨床心理師による行動療法を受けるだけでした。処方薬カクテル療法は、ここでは精神科の処方薬療法を複数処方し、細かく調整して経過を見る治療法を指していました。普通の処方薬療法で通院するよりも、寛解させたあとの再発リスクを下げる効果がありました。
 しかしこの「処方薬カクテル療法」はやはり副作用のリスクも高く、副作用が起きた場合に苦しみを緩和するために入院する必要があり、副作用のリスクを限りなく下げるために薬の飲み間違いや過剰投与などを防ぐ必要もあります。そのため、入院時は看護師さんの指示に必ず従って処方薬を飲む必要があります。
 処方薬を指示通りに投与することは重要で、これも早期回復につながる治療方法なのです。
 処方薬カクテル療法と並行して行ったのは、認知行動療法を主とした臨床心理師によるリハビリでした。仮面鬱病のときに単純作業すらできなくなっていた状態のを取り戻すために、簡単な漢字ドリルや計算ドリルなどを解いて日常生活を取り戻したり、ストレッチなど軽く体を動かして倦怠感系の症状を少しずつ治す効果がありました。更に、私が入った病棟では「カラオケ」「創作活動」を治療法として取り入れており、いずれもは脳内ホルモンを調整する効果があることが知られているため私は自身を強く持てる方のカラオケに積極的に参加しておりました。


 【3】精神科病棟に入院したあとのイメージ


 一般の方が感じているような精神科病棟とは全然違った、というのは自分自身も精神科病棟に対して怖いイメージがつきまとっていて入院する前はかなり不安な状態でした。いざ入ってみたら、イメージは閉鎖されている病院というより「老人ホーム」「特別支援学校」に近くこの病院では地域的交流も深く、それこそ老人ホームとデイケアとで併設されておりここと連携した治療を行っていました。
 私が入った病棟は開放病棟で、いろんな心の悩みをかかえている当事者が集まっている集合住宅のような感じでした。一般の人が「美化」ならぬ「醜化」しているような姿の精神科病棟とは全然違います。入院したときのルームメイトとたくさんお話もできましたし、私が病院に入った時期が日テレのあの24時間放送ということもあり、この悩みを話していました。
 患者さんについては、特に多かったのは気分障害、鬱病急性期の方と睡眠系・不安系の当事者で、高齢者の患者さんが特に多かったです。私は現在アラサーですが、看護師さんによるとこの年代で入院するの患者は「若い患者」に入るそうです。あと、入院する患者さんは知的障害、発達障害、認知症と併存している患者さんが多く、自然とメンタル系の障がいの当事者会議ができるような場所になっていました。
 私も広汎性発達障害のASDとLD併存型で「程度が進んでいる方のASD(いわゆる「重度」)」と言われているため、発達障害併存の患者というたぐいでは該当者です。

【4】精神科病棟に入院することで感じるメリット(+患者視点)

  • 心の悩みの当事者同士で悩みを打ち明けられることが治療になっている

  • 外からの心の病気となる要因を可能な限り遮断できるので

  • 薬の副作用が起きたときの対応が早く濃密な調整ができる

  • 通院でできなかった治療が受けられる

  • 生活リズムを整えることができる。それ自体も自然と治療になっている

  • 心の病気の再発リスクを低くすることができる

 外から隔離された環境は、病気の要因となるものを探りやすく長患いした心の症状を特定しやすいということがわかりました。しかも、これによってどんな病気なのか特定したあとに処方箋療法を用いたときに、適切な治療薬を選ぶことができやすいのと、それによって起きた副作用に対して適切な対応をしやすいということがわかりました。
 さらに、通院治療では足りなかった治療の方法を受けることにより、心の病気の再発リスクを下げることもできるというのです。

 今回精神疾患で入院してから、退院後二週間立ちますが、未だに6ヶ月長患いした症状が再発しておらず、今はデイケアを用いながら再発防止に務めるように心がけております。

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