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数学は無味乾燥か?単なる計算?

数学は無味乾燥か?単なる計算?

イントロ

この文章は https://github.com/khj1977/geometry_math のReadmeを元にしている。

ドローン、ロボティクス、自動運転技術、気象予測システム。我々はより良い生活のために科学技術を必要とする。

我々はAIを手にした。AIがなんでもかんでもやってくれるでしょ?あとは、AIにまかしておけばいいでしょ?答えは違う。では、どうゆう事なのか?その一端について軽く述べたいと思う。

物理、数学、コンピューターサイエンス

線積分とは何か?ベクトル場の解析とは何か?これらは流体力学や、電磁気学との関係性があるだろう。常微分方程式系は古典力学と密接な関係性を持つ。別の言い方をすれば、微分方程式を立てるには物理のインサイトが必要となる。では、微分方程式を立てたら終わりなのか?解けばいいだけだし?それは違う。時と場合によっては、自分で微分方程式のソルバーをC++で書かなければならないし、気象予測などの大規模計算になれば、下手をすれば、スーパーコンピューターやGPUクラスタでシェーダーを実装する必要が出てくる。

GPUは誰が作るのか?シェーダーは誰が作るのか?この並列分散処理クラスタは本当にelasticにスケールするのか?数学、物理とコンピューターサイエンスは密接な関係がある。

数値計算と考察の重要性

よし。物理モデリングは済んだ。微分方程式系に落とした。C++のプログラムに落とした。あとは、計算するだけでしょ?本当に?これは時と場合によっては正しい。物理学者はせいぜい、計算して、実験とのフィッティングでいいだろう。しかし、制御工学やシステムダイナミクスの専門家はそうはならない。論文のフォーマットの問題というより、微分方程式の性質そのものを調べたり解析する必要がある。そうでないと、微分方程式系の性質が分からず、制御などの応用に支障をきたすからである。

別途、実験の重要性を述べたが、数値計算を実験とみなすと、その重要性が分かってくるのではないだろうか?サンプルとして、筆者のロバスト制御の英語の論文のリンクを示す。

https://www.khj1977.net/mphil_thesis_additional/numerical_experiment.html

数学は無味乾燥か?

よくある言説に数学は無味乾燥だ。ただ、計算しているだけ。数式が並んでいるだけ。ここまで、読めば、それは半ば違うとわかるだろう。車が動くのも、飛行機が飛ぶのも数学の力があるからである。

仮にそうできたとしても、AIに全てを仮にまかしたら、自分で作る力は失われる。やはり、勉強と研鑽は必要となる。

では、どうやって、数学を身につければいいのだろうか?iPad教材?アニメーション?カラフルなテキスト?答えは、C++とOpenGLではないだろうか?別にVulkanでもいい。iPad教材もいいと思うが、学生には自分で物理演算と可視化を実装して、何かを掴むのをお勧めする。iPad教材をただ見ているだけで楽しいだろう。それで、数学に興味を持つのもいいと思う。しかし、究極的には自分で実装して、検証しないと力にならないと思う。すでに書いた通り、中古の安いPCにUbuntuを入れれば、プログラミングへの道は開ける。いかがだろうか?

参考文献

大学数学の基礎、特に物理との接続を自分で勉強したい人は以下を参照してほしい。最初はブルーバックスで、本気を出すなら、英語の分厚い本を買うのをお勧めする。ブルーバックスは高校数学と書きながら、実は大学学士課程1-2年生レベルのが多い。

  • 微分・積分復習帳、ブルーバックス

  • 高校数学で分かる線形代数、ブルーバックス

  • 「ファインマン物理学」を読む、ブルーバックス

著者略歴

金輝俊 / Hwi Jun KIM
Position: 代表 CEO 兼 Principal
Role: 戦略コンサルタント 兼 ITアーキテクト

ハイテクITベンチャーのProduct Manager / Chief IT Architect、Webベンチャーのグループリーダー、外資系IT企業のProject Manager 兼 Systems Architectなどを経験。会社を離れて数年後、Webベンチャーと外資系IT企業グローバル本社は、それぞれ東証マザーズとNYSEに上場した。

ファッションテックベンチャーのグロースハック室 室長 兼 システム開発部スペシャリストに。30人4部門を参謀長として指揮統括し、約10億円の株式による増資に成功。シーリズCへと導く。その後、起業。NMD Soft, Principalとして活動を開始。

社会貢献活動として、原爆の実相を伝えるためと、東日本大震災の解析のために、Nagasaki Archive、Hiroshima Archive、Mass Media Coverage Map of The East Japan Earthquakeなどの開発と一部企画に関わった。

主な著作にThe Real M.Phil Thesis: The Mathematical Foundation of Smart Material Systems / Yet Another Mori-TanakaMBA Thesis: The Modern Strategy from Japanがある。

筑波大学 第三学群 工学システム学類 学士(工学) First Class (イングランド基準。70%以上がA評価)

Coventry University大学院 Control Theory and Applications Centre, Master of Philosophy (Upper Master, 研究特化型学位, ドクターコースベース)。飛び級入学。返済義務無し奨学金付き。

主な受賞にアレスエレクトロニカ展Honorary mention、経済産業大臣賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

詳細なプロフィールはこちら:https://www.khj1977.net/

以上

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