メールアドレスやURLは、「0047夜 等幅フォントでお願いします」
良いことなのかどうなのか、印刷物にメールアドレスやURLを載せる機会が増えました。私が作成する場合は、気をつけていることがあります。
リンクの下線は邪魔です
印刷物に載せるのですから、メールアドレスやURLのリンクの下線ははっきり言って邪魔です。ワードやエクセル、PDFの場合は「クリックすれば飛びますよ、ブラウザが開きますよ」という目印になる訳ですが、印刷してしまったらそんなことはできない上に、g、j、q、yなどの文字は下線と重なって可読性が低下します。勝手にリンク設定がされてしまうのだとは思いますが、手動ででも書式をはずしましょう。
メールアドレスとURLは等幅フォントで
下線の解除の次にお願いしたいのは、等幅フォントを使ってほしいということです。パソコンやインターネットの仕組みが英語圏からやってきたことを思い知らされる例ですが、初期の頃を除いて、等幅フォントではなくて、プロポーショナル・フォントが好んで使われるようになりました。小文字のi(アイ)と大文字のM(エム)が同じ幅をとったら美しくないというのがプロポーショナル・フォントが使われる理由です。それぞれ文字にふさわしい幅があるという言い分です。しかし文字によって幅がバラバラだと文字数を数えにくいですね。原稿用紙を使ってきた日本人にとってはやはり等幅のほうが良いのではないかと筆者は思います。
さて、メールアドレスとURLに話を戻すと、これは見栄え良く見せたい文字ではないということです。印刷物に刷られている場合はなおさらですが、一文字一文字確認しながらタイプするものです。ドットやハイフンやアンダーバーも「一文字」の存在感を示さなくてはいけないのです。
ここで、等幅フォントとプロポーショナル・フォントの比較を画像でお見せします。
一番の問題はスペースの幅かも
さて、上の画像を作りながら、いろいろなフォントを試していたのですが、等幅フォント(monospaced font)と言いながらもスペースだけは幅が違う(狭い)気がしてきました。いくつか試したのですが、どうしても縦の線が合わないのです。これはプログラミングなどの分野では致命的です。ただし、合わないのはワープロソフトで試した結果なので、プログラミングをするための環境(エディタ)では、ちゃんと縦の線がそろいました。下の図はPython(パイソン)のプログラム例ですが、関数定義のdef(画像の3行目)や、条件のif文(画像の6行目)の後では4文字の字下げをする規則があります。3文字でも5文字でもいけません。4文字の空白が決まりです。ちゃんとした等幅でないと4文字かどうかわかりませんね。字下げが終わる行までがその定義や条件の範囲なので、(範囲指定に)括弧を使わないのがPythonの特徴です。可読性が高くなる工夫をした仕様です。
上の図と同じコードをワープロソフトのプロポーショナル・フォントで表示すると下のようになりました。
4文字分のスペースを打ちましたが2、3文字分に見えます。インデントが1回だけならまだ良いですが、2段、3段となったら何が正しいのか判断が難しくなります。まぁ、ワープロを使ってプログラムのコードを書く人はいないので実用で問題になることはありませんが、解説書を作るなどの目的では困るかもしれませんね。
2021年2月16日のコメント
関連してのコメントです。「スペースキーで見た目を整えるはやめなさい」という本が出版されるくらいです。「パソコン千夜一夜物語」でも、「0030夜 読んでいないけど書評?『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』」で言及しました。スペースではさらに全角スペースと半角スペースの区別という厄介なことがあります。等幅フォントでも位置合わせをするのはなんだかなぁと筆者は思っていますので、そういう場合は、表組みですよ。
では、また明日。