見出し画像

気になるニュースから「0105夜 災害時の官製システムってどうよ?」

まわし者ではありません! が、朝のニュースはNHKです。朝の忙しい時間に民放のニュース番組は、CMとスポーツと芸能の分だけ無駄だと感じるのでNHKを見ています。NHKもスポーツの部分はつらいですが。特に今年はオリンピックイヤーなのでなおさらつらいです。
さて、本題に戻りましょう。そんな今朝のNHKの「独自」ニュースから、、、

政府の不満を代弁しているのだろうか

まず、取り上げるニュースのリンクをシェアします。災害時の物資支援システム 「使う」市区町村は半数 普及進まず(NHKニュース 2021年4月15日)
熊本震災を教訓に、想定される南海トラフ大地震での活用を目指して各自治体がこの「物資支援システム」を採用することを期待しているという背景のようです。しかし、「せっかくの」システムを自治体側はあまり採用しようとしないのだと。
独自ニュースをわざわざNHKが今日流したのは、デジタル関連法を推進する政府への配慮なんでしょうか。
「笛吹けど踊らず」の現状を不満に感じる政府の気持ちを忖度(そんたく)して代弁しているのでしょうか。
筆者には本当のところは分かりませんが、そんな風に感じます。

本質をとらえているのか、疑問です

災害に備えるのは大切ですし、それが南海トラフ巨大地震を想定したものであれば、なおさらです。物資支援は国や自治体という「行政」の仕事であることは間違いがありません。
さて、そこで「物資支援システム」を開発して提供しようという話ですが、想像できるのは、現場の感覚ではかならずしも使い勝手が良いとは言えない、丸投げして業者に作らせた(そして直接受託した大手企業は、下請け孫請けにさせている)「システム」を、「国が作ってやったんだから自治体はありがたく使うように」という態度で通達しただけではないのだろうかということです。
あくまで筆者の想像です。不勉強で調べていませんが、当たらずと言えども遠からずなのではないかと思っています。違っていたらごめんなさい。
さらに、より本質的だと思うことは、そもそも巨大地震が発生した時に、コンピュータとインターネット回線に依存するシステムは機能するのかという疑問です。
記事によれば、現在、電話やFAXで行われている災害時の連絡や情報の集約をインターネットで置き換えるためのシステムという位置づけのようですから、電話やFAXで充分できないことをインターネットだったら充分にできるという保証はなさそうです。通信環境に関して言えば、災害時は一般の電話回線よりインターネット環境の方が脆弱なのではないでしょうか。停電時バッテリーを組み合わせてもパソコン・インターネット環境の方が大規模災害には弱い印象です。
電力網、通信網、交通網が無傷ではないはずの状況で、普段は利用されていない「災害用システム」が充分に機能する仕組みを備えているのか気になります。
もし、これをDX(デジタルトランスフォーメーション)と位置づけているのであれば、問題はさらに深刻です。電話・FAXでしていたことをインターネットで利用できる「システム」に置き換えることがDXだという誤解は、やらなくても良いことをデジタル技術で行いその成果を誇り、本当にやるべきことや今まで誰も思いつかなかったことに取り組むことを結果として阻害する結果に終わりかねないからです。

2021年4月15日のコメント

コンピュータシステムに関連するニュースということで今日の「パソコン千夜一夜物語」でとりあげました。トップダウンで進めれば、日本はデジタル分野での出遅れを取り戻せるという幻想につきあわされるのは迷惑だと感じるニュースです。
では、また明日。

いいなと思ったら応援しよう!